平和な日常~夏~2
さて今日使用してるウナギだが、実は雪広グループから仕入れた養殖ウナギだった。
横島としては異空間アジトの天然ウナギの方がタダで美味しいので楽なのだが、麻帆良祭以降地味に注目を集めているのでウナギのような特殊な食材を全く仕入れない訳にもいかない。
そんな訳でウナギを仕入れようと考えた横島だが、探すのが少々面倒だったので麻帆良祭以降交流があった雪広グループの人にウナギをいくらか仕入れられないか頼んでみたのである。
雪広グループでは通常はグループ企業や親交企業以外には卸さないようだったが、以前のソフトクリームの機械と同様に割とすんなり譲ってくれた。
流石に養殖ではあったが品質はとてもよく、グループ企業の卸値と同額で譲ってくれたため横島はかなり助かっている。
そんなこの日の営業だが、朝からウナギ目当ての客で混雑していた。
いつもはスイーツが大半の店なのに、今日はほとんどの客がウナギを食べている。
無論スイーツやアイスを食べてる女の子もそこそこ居るので、店内はファミレスに近い雰囲気かもしれない。
常連や若い子は基本的にそんな店内の雰囲気にも慣れているが、初めての客で年配者などは微妙に戸惑っていたりもする。
正直ウナギ屋さんの独特の雰囲気などを楽しみながら食事をしたいと考えるならば、横島の店は微妙に合わなかった。
ただここで問題なのが、やはりウナギが絶品なことである。
それこそスーパーや弁当屋のウナギ程度ならば専門店に行くのだろうが、専門店を凌駕するようなウナギを出してるため判断に困ると感じた者も僅かながらに存在していた。
ごく一部にはそんな感想を抱いた者も居たが、ほとんどの客にはもちろん好評だった。
何より手頃な値段で本格的なうな重を食べれるのだから、ある意味好評で当然だったのだが。
ウナギの専門店のような雰囲気がないことが、逆に学生にとっては気楽でいいと感じる者も少なくない。
まあ人の感性や味覚はそれぞれ違うので何とも言えないが。
「タマモ、無理しなくっていいぞ」
そのまま店内では夕映とさよが忙しそうに働いていたが、厨房ではタマモが皿洗いの手伝いをしていた。
最初タマモは店内の方で注文を聞いたりお冷やを出したりしていたが、横島がウナギやスイーツ作りで忙しく皿洗いまで手が回らないのでタマモが手伝い始めたのだ。
厨房の奥にある元事務室にあった使ってなかった椅子を持ち出して、それを足場にして一生懸命皿を洗っている。
頬や鼻にちょっと洗剤が付いていたりするが、本人は至って真面目にお手伝いをしていた。
「やっと終わったな」
結局一日中ウナギを調理していた横島が落ち着いたのは、完全に日が暮れた後のことだった。
今日一日で四百六十人前ほどのうな重が売れてしまい、後半の六十人前はウナギが足りずに異空間アジトから密かに送って貰った物を使っている。
通常の常連相手ならば余ることはあっても足りなくなることはなかったのだが、今日は今まで来たことがなかった客も来ていたらしい。
横島としては異空間アジトの天然ウナギの方がタダで美味しいので楽なのだが、麻帆良祭以降地味に注目を集めているのでウナギのような特殊な食材を全く仕入れない訳にもいかない。
そんな訳でウナギを仕入れようと考えた横島だが、探すのが少々面倒だったので麻帆良祭以降交流があった雪広グループの人にウナギをいくらか仕入れられないか頼んでみたのである。
雪広グループでは通常はグループ企業や親交企業以外には卸さないようだったが、以前のソフトクリームの機械と同様に割とすんなり譲ってくれた。
流石に養殖ではあったが品質はとてもよく、グループ企業の卸値と同額で譲ってくれたため横島はかなり助かっている。
そんなこの日の営業だが、朝からウナギ目当ての客で混雑していた。
いつもはスイーツが大半の店なのに、今日はほとんどの客がウナギを食べている。
無論スイーツやアイスを食べてる女の子もそこそこ居るので、店内はファミレスに近い雰囲気かもしれない。
常連や若い子は基本的にそんな店内の雰囲気にも慣れているが、初めての客で年配者などは微妙に戸惑っていたりもする。
正直ウナギ屋さんの独特の雰囲気などを楽しみながら食事をしたいと考えるならば、横島の店は微妙に合わなかった。
ただここで問題なのが、やはりウナギが絶品なことである。
それこそスーパーや弁当屋のウナギ程度ならば専門店に行くのだろうが、専門店を凌駕するようなウナギを出してるため判断に困ると感じた者も僅かながらに存在していた。
ごく一部にはそんな感想を抱いた者も居たが、ほとんどの客にはもちろん好評だった。
何より手頃な値段で本格的なうな重を食べれるのだから、ある意味好評で当然だったのだが。
ウナギの専門店のような雰囲気がないことが、逆に学生にとっては気楽でいいと感じる者も少なくない。
まあ人の感性や味覚はそれぞれ違うので何とも言えないが。
「タマモ、無理しなくっていいぞ」
そのまま店内では夕映とさよが忙しそうに働いていたが、厨房ではタマモが皿洗いの手伝いをしていた。
最初タマモは店内の方で注文を聞いたりお冷やを出したりしていたが、横島がウナギやスイーツ作りで忙しく皿洗いまで手が回らないのでタマモが手伝い始めたのだ。
厨房の奥にある元事務室にあった使ってなかった椅子を持ち出して、それを足場にして一生懸命皿を洗っている。
頬や鼻にちょっと洗剤が付いていたりするが、本人は至って真面目にお手伝いをしていた。
「やっと終わったな」
結局一日中ウナギを調理していた横島が落ち着いたのは、完全に日が暮れた後のことだった。
今日一日で四百六十人前ほどのうな重が売れてしまい、後半の六十人前はウナギが足りずに異空間アジトから密かに送って貰った物を使っている。
通常の常連相手ならば余ることはあっても足りなくなることはなかったのだが、今日は今まで来たことがなかった客も来ていたらしい。