平和な日常~夏~2
この日の天気は朝から雲一つない快晴だった。
日中の最高気温は35度を越すと予報が出ており、店が開店する頃にはすでにジリジリとした日差しが降り注いでいる。
「いつものことですが、何故うなぎの調理など出来るんです?」
常連や木乃香達などには予め今日のメニューを予告しておいたので午前のバイトである夕映も驚きはないようだが、相変わらず不思議そうに横島を見ていた。
実は昨夜のうちに異空間アジトから、ウナギを焼く炭火用の台を運び込んでおり炭火でウナギを焼いているのだ。
メニューに関しては関東風と関西風の二種類のウナギの蒲焼き重になっている。
肝吸いとお新香も付いて値段は一般が八百円で学生が五百円になっていた。
通常は横島の店では学割などはやってないが、流石にウナギをあまり安く売るのもアレなので学割にしてみたらしい。
ちなみに横島の値段の基準はスーパーや弁当屋のウナギである。
「前にちょっとだけ習ったんだよ。 だから素人のウナギ料理の値段だろ?」
相変わらず自分は素人だと言い張る横島だが、夕映は当然疑いの眼差しを向けていた。
以前から同じような理由でマグロの解体や本格的な和洋菓子を作っているので、いい加減な横島の説明など単純には信じてない。
何か言えない訳があるのだろうというのが、最近の木乃香達や2-Aの少女達の意見だった。
麻帆良祭までは実家が金持ち説が有力だった横島だが、最近は実家が料理関係の家柄だともっぱらの評判である。
一流の料理人ならばあやかや千鶴ほどでなくともそこそこの金持ちでも不思議ではないし、両親が亡くなったりして店などを騙し盗られて今は天涯孤独でも不思議ではないだろうと勝手な推測が独り歩きしていたのだ。
そんな推測は全く的外れなのだが、一応筋が通ってるので横島の知らぬところで地味に噂が広がっている。
「あまり安くするとまた皆さんに心配されますよ」
「だけど専門店じゃないしな~。 高くて美味いウナギが食いたい奴は専門店に行くし大丈夫だろ」
横島としてはスーパーや弁当屋と同レベルとして考えるが、夕映は恐らく専門店レベルだろうと推測して値段が安いのではと気にしてしまう。
ただこの辺りは難しいところで、所詮は喫茶店のウナギなだけに専門店並にすると今後は高いのではと苦情が来る可能性もあるのだ。
いつもながら値段を考えるのは面倒だと横島はシミジミ感じる。
「予約だけで二百五十件ですか……」
「あまり作ったことないって、みんなに言ってるんだけどさ~」
厨房の隅には予約者のリストがあるが、何故か予約者が殺到したんだと横島は愚痴をこぼす。
予約の中には常連の他には麻帆良学園の関係者や雪広・那波の社員の名前が結構多い。
これは横島も気付いてないが、麻帆良祭で横島の料理の腕前が魔法関係者を中心に広まったことを表している。
雪広グループ側は一応横島の名前は広がらぬように努力はしているが、人の口を封じることなど出来るはずがない。
特に横島は木乃香との写真やなんかで魔法関係者の間でもいろいろ噂をされており、今回もきっと美味しい物を作ると半ば噂が広まりつつあるらしい。
日中の最高気温は35度を越すと予報が出ており、店が開店する頃にはすでにジリジリとした日差しが降り注いでいる。
「いつものことですが、何故うなぎの調理など出来るんです?」
常連や木乃香達などには予め今日のメニューを予告しておいたので午前のバイトである夕映も驚きはないようだが、相変わらず不思議そうに横島を見ていた。
実は昨夜のうちに異空間アジトから、ウナギを焼く炭火用の台を運び込んでおり炭火でウナギを焼いているのだ。
メニューに関しては関東風と関西風の二種類のウナギの蒲焼き重になっている。
肝吸いとお新香も付いて値段は一般が八百円で学生が五百円になっていた。
通常は横島の店では学割などはやってないが、流石にウナギをあまり安く売るのもアレなので学割にしてみたらしい。
ちなみに横島の値段の基準はスーパーや弁当屋のウナギである。
「前にちょっとだけ習ったんだよ。 だから素人のウナギ料理の値段だろ?」
相変わらず自分は素人だと言い張る横島だが、夕映は当然疑いの眼差しを向けていた。
以前から同じような理由でマグロの解体や本格的な和洋菓子を作っているので、いい加減な横島の説明など単純には信じてない。
何か言えない訳があるのだろうというのが、最近の木乃香達や2-Aの少女達の意見だった。
麻帆良祭までは実家が金持ち説が有力だった横島だが、最近は実家が料理関係の家柄だともっぱらの評判である。
一流の料理人ならばあやかや千鶴ほどでなくともそこそこの金持ちでも不思議ではないし、両親が亡くなったりして店などを騙し盗られて今は天涯孤独でも不思議ではないだろうと勝手な推測が独り歩きしていたのだ。
そんな推測は全く的外れなのだが、一応筋が通ってるので横島の知らぬところで地味に噂が広がっている。
「あまり安くするとまた皆さんに心配されますよ」
「だけど専門店じゃないしな~。 高くて美味いウナギが食いたい奴は専門店に行くし大丈夫だろ」
横島としてはスーパーや弁当屋と同レベルとして考えるが、夕映は恐らく専門店レベルだろうと推測して値段が安いのではと気にしてしまう。
ただこの辺りは難しいところで、所詮は喫茶店のウナギなだけに専門店並にすると今後は高いのではと苦情が来る可能性もあるのだ。
いつもながら値段を考えるのは面倒だと横島はシミジミ感じる。
「予約だけで二百五十件ですか……」
「あまり作ったことないって、みんなに言ってるんだけどさ~」
厨房の隅には予約者のリストがあるが、何故か予約者が殺到したんだと横島は愚痴をこぼす。
予約の中には常連の他には麻帆良学園の関係者や雪広・那波の社員の名前が結構多い。
これは横島も気付いてないが、麻帆良祭で横島の料理の腕前が魔法関係者を中心に広まったことを表している。
雪広グループ側は一応横島の名前は広がらぬように努力はしているが、人の口を封じることなど出来るはずがない。
特に横島は木乃香との写真やなんかで魔法関係者の間でもいろいろ噂をされており、今回もきっと美味しい物を作ると半ば噂が広まりつつあるらしい。