平和な日常~夏~2
(思ってたほど恋愛経験ないのかしら?)
基本的に刀子の恋愛関係に対する答えは一般的なモノであり教師としての立場も踏まえた発言だが、横島の話題になると僅かに素の表情を見せていたことから案外恋愛経験が少ないのかと美砂は考え始める。
刀子が男子生徒なんかに結構人気があるのは美砂も知っており、学生時代はモテてたのだろうと思っていたらしい。
「マスターあんな性格だからよく噂になるんですけど、ほとんどの相手は一応否定してるんですよね」
「あらほとんどってことは否定してない人も居るの?」
刀子の言葉に若干含みを持たせた言い方をする美砂に食いついて来たのは、何故かシャークティだった。
今回の質問美砂には深い意図はないが、見方によっては横島との関係を線引きして牽制したようにも見えてしまう。
あまりに不器用な友人にシャークティは思わず口を出してしまったようである。
「ええまあ。 身近な人だと木乃香と那波さんは否定も肯定もしてないですよ。 あの二人はかなりマスターと親しいですし……」
横島との噂を否定も肯定もしてない筆頭はやはり木乃香と千鶴なのだが、刀子とシャークティは思わず店内にいる二人に視線を送ってしまう。
千鶴は普通にあやか達とおしゃべりしてるだけだが、木乃香は手慣れた感じで飲み物関係を提供している。
まあ刀子は横島と木乃香の関係を護衛の仕事上ある程度知っており、木乃香が横島に何かしらの特別な感情を感じ始めてるのは以前から理解していた。
その感情が素直に恋愛かは疑問が残るが、全く恋愛に関係ない感情なはずもない。
「そもそも噂になった人は結構居ますけど、マスターの噂はいい加減な噂も多いですから」
木乃香と千鶴に視線を向ける刀子を見て、美砂は刀子が少なからず横島に好意があると確信する。
一瞬シャークティもかと疑ったが、こちらは刀子の様子を気にしていることから違うと判断したらしい。
「噂はあれど真相は闇の中ってことなのね」
「現時点で彼女が居ないのは確かですよ」
横島を取り巻く現状のややこしさにシャークティはため息と共にぽつりと本音を漏らすが、表情が優れないのは刀子も同じだった。
そんな刀子に美砂は意味ありげな笑顔で、現時点ではまだ彼女が居ないとの希望を与える。
「貴女も噂の一人なんでしょう?」
「シスター、マスターのことあんまり知らないでしょ。 あの人って影で他人を蹴落とすような人とか多分苦手ですよ」
刀子に対し予防線を引いたかと思えば助けるような発言をする美砂の意図が分からず、シャークティは美砂の本音を探るが本人はライバルの洗いだしをしたかっただけである。
加えて彼女はやはり横島の性格をよく理解していた。
実際にどれだけ横島の真相に正確に迫っているかはまた別だが、恋愛関係で横島があまり裏表があるような女性が好みだとは思えない。
まだ知り合ってそれほど月日は過ぎてないが、麻帆良祭関連で横島と一緒に居る機会が多かったことからそう感じたようである。
基本的に刀子の恋愛関係に対する答えは一般的なモノであり教師としての立場も踏まえた発言だが、横島の話題になると僅かに素の表情を見せていたことから案外恋愛経験が少ないのかと美砂は考え始める。
刀子が男子生徒なんかに結構人気があるのは美砂も知っており、学生時代はモテてたのだろうと思っていたらしい。
「マスターあんな性格だからよく噂になるんですけど、ほとんどの相手は一応否定してるんですよね」
「あらほとんどってことは否定してない人も居るの?」
刀子の言葉に若干含みを持たせた言い方をする美砂に食いついて来たのは、何故かシャークティだった。
今回の質問美砂には深い意図はないが、見方によっては横島との関係を線引きして牽制したようにも見えてしまう。
あまりに不器用な友人にシャークティは思わず口を出してしまったようである。
「ええまあ。 身近な人だと木乃香と那波さんは否定も肯定もしてないですよ。 あの二人はかなりマスターと親しいですし……」
横島との噂を否定も肯定もしてない筆頭はやはり木乃香と千鶴なのだが、刀子とシャークティは思わず店内にいる二人に視線を送ってしまう。
千鶴は普通にあやか達とおしゃべりしてるだけだが、木乃香は手慣れた感じで飲み物関係を提供している。
まあ刀子は横島と木乃香の関係を護衛の仕事上ある程度知っており、木乃香が横島に何かしらの特別な感情を感じ始めてるのは以前から理解していた。
その感情が素直に恋愛かは疑問が残るが、全く恋愛に関係ない感情なはずもない。
「そもそも噂になった人は結構居ますけど、マスターの噂はいい加減な噂も多いですから」
木乃香と千鶴に視線を向ける刀子を見て、美砂は刀子が少なからず横島に好意があると確信する。
一瞬シャークティもかと疑ったが、こちらは刀子の様子を気にしていることから違うと判断したらしい。
「噂はあれど真相は闇の中ってことなのね」
「現時点で彼女が居ないのは確かですよ」
横島を取り巻く現状のややこしさにシャークティはため息と共にぽつりと本音を漏らすが、表情が優れないのは刀子も同じだった。
そんな刀子に美砂は意味ありげな笑顔で、現時点ではまだ彼女が居ないとの希望を与える。
「貴女も噂の一人なんでしょう?」
「シスター、マスターのことあんまり知らないでしょ。 あの人って影で他人を蹴落とすような人とか多分苦手ですよ」
刀子に対し予防線を引いたかと思えば助けるような発言をする美砂の意図が分からず、シャークティは美砂の本音を探るが本人はライバルの洗いだしをしたかっただけである。
加えて彼女はやはり横島の性格をよく理解していた。
実際にどれだけ横島の真相に正確に迫っているかはまた別だが、恋愛関係で横島があまり裏表があるような女性が好みだとは思えない。
まだ知り合ってそれほど月日は過ぎてないが、麻帆良祭関連で横島と一緒に居る機会が多かったことからそう感じたようである。