平和な日常~夏~2
さて七月下旬に入りも残り僅かになったこの日、麻帆良の街は浴衣姿の学生達で賑わっていた。
実は今日は龍宮神社の夏祭りの日なのである。
龍宮神社は龍宮真名の実家であるのだが、歴史は古く麻帆良学園が設立されるより前から存在していたらしい。
この夏祭りは基本的には龍宮神社の祭りなのだが。お祭り好きの麻帆良の人々は龍宮神社の周りの一般道路などまで通行止めにして、派手な夏祭りにしてしまっている。
つい一ヶ月前に麻帆良祭で騒いだばかりなのだが、相変わらずな麻帆良の人々だった。
「お前、本当に気が利くな……」
そしてこの日の横島だが、店を夕方で閉めて木乃香達とお祭りに行く約束をしている。
そんな横島がタマモに浴衣でも着せてやろうと二階に着替えに上がると、ハニワ兵がタマモやさよのみならず横島の浴衣まで用意して待っていた。
自分に任せろと言わんばかりに浴衣を運ぶハニワ兵には、以前のドジな面影はなくどこか輝いて見えるほどだ。
そんな気が利くハニワ兵に横島が驚いてる隙に、ハニワ兵はタマモに浴衣を着せて行く。
タマモの浴衣は花柄の可愛らしいものであり、タマモにはよく似合っている。
「お祭り楽しみですね」
「うん、たのしみ」
タマモに続き横島とさよも着替えると木乃香達と待ち合わせしている近くの駅に向かう横島達だったが、さよとタマモは何日も前からお祭りの話を聞いて楽しみにしておりニコニコと楽しそうな笑顔を見せていた。
見た目や髪の色が違うのであれだが、最近のタマモとさよはいつの間にか本当の姉妹のような関係になりつつある。
当初は友達になるはずだったのだが、お互いに欠けてる部分を助け合ってるうちになんとなく姉妹のような関係になっていた。
まあタマモもさよも他の人には本当の正体を打ち明けられないので、お互いの正体を知る二人は気心知れた仲になったようだ。
「夏祭りなんていつ以来かな~ 小さい頃はよく行ったんだぞ」
手を繋いで仲よさ気歩くタマモとさよの姿に、横島はふと幼い頃のことを思い出してしまう。
横島もかつては夏祭りを、指折り数えて楽しみにしていた頃があったのだ。
友人達や両親と一緒に行った、あの頃の夏祭りの思い出が今でも鮮明に蘇ってくる。
金魚すくいや射的などのコツを最初に教えてくれたのは父である大樹だったし、母の百合子は美味しい屋台を見つけるのが本当に上手かった。
(親父……おふくろ……)
夏祭りを楽しみにするタマモやさよに昔の自分や友人達を重ねた横島は、ふと今は亡き両親の気持ちが少し分かった気がする。
まさか自分がこんな気持ちを理解する時が来るとは、横島自身は思いもしなかった。
(親父、おふくろ。 俺さ、ちょっとは成長した気がするよ)
心の中に込み上げて来る感情をタマモに気付かれぬうちに静かに抑えた横島は、タマモの手を取り同じスピードでゆっくりと歩いていく。
かつて両親がしてくれたように………
実は今日は龍宮神社の夏祭りの日なのである。
龍宮神社は龍宮真名の実家であるのだが、歴史は古く麻帆良学園が設立されるより前から存在していたらしい。
この夏祭りは基本的には龍宮神社の祭りなのだが。お祭り好きの麻帆良の人々は龍宮神社の周りの一般道路などまで通行止めにして、派手な夏祭りにしてしまっている。
つい一ヶ月前に麻帆良祭で騒いだばかりなのだが、相変わらずな麻帆良の人々だった。
「お前、本当に気が利くな……」
そしてこの日の横島だが、店を夕方で閉めて木乃香達とお祭りに行く約束をしている。
そんな横島がタマモに浴衣でも着せてやろうと二階に着替えに上がると、ハニワ兵がタマモやさよのみならず横島の浴衣まで用意して待っていた。
自分に任せろと言わんばかりに浴衣を運ぶハニワ兵には、以前のドジな面影はなくどこか輝いて見えるほどだ。
そんな気が利くハニワ兵に横島が驚いてる隙に、ハニワ兵はタマモに浴衣を着せて行く。
タマモの浴衣は花柄の可愛らしいものであり、タマモにはよく似合っている。
「お祭り楽しみですね」
「うん、たのしみ」
タマモに続き横島とさよも着替えると木乃香達と待ち合わせしている近くの駅に向かう横島達だったが、さよとタマモは何日も前からお祭りの話を聞いて楽しみにしておりニコニコと楽しそうな笑顔を見せていた。
見た目や髪の色が違うのであれだが、最近のタマモとさよはいつの間にか本当の姉妹のような関係になりつつある。
当初は友達になるはずだったのだが、お互いに欠けてる部分を助け合ってるうちになんとなく姉妹のような関係になっていた。
まあタマモもさよも他の人には本当の正体を打ち明けられないので、お互いの正体を知る二人は気心知れた仲になったようだ。
「夏祭りなんていつ以来かな~ 小さい頃はよく行ったんだぞ」
手を繋いで仲よさ気歩くタマモとさよの姿に、横島はふと幼い頃のことを思い出してしまう。
横島もかつては夏祭りを、指折り数えて楽しみにしていた頃があったのだ。
友人達や両親と一緒に行った、あの頃の夏祭りの思い出が今でも鮮明に蘇ってくる。
金魚すくいや射的などのコツを最初に教えてくれたのは父である大樹だったし、母の百合子は美味しい屋台を見つけるのが本当に上手かった。
(親父……おふくろ……)
夏祭りを楽しみにするタマモやさよに昔の自分や友人達を重ねた横島は、ふと今は亡き両親の気持ちが少し分かった気がする。
まさか自分がこんな気持ちを理解する時が来るとは、横島自身は思いもしなかった。
(親父、おふくろ。 俺さ、ちょっとは成長した気がするよ)
心の中に込み上げて来る感情をタマモに気付かれぬうちに静かに抑えた横島は、タマモの手を取り同じスピードでゆっくりと歩いていく。
かつて両親がしてくれたように………