平和な日常~春~
「こんにちわ~」
学校が終わり制服のまま店に入った木乃香と明日菜だったが、目の前の光景に思わず目を見開いて驚いてしまう
「おう、いらっしゃい。 ってこら、壁で爪を研ぐな」
木乃香達をいつものように出迎える横島だったが、周りでは10匹近い猫達がおり自由気ままに遊んでいるのだ
横島の体に上ろうとする猫が居たかと思えば、壁で爪を研ごうとする猫が居たりと様々である
客が居ない店内で猫が自由に歩いてる姿はなんとも言えない光景だった
「ちょっと、この子達どうしたの!?」
「いや~、お腹空かせた様子で店の前を歩いてたから、ご飯あげたら元気になっちゃってさ」
猫に振り回されてるというか猫に遊ばれてる横島に明日菜は驚いた様子で事情を聞くが、近所の野良猫がお腹を空かせていたからついご飯をあげてしまったとのこと
暇だったから猫の相手をしてたらしいが、明日菜には猫に遊ばれてるようにしか見えない
「でも店内に居着かれても困るんじゃない?」
「そやな~、お客さんが猫さん好きだとは限らへんし……」
すっかり猫カフェのようになってしまった店内に、明日菜と木乃香は困ったように考え込む
一匹や二匹ならばいいが、10匹もの猫はあまりに多すぎた
「仕方ないな。 お前ら庭に移動してくれ。 いい子にしてたら夕飯も出してやるぞ」
困ったように考え込む二人の前で横島はじゃれつく数匹を抱えて、あとの猫達に声をかけると店の外に出ていく
すると不思議なことに野良猫達は横島の後をついて行くではないか
まあ猫達と会話が可能な横島ならば普通の事なのだが、木乃香と明日菜はその不思議な光景をただ見つめてるしか出来なかった
「お腹減ったら店か庭に来い。 簡単なご飯なら出してやるからな。 ただし人に迷惑かけたらあかんぞ」
「にゃ~」
庭に猫達を連れて行った横島は言い聞かせるように話すと、猫達は揃って鳴き声をあげて庭の中を自由に歩いていく
「本当に猫に懐かれる人よね」
「ホンマやね。 あの子達にはいい人なんが分かるんかな~」
横島と猫達を見ていた明日菜と木乃香は、驚きと笑顔の入り混じった表情だった
それは本来気まぐれな猫達が妙に横島に懐いてる姿が、不思議だが温かい気持ちにもなるものだったのだから
「あの子、気持ち良さそうにお昼してるわ~」
その後三人は店内に戻り横島は木乃香達に飲み物を出したりするが、木乃香と明日菜は窓から庭でくつろぐ猫達を見ていた
自由気ままに遊んでる猫や日なたで昼寝する猫など、見ていてなかなか楽しいようである
「店から庭に出れるようにしたいな~ 一回外に出るのは微妙に不便なんだよな」
二人が窓から猫達を見てる現状に、横島は店から庭に出れない構造上の問題を感じていた
気軽に庭に出たり僅かだが外にもテーブルを置けば、これからの季節いいと思うのだ
「そのうちなんか考えるか……」
壁を一部壊して外へ出れる扉をつけるには不動産屋に相談しないとだめだし、加えて改装するならもう少し営業して不便な点を洗い直してからの方がいいかと考え、結局当分は様子を見ることになる
学校が終わり制服のまま店に入った木乃香と明日菜だったが、目の前の光景に思わず目を見開いて驚いてしまう
「おう、いらっしゃい。 ってこら、壁で爪を研ぐな」
木乃香達をいつものように出迎える横島だったが、周りでは10匹近い猫達がおり自由気ままに遊んでいるのだ
横島の体に上ろうとする猫が居たかと思えば、壁で爪を研ごうとする猫が居たりと様々である
客が居ない店内で猫が自由に歩いてる姿はなんとも言えない光景だった
「ちょっと、この子達どうしたの!?」
「いや~、お腹空かせた様子で店の前を歩いてたから、ご飯あげたら元気になっちゃってさ」
猫に振り回されてるというか猫に遊ばれてる横島に明日菜は驚いた様子で事情を聞くが、近所の野良猫がお腹を空かせていたからついご飯をあげてしまったとのこと
暇だったから猫の相手をしてたらしいが、明日菜には猫に遊ばれてるようにしか見えない
「でも店内に居着かれても困るんじゃない?」
「そやな~、お客さんが猫さん好きだとは限らへんし……」
すっかり猫カフェのようになってしまった店内に、明日菜と木乃香は困ったように考え込む
一匹や二匹ならばいいが、10匹もの猫はあまりに多すぎた
「仕方ないな。 お前ら庭に移動してくれ。 いい子にしてたら夕飯も出してやるぞ」
困ったように考え込む二人の前で横島はじゃれつく数匹を抱えて、あとの猫達に声をかけると店の外に出ていく
すると不思議なことに野良猫達は横島の後をついて行くではないか
まあ猫達と会話が可能な横島ならば普通の事なのだが、木乃香と明日菜はその不思議な光景をただ見つめてるしか出来なかった
「お腹減ったら店か庭に来い。 簡単なご飯なら出してやるからな。 ただし人に迷惑かけたらあかんぞ」
「にゃ~」
庭に猫達を連れて行った横島は言い聞かせるように話すと、猫達は揃って鳴き声をあげて庭の中を自由に歩いていく
「本当に猫に懐かれる人よね」
「ホンマやね。 あの子達にはいい人なんが分かるんかな~」
横島と猫達を見ていた明日菜と木乃香は、驚きと笑顔の入り混じった表情だった
それは本来気まぐれな猫達が妙に横島に懐いてる姿が、不思議だが温かい気持ちにもなるものだったのだから
「あの子、気持ち良さそうにお昼してるわ~」
その後三人は店内に戻り横島は木乃香達に飲み物を出したりするが、木乃香と明日菜は窓から庭でくつろぐ猫達を見ていた
自由気ままに遊んでる猫や日なたで昼寝する猫など、見ていてなかなか楽しいようである
「店から庭に出れるようにしたいな~ 一回外に出るのは微妙に不便なんだよな」
二人が窓から猫達を見てる現状に、横島は店から庭に出れない構造上の問題を感じていた
気軽に庭に出たり僅かだが外にもテーブルを置けば、これからの季節いいと思うのだ
「そのうちなんか考えるか……」
壁を一部壊して外へ出れる扉をつけるには不動産屋に相談しないとだめだし、加えて改装するならもう少し営業して不便な点を洗い直してからの方がいいかと考え、結局当分は様子を見ることになる