平和な日常~夏~2
さてこの日の店だが、夏休み二日目ということもあり朝から学生達が訪れていた。
それほど混雑する訳ではないが、部活や遊びに行く前に軽く朝食を食べに来る子達がぽつぽつと来ている。
基本的に麻帆良学園の各寮には自炊が出来るキッチンは元より食堂も完備されているが、それでも横島の店には学生達がよく訪れていた。
もちろん寮の食事も安くて美味しいのには当然だが、料理のクオリティで言えばやはり横島が上だった。
まあ値段で言えば横島の店も十分安いが、それでも流石に寮の食事の値段には敵わない。
ただ横島も学生達が負担なく頼めるような安いメニューは相変わらず用意しており、クオリティと値段のバランスから考えると十分勝負が出来ている。
「もうちょっと練習と休養のバランス考えた方がいいと思うぞ」
そんな学生達が訪れる店内では、横島が仕事をしながら一人の女子高生の相談に乗っていた。
彼女は横島が店を開く前からの占いの客であり今でもたまに来ては占いを頼むのだが、今日は最近部活の成績が伸び悩んでるのを愚痴っている。
相変わらず占いも根強い人気がある横島だったが、最近は何故か占いでは無理そうな相談事も増えていたのだ。
ほとんどは愚痴を聞いて欲しいだけなので横島は聞き役に徹しているが、意見を求められるときちんと答えていた。
頼りなさそうな見た目やいい加減そうな態度から他人に心配されることも多い横島なのだが、よく知られば頼られることが増えている。
「でも、みんなもっと練習してるよ」
「君は多分、今が成長期なんだよ。 それに練習量=成績じゃないしな。 練習の密度とか休養も大事だと思うが」
どうやら彼女は真面目な性格らしく他人よりも練習をしないと不安になるらしいが、練習量や内容が彼女に合ってないのが横島にはなんとなく見えている。
「そうだ、一回大学部のスポーツ専門の連中に会ってみたらどうだ?」
「それは出来たらいいだろうけど、私大学部に知り合い居ないし……」
「俺の知り合いに大学部で有名な子が居るから紹介してやるよ。 きっといい話が聞けるぞ」
なかなか悩みから抜け出せない女性に横島は大学部の専門家に会うことを勧め、茶々丸経由で超鈴音に連絡を取り女性がスポーツ科学が専門の教授に会えるように頼む。
「そこまで大袈裟にしてもらうほどのことじゃないんだけど……」
話がだんだん大きくなることに女性は戸惑いを見せるが、横島は大丈夫だからと相変わらずな様子で笑っているだけだった。
ちなみに横島が彼女を大学部に紹介したのには、それなりの理由がある。
一つは彼女の部活の担当教師がさほど指導に向いてなく、昔ながらの型通りの練習に終始させてること。
そしてもう一つは彼女の肉体が練習のし過ぎで悲鳴を上げてることだった。
放置すれば近い将来彼女は怪我をする可能性が高く、万が一怪我をしなくてもその才能を潰すことは間違いないからである。
その後結局彼女は多少迷いながらも、横島が勧めるままに紹介された教授に会いに行くことになる。
そしてこれは余談だが今回の紹介が元になり彼女はトップアスリートの道に進むことになるが、それはもう少し先の話であった。
それほど混雑する訳ではないが、部活や遊びに行く前に軽く朝食を食べに来る子達がぽつぽつと来ている。
基本的に麻帆良学園の各寮には自炊が出来るキッチンは元より食堂も完備されているが、それでも横島の店には学生達がよく訪れていた。
もちろん寮の食事も安くて美味しいのには当然だが、料理のクオリティで言えばやはり横島が上だった。
まあ値段で言えば横島の店も十分安いが、それでも流石に寮の食事の値段には敵わない。
ただ横島も学生達が負担なく頼めるような安いメニューは相変わらず用意しており、クオリティと値段のバランスから考えると十分勝負が出来ている。
「もうちょっと練習と休養のバランス考えた方がいいと思うぞ」
そんな学生達が訪れる店内では、横島が仕事をしながら一人の女子高生の相談に乗っていた。
彼女は横島が店を開く前からの占いの客であり今でもたまに来ては占いを頼むのだが、今日は最近部活の成績が伸び悩んでるのを愚痴っている。
相変わらず占いも根強い人気がある横島だったが、最近は何故か占いでは無理そうな相談事も増えていたのだ。
ほとんどは愚痴を聞いて欲しいだけなので横島は聞き役に徹しているが、意見を求められるときちんと答えていた。
頼りなさそうな見た目やいい加減そうな態度から他人に心配されることも多い横島なのだが、よく知られば頼られることが増えている。
「でも、みんなもっと練習してるよ」
「君は多分、今が成長期なんだよ。 それに練習量=成績じゃないしな。 練習の密度とか休養も大事だと思うが」
どうやら彼女は真面目な性格らしく他人よりも練習をしないと不安になるらしいが、練習量や内容が彼女に合ってないのが横島にはなんとなく見えている。
「そうだ、一回大学部のスポーツ専門の連中に会ってみたらどうだ?」
「それは出来たらいいだろうけど、私大学部に知り合い居ないし……」
「俺の知り合いに大学部で有名な子が居るから紹介してやるよ。 きっといい話が聞けるぞ」
なかなか悩みから抜け出せない女性に横島は大学部の専門家に会うことを勧め、茶々丸経由で超鈴音に連絡を取り女性がスポーツ科学が専門の教授に会えるように頼む。
「そこまで大袈裟にしてもらうほどのことじゃないんだけど……」
話がだんだん大きくなることに女性は戸惑いを見せるが、横島は大丈夫だからと相変わらずな様子で笑っているだけだった。
ちなみに横島が彼女を大学部に紹介したのには、それなりの理由がある。
一つは彼女の部活の担当教師がさほど指導に向いてなく、昔ながらの型通りの練習に終始させてること。
そしてもう一つは彼女の肉体が練習のし過ぎで悲鳴を上げてることだった。
放置すれば近い将来彼女は怪我をする可能性が高く、万が一怪我をしなくてもその才能を潰すことは間違いないからである。
その後結局彼女は多少迷いながらも、横島が勧めるままに紹介された教授に会いに行くことになる。
そしてこれは余談だが今回の紹介が元になり彼女はトップアスリートの道に進むことになるが、それはもう少し先の話であった。