平和な日常~夏~2
「なんか食べたいソフトクリームあるか?」
「おいなりさん」
「おいなりさんソフトか。 面白そうだけど、いなり寿司はそのまま食った方が美味いと思うぞ」
さて機械も手に入りソフトクリームを作り始めた横島だったが、とりあえずはバニラソフトだけを先に作っていた。
機械は二種類のソフトクリームを同時に作れる物なのでもう一種類作る予定なのだが、まだそのもう一種類の味が決まらないのだ。
横島はとりあえずタマモにリクエストを聞くが、タマモは自分の好物をソフトクリームにしてみたいらしい。
というかタマモはソフトクリームをきちんと理解してないようだった。
結局その日はバニラソフトのみで販売を開始するが、正直それほど朝からソフトクリームが売れる訳ではない。
特に横島は店の外では宣伝などしてないので、メニューにソフトクリーム始めましたと書かれてる以外はお客さんが知る術はなかった。
常連の何人かはメニューを見て麻帆良祭で売っていた桃味のソフトクリームを出さないのかと尋ねるが、今のところ横島は出すつもりはないようである。
まあ絶対に出さないと決めた訳ではないが、あまり過剰な注目を集めたくないので売り出すにしてもひっそりと売りたいのが本音なようだった。
それに雪広グループや超包子では世界樹ソフトとして横島考案の桃味を売っているだけに、同じ物を売ってもつまらないという横島の個人的な感情もあるらしい。
「おっ、本当に上手いな」
そんなこの日の午前中は相変わらず暇だったが、タマモはクレヨンで塗り絵をしていた。
タマモが遊んでるのは子供向けアニメの塗り絵帳なのだが、毎日来る常連のおじいちゃんにタマモが貰った物である。
最近のタマモは午前中は横島が暇な時は一緒に遊んでることが多いが、客が居たりして仕事をしてる時は一人で夕映達が定期的に借りて来てくれる絵本を読んでるか折り紙をしてる程度だった。
常連のおじいちゃんはそんなタマモが塗り絵をしてる姿を見たことがないと気付いたらしく、塗り絵をプレゼントしてくれたのである。
「楽しいか?」
「うん」
ニコニコと塗り絵をするタマモに横島をまた嬉しそうに見ているが、塗り絵をプレゼントしてくれたおじいちゃんにはお礼をしなくてはと考えていく。
(やっぱり俺は頼りなく見えるらしいな)
ここで店を開いてまだ数ヶ月だが、基本的に横島は誰かに心配されることが多いなとシミジミ感じる。
開店当初サービスで日替わりメニューの値段を安くしたら木乃香達のみならず常連まで商売を理解してないと心配するし、タマモの件に関しても心配してくれる常連は多かった。
まあ若い男が一人で幼子を預かり育てると聞けば心配になるのは当然なのかもしれないが、常連の客達が一番心配するのはタマモが大人し過ぎることである。
ワガママの一つも言わずにお手伝いしたりするタマモはいい子だと評判になる反面で、いい子過ぎると心配してくれる人も存在するのだ。
それでも最近はタマモと話をできる程度に親しくなった常連は安心もしているが、一人で大人しくしてる姿を見ると塗り絵の一つでもプレゼントしたくなるらしい。
「おいなりさん」
「おいなりさんソフトか。 面白そうだけど、いなり寿司はそのまま食った方が美味いと思うぞ」
さて機械も手に入りソフトクリームを作り始めた横島だったが、とりあえずはバニラソフトだけを先に作っていた。
機械は二種類のソフトクリームを同時に作れる物なのでもう一種類作る予定なのだが、まだそのもう一種類の味が決まらないのだ。
横島はとりあえずタマモにリクエストを聞くが、タマモは自分の好物をソフトクリームにしてみたいらしい。
というかタマモはソフトクリームをきちんと理解してないようだった。
結局その日はバニラソフトのみで販売を開始するが、正直それほど朝からソフトクリームが売れる訳ではない。
特に横島は店の外では宣伝などしてないので、メニューにソフトクリーム始めましたと書かれてる以外はお客さんが知る術はなかった。
常連の何人かはメニューを見て麻帆良祭で売っていた桃味のソフトクリームを出さないのかと尋ねるが、今のところ横島は出すつもりはないようである。
まあ絶対に出さないと決めた訳ではないが、あまり過剰な注目を集めたくないので売り出すにしてもひっそりと売りたいのが本音なようだった。
それに雪広グループや超包子では世界樹ソフトとして横島考案の桃味を売っているだけに、同じ物を売ってもつまらないという横島の個人的な感情もあるらしい。
「おっ、本当に上手いな」
そんなこの日の午前中は相変わらず暇だったが、タマモはクレヨンで塗り絵をしていた。
タマモが遊んでるのは子供向けアニメの塗り絵帳なのだが、毎日来る常連のおじいちゃんにタマモが貰った物である。
最近のタマモは午前中は横島が暇な時は一緒に遊んでることが多いが、客が居たりして仕事をしてる時は一人で夕映達が定期的に借りて来てくれる絵本を読んでるか折り紙をしてる程度だった。
常連のおじいちゃんはそんなタマモが塗り絵をしてる姿を見たことがないと気付いたらしく、塗り絵をプレゼントしてくれたのである。
「楽しいか?」
「うん」
ニコニコと塗り絵をするタマモに横島をまた嬉しそうに見ているが、塗り絵をプレゼントしてくれたおじいちゃんにはお礼をしなくてはと考えていく。
(やっぱり俺は頼りなく見えるらしいな)
ここで店を開いてまだ数ヶ月だが、基本的に横島は誰かに心配されることが多いなとシミジミ感じる。
開店当初サービスで日替わりメニューの値段を安くしたら木乃香達のみならず常連まで商売を理解してないと心配するし、タマモの件に関しても心配してくれる常連は多かった。
まあ若い男が一人で幼子を預かり育てると聞けば心配になるのは当然なのかもしれないが、常連の客達が一番心配するのはタマモが大人し過ぎることである。
ワガママの一つも言わずにお手伝いしたりするタマモはいい子だと評判になる反面で、いい子過ぎると心配してくれる人も存在するのだ。
それでも最近はタマモと話をできる程度に親しくなった常連は安心もしているが、一人で大人しくしてる姿を見ると塗り絵の一つでもプレゼントしたくなるらしい。