平和な日常~夏~2
「ねえ今年の夏はどうする? 麻帆良祭のおかげで懐が暖かいんだよね」
一方テストが終わった女子中等部2-Aのクラスでは、すでに夏休みの話題で持ち切りだった。
特に今年は麻帆良祭での収入が結構多かっただけに、その使い道に悩む者も少なくないのだ。
そんなに贅沢は出来ないかもしれないが、一泊程度の旅行なら行ける程度は臨時収入があるため逆に使い道に迷うらしい。
「とりあえず海は行きたいわよね」
「それならまずは水着買わなきゃダメだよね」
夏休みの予定を考えてる少女達の机には、旅行のガイドブックや今年の新作水着が載ってるファッション雑誌などが散乱している。
ちなみに麻帆良では各学校のプールの他にも学園が経営する市民プールや民間スポーツクラブのプールなど複数のプールがあり、プール以外では麻帆良湖の湖畔にある砂浜で海水浴のようなレジャーを楽しむのもよくある夏の風物詩だった。
無論本物の海にも当然行く人は多いが、近場の麻帆良湖で気軽にレジャーを楽しむ人も結構存在する。
ただ中学生の彼女達からすると、どうせならば本物の海に行きたいのが本音らしい。
「ねえねえ、マスターはなんか予定あるの?」
「うーん、タマちゃんを海や山に連れて行ってナンパしたいって言うてたわ~」
さてそんな賑やかな教室でも、本来は比較的静かなはずの木乃香の席は何故か賑やかだった。
美砂や桜子を始め複数の少女達が、横島の予定を聞き出そうと集まっているのだ
集まってる少女達の目的は様々だが、横島に特別な恋愛感情がなくともなにか面白いことになると考える者は少なくないようである。
「またそんなこと言ってるの?」
「あの人はそういう人です。 自分では女好きでナンパが趣味だと公言してるですから。 言うだけはタダということでしょう」
集まった少女達は木乃香の言葉に冗談というかネタだと笑ってしまい、冷静なはずの夕映ですら本気だとは受け取ってなかった。
実は横島自身はいろいろ変わった部分もあるが根本的には昔の横島の価値観なので嘘や冗談ではないのだが、相変わらず誰も信じてくれないのが現状だった。
そもそも横島は女性が苦手などと一言も言ってないが、それすらすっかり誤解が真実として定着している。
本人がいくら否定しようとも実際に女性と深い関係にならない限りは周りが信用しないほどに偽りが真実となってる現状は、過去の横島から考えると皮肉としか言いようがない。
「今年はマスターの女性が苦手なのを克服してあげなきゃダメね」
「そうだね。 いつまでもあのままじゃ可哀相だよ」
夏の予定を話していた少女達だが、話の方向は次第におかしな方向へとズレていく。
横島も大人なのだからいい加減騙された過去を吹っ切って、女性が苦手なのを克服させないとダメだと何故か使命感に燃える少女が現れ出したのだ。
その中心人物は美砂や桜子であり他にもまき絵や裕奈などが、なんだかよくわからないまま結束してしまう。
(デリケートな問題なのですが、いいのでしょうか?)
そんなクラスメートに夕映やのどかは人知れず不安を感じるが、残念ながら彼女達には勢いづくクラスメートを止める力はなかった。
結局この日も横島の知らぬ間に話が進んでいくことになる。
一方テストが終わった女子中等部2-Aのクラスでは、すでに夏休みの話題で持ち切りだった。
特に今年は麻帆良祭での収入が結構多かっただけに、その使い道に悩む者も少なくないのだ。
そんなに贅沢は出来ないかもしれないが、一泊程度の旅行なら行ける程度は臨時収入があるため逆に使い道に迷うらしい。
「とりあえず海は行きたいわよね」
「それならまずは水着買わなきゃダメだよね」
夏休みの予定を考えてる少女達の机には、旅行のガイドブックや今年の新作水着が載ってるファッション雑誌などが散乱している。
ちなみに麻帆良では各学校のプールの他にも学園が経営する市民プールや民間スポーツクラブのプールなど複数のプールがあり、プール以外では麻帆良湖の湖畔にある砂浜で海水浴のようなレジャーを楽しむのもよくある夏の風物詩だった。
無論本物の海にも当然行く人は多いが、近場の麻帆良湖で気軽にレジャーを楽しむ人も結構存在する。
ただ中学生の彼女達からすると、どうせならば本物の海に行きたいのが本音らしい。
「ねえねえ、マスターはなんか予定あるの?」
「うーん、タマちゃんを海や山に連れて行ってナンパしたいって言うてたわ~」
さてそんな賑やかな教室でも、本来は比較的静かなはずの木乃香の席は何故か賑やかだった。
美砂や桜子を始め複数の少女達が、横島の予定を聞き出そうと集まっているのだ
集まってる少女達の目的は様々だが、横島に特別な恋愛感情がなくともなにか面白いことになると考える者は少なくないようである。
「またそんなこと言ってるの?」
「あの人はそういう人です。 自分では女好きでナンパが趣味だと公言してるですから。 言うだけはタダということでしょう」
集まった少女達は木乃香の言葉に冗談というかネタだと笑ってしまい、冷静なはずの夕映ですら本気だとは受け取ってなかった。
実は横島自身はいろいろ変わった部分もあるが根本的には昔の横島の価値観なので嘘や冗談ではないのだが、相変わらず誰も信じてくれないのが現状だった。
そもそも横島は女性が苦手などと一言も言ってないが、それすらすっかり誤解が真実として定着している。
本人がいくら否定しようとも実際に女性と深い関係にならない限りは周りが信用しないほどに偽りが真実となってる現状は、過去の横島から考えると皮肉としか言いようがない。
「今年はマスターの女性が苦手なのを克服してあげなきゃダメね」
「そうだね。 いつまでもあのままじゃ可哀相だよ」
夏の予定を話していた少女達だが、話の方向は次第におかしな方向へとズレていく。
横島も大人なのだからいい加減騙された過去を吹っ切って、女性が苦手なのを克服させないとダメだと何故か使命感に燃える少女が現れ出したのだ。
その中心人物は美砂や桜子であり他にもまき絵や裕奈などが、なんだかよくわからないまま結束してしまう。
(デリケートな問題なのですが、いいのでしょうか?)
そんなクラスメートに夕映やのどかは人知れず不安を感じるが、残念ながら彼女達には勢いづくクラスメートを止める力はなかった。
結局この日も横島の知らぬ間に話が進んでいくことになる。