平和な日常~夏~
それから数日間の横島は相変わらず明日菜達のテスト勉強を教える日々が続いていた
途中で一度だけ雪広グループの会議にも再び参加することがあったが、横島がレシピの改良案を幾つか提示して雪広グループ側が検討するといった形で進んでいる
基本的に横島は幾つかの提案はするが、実際に検討し形にするのは雪広グループ側に任せていた
そもそも横島は明日菜達の勉強で忙しいし、当然明日菜達以外の常連の女子中高生も勉強を聞きに来ることがあるのだ
どちらかを優先させるように考えてる訳ではないが、明日菜達の勉強は横島が教えないと止まってしまうだけにそちらを優先せざるおえないのである
「ポテトが今日発売か」
そしてこの日はいよいよ麻帆良祭の限定メニュー第一弾として、特製味付きポテトが発売される日だった
雪広グループの系列のファミレスやファーストフードと超包子で同時発売されたのだが、味は横島が考案したカレー・スパイス・コンソメの三種類に雪広側と超包子でそれぞれ違う新しい味を一種類加えた四種類ずつが発売されている
この味付きポテトは麻帆良祭のレシピそのままで、何より手間がかからずに簡単で美味しいのだ
少し大きめに切られたポテトを油でカラッと揚げて、味付けしただけであり非常にシンプルで簡単なのである
新しく斬新な料理ではないが、その分だけ失敗もなく万人受けするメニューだった
世界的に見ればポテトに味付けするのはさほど珍しくないが、日本の大手のファーストフードでは珍しく麻帆良祭での話題もありそこそこ注目を集めてるらしい
「どうだ? 美味いか?」
「うん。 美味しい」
ポテトが販売されたこの日横島は朝の営業が終わると一時的に店を閉めて、近くの雪広グループ系列の店でポテトを買ってタマモと食べていた
味はやはり麻帆良祭と全く同じだが、始めて食べるタマモは美味しそうにもぐもぐと食べている
「やっぱこのチーズ味も美味いな。 じゃがいもにはよく合うよ」
タマモはコンソメ味を食べていたが、横島は雪広側のオリジナルのチーズ味のポテトを食べていた
実は横島は数日前の会議でチーズ味を試食していたのだが、改めて店舗で食べてみたかったらしい
「売れるといいけどなぁ」
横島達はファーストフードに来てポテトを食べているが、まだ午前中なだけあって客はそれほど多くない
今回の麻帆良祭のメニューの発売には多くの関係者の努力があったのを知ってる横島としては、どうせならば売れて欲しいと願わずにはいられなかった
「さあ、帰って店開けような」
「うん」
そのまま特製ポテトと飲み物で久しぶりのファーストフードを楽しんだ横島と、始めてのファーストフードを経験したタマモの二人は手を繋いで自分の店に帰って行く
帰り際店頭に張られている麻帆良祭の仮設店舗の写真がデカデカと掲載された新メニューのポスターが、横島をなんとも不思議な気持ちにさせていたが……
つい先月のことなのに懐かしさを感じるのは、あの期間がそれだけ濃い時間だったからなのかもしれない
途中で一度だけ雪広グループの会議にも再び参加することがあったが、横島がレシピの改良案を幾つか提示して雪広グループ側が検討するといった形で進んでいる
基本的に横島は幾つかの提案はするが、実際に検討し形にするのは雪広グループ側に任せていた
そもそも横島は明日菜達の勉強で忙しいし、当然明日菜達以外の常連の女子中高生も勉強を聞きに来ることがあるのだ
どちらかを優先させるように考えてる訳ではないが、明日菜達の勉強は横島が教えないと止まってしまうだけにそちらを優先せざるおえないのである
「ポテトが今日発売か」
そしてこの日はいよいよ麻帆良祭の限定メニュー第一弾として、特製味付きポテトが発売される日だった
雪広グループの系列のファミレスやファーストフードと超包子で同時発売されたのだが、味は横島が考案したカレー・スパイス・コンソメの三種類に雪広側と超包子でそれぞれ違う新しい味を一種類加えた四種類ずつが発売されている
この味付きポテトは麻帆良祭のレシピそのままで、何より手間がかからずに簡単で美味しいのだ
少し大きめに切られたポテトを油でカラッと揚げて、味付けしただけであり非常にシンプルで簡単なのである
新しく斬新な料理ではないが、その分だけ失敗もなく万人受けするメニューだった
世界的に見ればポテトに味付けするのはさほど珍しくないが、日本の大手のファーストフードでは珍しく麻帆良祭での話題もありそこそこ注目を集めてるらしい
「どうだ? 美味いか?」
「うん。 美味しい」
ポテトが販売されたこの日横島は朝の営業が終わると一時的に店を閉めて、近くの雪広グループ系列の店でポテトを買ってタマモと食べていた
味はやはり麻帆良祭と全く同じだが、始めて食べるタマモは美味しそうにもぐもぐと食べている
「やっぱこのチーズ味も美味いな。 じゃがいもにはよく合うよ」
タマモはコンソメ味を食べていたが、横島は雪広側のオリジナルのチーズ味のポテトを食べていた
実は横島は数日前の会議でチーズ味を試食していたのだが、改めて店舗で食べてみたかったらしい
「売れるといいけどなぁ」
横島達はファーストフードに来てポテトを食べているが、まだ午前中なだけあって客はそれほど多くない
今回の麻帆良祭のメニューの発売には多くの関係者の努力があったのを知ってる横島としては、どうせならば売れて欲しいと願わずにはいられなかった
「さあ、帰って店開けような」
「うん」
そのまま特製ポテトと飲み物で久しぶりのファーストフードを楽しんだ横島と、始めてのファーストフードを経験したタマモの二人は手を繋いで自分の店に帰って行く
帰り際店頭に張られている麻帆良祭の仮設店舗の写真がデカデカと掲載された新メニューのポスターが、横島をなんとも不思議な気持ちにさせていたが……
つい先月のことなのに懐かしさを感じるのは、あの期間がそれだけ濃い時間だったからなのかもしれない