平和な日常~夏~
その後も試食と会議は続くが現状で売り物になるのは、フライドポテトやから揚げなど横島が考案した軽食だけだった
まあ開発が難航してるからこそ横島が呼ばれたのだろうが……
結局この日は試作品の問題点の洗いだしで終わり、雪広グループ側の要請で横島と超が開発チームに参加することが決まる
流石にフルで参加する訳ではないが、いろいろと細かなアドバイスとテコ入れは必要だとの結論に至ったのだ
正直もう少し時間をかければ雪広グループ側だけでも完成させられるのだろうが、販売予定日が麻帆良祭の一ヶ月後の七月の下旬なので時間がないのである
こういった企画は販売時期が早ければ早い方がよく、麻帆良祭の記憶が新しいうちに販売したいのが本音だった
「んじゃ帰るか?」
二時間ほどの会議が終わると横島はタマモを連れて帰るのだが、タマモは周りが驚くほど大人しかったと帰り際に褒められている
流石に味の良し悪しは始めて食べたので分からなかったようだが、何故か褒められるのと一緒にお菓子をお土産に貰ってしまいタマモは不思議そうにしていた
「ありがとうございます」
「ありがと」
お土産まで貰って中身が何かと楽しみな様子のタマモを見つつ、横島はちょっと申し訳なさそうに雪広グループの人にお礼を言う
タマモも横島に続いてお礼を言うが、横島は雪広グループ側が思った以上に気を使ってることに思わず苦笑いを浮かべたくなる
それというのも、雪広グループ側はかなり横島と超に気を使っているのだ
まあグループ経営陣である雪広家と繋がりがある横島と超の扱いは、横島が思ってた以上に神経を使っているらしい
特に横島は今回早々に手を引いた件もあり、腰が低い割に気難しい部分があるのではと疑われているようだ
楽しかったらしく笑顔のタマモを連れて帰る横島を見て、雪広グループの社員がホッとしていたのは言うまでもない
「そろそろ日差しが強くなって来たな~。 ちょうどいいから帽子でも買いに行くか?」
そのまま雪広コンツェルンのビルを出た横島とタマモだったが、外はすでに初夏であった
せっかくなので世界樹前広場の方に行って大通りにある帽子屋を目指す
「あれ、マスターお買い物?」
「その子が噂の……」
「可愛いねー」
世界樹前広場に到着して広場からまっすぐに伸びる大通りを歩いていた横島達だが、偶然美砂・円・桜子の三人とばったり会っていた
昨日店に来なかったため、タマモと初対面な彼女達は一斉にタマモに駆け寄っていく
突然見知らぬ美砂達が近付いて来たことにタマモは本能的に横島の背後に隠れるが、何故か桜子を見て自分から近寄って行った
タマモに隠れられ残念そうだった三人だが、突然桜子に近寄るタマモに興味津々な様子になる
「ビッケとクッキの匂いがする」
「あれ、ビッケとクッキを知ってるの? あの子達は私の家族なんだよ」
どうやらタマモが桜子に近寄ったのは、ビッケとクッキの匂いを感じたかららしい
突然自分の飼い猫の名前を口にしたタマモに、桜子は不思議そうにしながらも自分がそんなに猫の匂いがするのかと嗅いでみる
ついでに美砂と円も猫の匂いがするのかと匂いを嗅ぐが、当然人間に分かるレベルではない
まあ開発が難航してるからこそ横島が呼ばれたのだろうが……
結局この日は試作品の問題点の洗いだしで終わり、雪広グループ側の要請で横島と超が開発チームに参加することが決まる
流石にフルで参加する訳ではないが、いろいろと細かなアドバイスとテコ入れは必要だとの結論に至ったのだ
正直もう少し時間をかければ雪広グループ側だけでも完成させられるのだろうが、販売予定日が麻帆良祭の一ヶ月後の七月の下旬なので時間がないのである
こういった企画は販売時期が早ければ早い方がよく、麻帆良祭の記憶が新しいうちに販売したいのが本音だった
「んじゃ帰るか?」
二時間ほどの会議が終わると横島はタマモを連れて帰るのだが、タマモは周りが驚くほど大人しかったと帰り際に褒められている
流石に味の良し悪しは始めて食べたので分からなかったようだが、何故か褒められるのと一緒にお菓子をお土産に貰ってしまいタマモは不思議そうにしていた
「ありがとうございます」
「ありがと」
お土産まで貰って中身が何かと楽しみな様子のタマモを見つつ、横島はちょっと申し訳なさそうに雪広グループの人にお礼を言う
タマモも横島に続いてお礼を言うが、横島は雪広グループ側が思った以上に気を使ってることに思わず苦笑いを浮かべたくなる
それというのも、雪広グループ側はかなり横島と超に気を使っているのだ
まあグループ経営陣である雪広家と繋がりがある横島と超の扱いは、横島が思ってた以上に神経を使っているらしい
特に横島は今回早々に手を引いた件もあり、腰が低い割に気難しい部分があるのではと疑われているようだ
楽しかったらしく笑顔のタマモを連れて帰る横島を見て、雪広グループの社員がホッとしていたのは言うまでもない
「そろそろ日差しが強くなって来たな~。 ちょうどいいから帽子でも買いに行くか?」
そのまま雪広コンツェルンのビルを出た横島とタマモだったが、外はすでに初夏であった
せっかくなので世界樹前広場の方に行って大通りにある帽子屋を目指す
「あれ、マスターお買い物?」
「その子が噂の……」
「可愛いねー」
世界樹前広場に到着して広場からまっすぐに伸びる大通りを歩いていた横島達だが、偶然美砂・円・桜子の三人とばったり会っていた
昨日店に来なかったため、タマモと初対面な彼女達は一斉にタマモに駆け寄っていく
突然見知らぬ美砂達が近付いて来たことにタマモは本能的に横島の背後に隠れるが、何故か桜子を見て自分から近寄って行った
タマモに隠れられ残念そうだった三人だが、突然桜子に近寄るタマモに興味津々な様子になる
「ビッケとクッキの匂いがする」
「あれ、ビッケとクッキを知ってるの? あの子達は私の家族なんだよ」
どうやらタマモが桜子に近寄ったのは、ビッケとクッキの匂いを感じたかららしい
突然自分の飼い猫の名前を口にしたタマモに、桜子は不思議そうにしながらも自分がそんなに猫の匂いがするのかと嗅いでみる
ついでに美砂と円も猫の匂いがするのかと匂いを嗅ぐが、当然人間に分かるレベルではない