平和な日常~夏~
その後報告を聞き終えた近右衛門は、すぐに高畑を呼び出して事の推移と顛末を説明していた
「そうですか」
高畑自身も以前からネギの問題に関して独自に情報を集めていた為、今回のネギの祖父の勇退に関しては大きく驚くことはなかったがやはり複雑な表情であることに変わりはない
何よりネギを麻帆良に迎えることが不可能になったことは高畑自身も理解している
元々近右衛門が妥協案として提示した高畑が個人で受け入れる案ですら、魔法協会内部から反対の声が上がっていたのだから可能性は決して高くはなかったのだ
そして魔法協会内部でネギが麻帆良に住み着くことへの懸念が大きかったのも、ある意味当然の意見であり高畑も十分理解している
「結局、二十年前の戦争のツケがまだまだ残っておるのが問題なのかもしれんのう」
全ての説明を終えてしばし無言だった近右衛門だが、正直ホッともしたが罪悪感が残る結末でもあった
近右衛門がネギを拒否しなければ違う未来があったかと思うと、決して自分の判断が正しかったとは言い切れない
ただネギを受け入れる危険性を考えると、受け入れると素直に言える立場ではなかったのだ
スプリングフィールド学校長の失脚は近右衛門にとって決して他人事ではない
今回奇しくもネギの危険性が知れただけに、何かネギ絡みの問題が起きて近右衛門が失脚する事態も決して有り得ない未来ではないのである
「さて今後のことじゃが、退職の件は撤回しよう。 君の気持ちは皆理解している。 その上で君は今後どうするつもりじゃ?」
何とも後味の悪い結末に近右衛門は複雑な心境を隠せないが、話の本題へと入り高畑の今後について話を始めていた
以前に決めた高畑の退職の件は、問題の元凶であるネギが来ないことで意味を成さなくなり当然撤回している
ただし高畑がこのままネギを見捨てるとは思えない
まあ現状では近右衛門も高畑の意志を尊重するくらいしか出来ないが……
「少し考える時間を頂いていいでしょうか」
そんな近右衛門の問い掛けに高畑は答えが出て来なかった
自身の立場や麻帆良の立場、そしてネギの立場や未来などを考えると早々答えが出るはずはないのだ
「それがよかろう。 あまり焦らんことじゃ。 残念じゃが現状で焦って君が動けば、更なる余計な疑念を呼ぶ可能性も否定出来ん。 せっかく落ち着きそうな事態を悪化だけはさせんようにの」
苦悩に満ちた高畑を見て近右衛門は少しだけホッとする
ここで熱くなって飛び出すほど愚かではないとは理解はしていたが、今回の件で一番責任を感じ無念な想いを抱えてる高畑ならばどう出るか分からなかったのだから
本音を言えば近右衛門はネギよりも高畑が心配であった
無論ネギにも同情はするが、高畑を麻帆良に来てからずっと見守ってきた近右衛門からするとネギよりも高畑が心配になる
「高畑君、悩んだら夜にでも声をかけてくれ。 個人としてならいくらでも協力もするし相談にも乗ろう」
最後に部屋を出ようとする高畑に近右衛門は個人として声をかけるが、現状ではそれが精一杯だった
結局ネギの問題は一段落したが、やはり歴史は流れ始めたのかもしれない
「そうですか」
高畑自身も以前からネギの問題に関して独自に情報を集めていた為、今回のネギの祖父の勇退に関しては大きく驚くことはなかったがやはり複雑な表情であることに変わりはない
何よりネギを麻帆良に迎えることが不可能になったことは高畑自身も理解している
元々近右衛門が妥協案として提示した高畑が個人で受け入れる案ですら、魔法協会内部から反対の声が上がっていたのだから可能性は決して高くはなかったのだ
そして魔法協会内部でネギが麻帆良に住み着くことへの懸念が大きかったのも、ある意味当然の意見であり高畑も十分理解している
「結局、二十年前の戦争のツケがまだまだ残っておるのが問題なのかもしれんのう」
全ての説明を終えてしばし無言だった近右衛門だが、正直ホッともしたが罪悪感が残る結末でもあった
近右衛門がネギを拒否しなければ違う未来があったかと思うと、決して自分の判断が正しかったとは言い切れない
ただネギを受け入れる危険性を考えると、受け入れると素直に言える立場ではなかったのだ
スプリングフィールド学校長の失脚は近右衛門にとって決して他人事ではない
今回奇しくもネギの危険性が知れただけに、何かネギ絡みの問題が起きて近右衛門が失脚する事態も決して有り得ない未来ではないのである
「さて今後のことじゃが、退職の件は撤回しよう。 君の気持ちは皆理解している。 その上で君は今後どうするつもりじゃ?」
何とも後味の悪い結末に近右衛門は複雑な心境を隠せないが、話の本題へと入り高畑の今後について話を始めていた
以前に決めた高畑の退職の件は、問題の元凶であるネギが来ないことで意味を成さなくなり当然撤回している
ただし高畑がこのままネギを見捨てるとは思えない
まあ現状では近右衛門も高畑の意志を尊重するくらいしか出来ないが……
「少し考える時間を頂いていいでしょうか」
そんな近右衛門の問い掛けに高畑は答えが出て来なかった
自身の立場や麻帆良の立場、そしてネギの立場や未来などを考えると早々答えが出るはずはないのだ
「それがよかろう。 あまり焦らんことじゃ。 残念じゃが現状で焦って君が動けば、更なる余計な疑念を呼ぶ可能性も否定出来ん。 せっかく落ち着きそうな事態を悪化だけはさせんようにの」
苦悩に満ちた高畑を見て近右衛門は少しだけホッとする
ここで熱くなって飛び出すほど愚かではないとは理解はしていたが、今回の件で一番責任を感じ無念な想いを抱えてる高畑ならばどう出るか分からなかったのだから
本音を言えば近右衛門はネギよりも高畑が心配であった
無論ネギにも同情はするが、高畑を麻帆良に来てからずっと見守ってきた近右衛門からするとネギよりも高畑が心配になる
「高畑君、悩んだら夜にでも声をかけてくれ。 個人としてならいくらでも協力もするし相談にも乗ろう」
最後に部屋を出ようとする高畑に近右衛門は個人として声をかけるが、現状ではそれが精一杯だった
結局ネギの問題は一段落したが、やはり歴史は流れ始めたのかもしれない