平和な日常~夏~
それと言うのもネギに関しては、メガロ本国に送り向こうに任せるべきではとの意見も上がっていたのだ
今回の件でナギの息子は悪い意味で名が知られてしまい、地球側では受け入れる先など存在しない
まあ魔法使いとしての人生を捨てるならば地球でも生きられるのだろうが、ネギ本人は何も知らず立派な魔法使いに成りたいと願うだけにどうしようもなかった
そんな行く先がないネギを受け入れるのは、現時点ではメガロメセンブリア本国しかない
しかしかの国に行けばネギがどうなるか誰も分からないのである
少なくとも祖父の元で暮らすのが現状ではネギにとって最も安全で幸せなのは確かなのだ
メルディアナの幹部達が仲間であり功労者でもある学校長に配慮した結果が、祖父に委ねることとも言える
まあ悪い見方をすれば幹部達としては、ネギがメルディアナから出て行ってくれればどうでもいいとも言えるが……
何はともあれこの時点でネギの麻帆良行きの可能性は完全に消滅していた
そしてネギの受け入れ要請がメルディアナから取下げられた麻帆良では、近右衛門が複雑な表情で報告を受けている
友人でもあるスプリングフィールド学校長のやり方は気に入らないが、それでも何も知らぬ孫の未来を心配する祖父としての気持ちは痛いほど理解するのだ
「結局、誰も得をしなかったのう」
「はい。 元老院もこの件に関しては各派で随分揉めたようで、結果的にはMrスプリングフィールドが責任を取る形で一応の収束を計った形になります」
問題の発端たるネギの祖父が責任を取ってネギの受け入れ先に関しては問題が解決したことになったが、それはあまりにも得るモノがない終わりだった
地球側魔法協会では関係悪化や魔法協会内の主導権争いなど大小様々な問題が表面化したし、メガロメセンブリア元老院もまた穏健派や中立派や過激派などの権力争いが悪化したのだ
本当に誰も得をしない終わりである
「それと一つ新しい情報ですが、この件ではクルト・ゲーテル現オスティア総督が影で動いていたようです。 どうも余計な問題を煽ったのは彼の在籍する中立派の一部かと……」
あまりに虚しい終わりに言葉少ない近右衛門だが、問題を悪化させた張本人の名前が明らかになると表情が険しくなる
「あやつか……、あまりいい噂を聞かんからのう」
「今回の目的は不明ですが、彼は過去にも何度か過激な工作をして元老院内でも疎まれてるようです。 なまじ力量があるだけに元老院でも扱いに困ってるようですが」
クルト・ゲーテルの政治家としての力量は素晴らしいものがあった
ただし若さか野心かは分からないが、何度か周りが驚くほど過激な工作をした過去がある
今回の彼の目的までは知られてないようだが、彼が余計な問題を掘り起こして何かを狙っていたとの情報が関東魔法協会にまで届いていた
実力もあり理想もあるクルト・ゲーテルだが、その行動はあまりに過激で危険だと見られている
一応中立派に属してはいるが、過激派や穏健派の一部にも人脈を持ち何かを企んでるとの噂が消えない人物でもあった
ネギの問題が終わりホッと一息つく近右衛門だが、クルト・ゲーテルの暗躍を聞き気持ちが休まる暇もなかった
今回の件でナギの息子は悪い意味で名が知られてしまい、地球側では受け入れる先など存在しない
まあ魔法使いとしての人生を捨てるならば地球でも生きられるのだろうが、ネギ本人は何も知らず立派な魔法使いに成りたいと願うだけにどうしようもなかった
そんな行く先がないネギを受け入れるのは、現時点ではメガロメセンブリア本国しかない
しかしかの国に行けばネギがどうなるか誰も分からないのである
少なくとも祖父の元で暮らすのが現状ではネギにとって最も安全で幸せなのは確かなのだ
メルディアナの幹部達が仲間であり功労者でもある学校長に配慮した結果が、祖父に委ねることとも言える
まあ悪い見方をすれば幹部達としては、ネギがメルディアナから出て行ってくれればどうでもいいとも言えるが……
何はともあれこの時点でネギの麻帆良行きの可能性は完全に消滅していた
そしてネギの受け入れ要請がメルディアナから取下げられた麻帆良では、近右衛門が複雑な表情で報告を受けている
友人でもあるスプリングフィールド学校長のやり方は気に入らないが、それでも何も知らぬ孫の未来を心配する祖父としての気持ちは痛いほど理解するのだ
「結局、誰も得をしなかったのう」
「はい。 元老院もこの件に関しては各派で随分揉めたようで、結果的にはMrスプリングフィールドが責任を取る形で一応の収束を計った形になります」
問題の発端たるネギの祖父が責任を取ってネギの受け入れ先に関しては問題が解決したことになったが、それはあまりにも得るモノがない終わりだった
地球側魔法協会では関係悪化や魔法協会内の主導権争いなど大小様々な問題が表面化したし、メガロメセンブリア元老院もまた穏健派や中立派や過激派などの権力争いが悪化したのだ
本当に誰も得をしない終わりである
「それと一つ新しい情報ですが、この件ではクルト・ゲーテル現オスティア総督が影で動いていたようです。 どうも余計な問題を煽ったのは彼の在籍する中立派の一部かと……」
あまりに虚しい終わりに言葉少ない近右衛門だが、問題を悪化させた張本人の名前が明らかになると表情が険しくなる
「あやつか……、あまりいい噂を聞かんからのう」
「今回の目的は不明ですが、彼は過去にも何度か過激な工作をして元老院内でも疎まれてるようです。 なまじ力量があるだけに元老院でも扱いに困ってるようですが」
クルト・ゲーテルの政治家としての力量は素晴らしいものがあった
ただし若さか野心かは分からないが、何度か周りが驚くほど過激な工作をした過去がある
今回の彼の目的までは知られてないようだが、彼が余計な問題を掘り起こして何かを狙っていたとの情報が関東魔法協会にまで届いていた
実力もあり理想もあるクルト・ゲーテルだが、その行動はあまりに過激で危険だと見られている
一応中立派に属してはいるが、過激派や穏健派の一部にも人脈を持ち何かを企んでるとの噂が消えない人物でもあった
ネギの問題が終わりホッと一息つく近右衛門だが、クルト・ゲーテルの暗躍を聞き気持ちが休まる暇もなかった