平和な日常~夏~
次の朝横島が目を覚ますと夜中に狐形態に戻っているタマモが気持ち良さそうに眠っていた
まだ変化が慣れてないため、熟睡中に狐形態に戻ってしまったらしい
さて何故横島とタマモが一緒に眠ってるのかと言えば、タマモ自身がそれを望んだためだった
欠如した記憶が関係してるのか本能かは不明だが漠然とした不安があるらしく、別の部屋に布団を用意しようとした横島に一人は嫌だと告げたのだ
本人は気付いてないようだが、横島の潜在的な強さを感じており庇護者として求めてる節もある
そんな目の前で無防備に熟睡する子狐に、横島は自身の中に居るタマモとは別人なのだと改めて感じた
そもそも警戒心が強い金毛白面九尾はここまで無防備に寝ることはないのだ
「彼女も居ないのに子持ちになった気分だな」
そのままに無防備に眠るタマモを起こさぬようにベッドを出た横島は、リビングに居るさよにタマモを頼むと日課の庭の手入れをするために外に出ていく
毎日ほぼ同じ時間にやって来る茶々丸と会話しながら日課の庭の手入れと猫にご飯をやるのだが、空が明るくなる頃になると目を覚ましたタマモが庭に現れる
「おう、起きたか?」
横島の問い掛けに無言で頷くタマモは、庭をキョロキョロと見回しどこか不思議そうな表情をしていた
自由になって初めて見る世界は、全てが新鮮で刺激的なのかもしれない
「茶々丸ちゃん、こいつはタマモ。 今日からしばらく家に住むことになったんだ。 よろしく頼むな」
一方突然見知らぬ子供を紹介された茶々丸は素直に驚き、一瞬横島の子供かと二人を見比べるが当然全く似てない
どういう関係だろうとじっと見つめる茶々丸だが、見つめられるタマモもまた初めて見る茶々丸を不思議そうにじっと見つめる
「二人ともどうした? ほら、タマモ。 挨拶せんと」
目の前で無言で見つめ合う二人に横島は若干苦笑いを浮かべつつ、タマモには挨拶するように促す
「はじめまして」
「初めまして、私は絡繰茶々丸です」
挨拶をするように促されたタマモは一瞬横島をチラリと見た後で、遠慮がちに言葉少なく挨拶する
茶々丸はそんなタマモの言葉に真面目に挨拶を返すが、二人はそのまま再び無言になってしまう
別に険悪でも重苦しい空気でもないのだが、どうも話が続かないらしい
「……ねこさんが遊んで欲しいって」
沈黙を破ったのはタマモの方だった
彼女は突然か細い声で茶々丸の周りに集まる猫達の声を茶々丸に伝えてしまう
「もう時間がないので夕方にまた来ます」
茶々丸はタマモの言葉に一瞬驚きの表情を見せるが、足元で鳴き声をあげる猫達の気持ちを推測して代弁したのだろうと理解して猫達に時間がないから夕方来ると約束する
しかし横島はタマモが猫達の言葉を理解してるのだと気付き、さっそく新しい約束を増やさねばと頭を痛めていた
「タマモ、猫達の言葉を理解してることは二人だけの秘密だぞ。 他の人は分からないんだからな」
「うん」
その後茶々丸が帰り二人になると横島はタマモと新しい約束を交わすが、彼女は素直に返事をしてすぐに物珍しそうに猫達と会話を始める
本当に理解してるのか心配になる横島だが、まあ子供なので人前で猫と会話しても問題にはならないだろうと考えるとあまり気にしないことにしたようだ
まだ変化が慣れてないため、熟睡中に狐形態に戻ってしまったらしい
さて何故横島とタマモが一緒に眠ってるのかと言えば、タマモ自身がそれを望んだためだった
欠如した記憶が関係してるのか本能かは不明だが漠然とした不安があるらしく、別の部屋に布団を用意しようとした横島に一人は嫌だと告げたのだ
本人は気付いてないようだが、横島の潜在的な強さを感じており庇護者として求めてる節もある
そんな目の前で無防備に熟睡する子狐に、横島は自身の中に居るタマモとは別人なのだと改めて感じた
そもそも警戒心が強い金毛白面九尾はここまで無防備に寝ることはないのだ
「彼女も居ないのに子持ちになった気分だな」
そのままに無防備に眠るタマモを起こさぬようにベッドを出た横島は、リビングに居るさよにタマモを頼むと日課の庭の手入れをするために外に出ていく
毎日ほぼ同じ時間にやって来る茶々丸と会話しながら日課の庭の手入れと猫にご飯をやるのだが、空が明るくなる頃になると目を覚ましたタマモが庭に現れる
「おう、起きたか?」
横島の問い掛けに無言で頷くタマモは、庭をキョロキョロと見回しどこか不思議そうな表情をしていた
自由になって初めて見る世界は、全てが新鮮で刺激的なのかもしれない
「茶々丸ちゃん、こいつはタマモ。 今日からしばらく家に住むことになったんだ。 よろしく頼むな」
一方突然見知らぬ子供を紹介された茶々丸は素直に驚き、一瞬横島の子供かと二人を見比べるが当然全く似てない
どういう関係だろうとじっと見つめる茶々丸だが、見つめられるタマモもまた初めて見る茶々丸を不思議そうにじっと見つめる
「二人ともどうした? ほら、タマモ。 挨拶せんと」
目の前で無言で見つめ合う二人に横島は若干苦笑いを浮かべつつ、タマモには挨拶するように促す
「はじめまして」
「初めまして、私は絡繰茶々丸です」
挨拶をするように促されたタマモは一瞬横島をチラリと見た後で、遠慮がちに言葉少なく挨拶する
茶々丸はそんなタマモの言葉に真面目に挨拶を返すが、二人はそのまま再び無言になってしまう
別に険悪でも重苦しい空気でもないのだが、どうも話が続かないらしい
「……ねこさんが遊んで欲しいって」
沈黙を破ったのはタマモの方だった
彼女は突然か細い声で茶々丸の周りに集まる猫達の声を茶々丸に伝えてしまう
「もう時間がないので夕方にまた来ます」
茶々丸はタマモの言葉に一瞬驚きの表情を見せるが、足元で鳴き声をあげる猫達の気持ちを推測して代弁したのだろうと理解して猫達に時間がないから夕方来ると約束する
しかし横島はタマモが猫達の言葉を理解してるのだと気付き、さっそく新しい約束を増やさねばと頭を痛めていた
「タマモ、猫達の言葉を理解してることは二人だけの秘密だぞ。 他の人は分からないんだからな」
「うん」
その後茶々丸が帰り二人になると横島はタマモと新しい約束を交わすが、彼女は素直に返事をしてすぐに物珍しそうに猫達と会話を始める
本当に理解してるのか心配になる横島だが、まあ子供なので人前で猫と会話しても問題にはならないだろうと考えるとあまり気にしないことにしたようだ