平和な日常~夏~
次の朝、横島は日課の庭の手入れをしていた
前日は夜遅くまで騒ぎ2-Aのほとんどは雪広邸に泊まっていたが、横島や明日菜など仕事や予定がある者は雪広家の車で送ってもらい帰っていたのである
帰宅は朝方になっていたため横島は徹夜したまま朝の日課を熟していたのだ
「もうすぐ収穫だな」
ここに住んで以来気まぐれで始めた庭の花壇や畑は、梅雨の期間もすくすくと成長してすっかり青々と立派な草花や作物に成長にしていた
短期間で収穫出来る作物は以前にも何度か収穫したが、本格的な収穫は夏野菜からである
トマト・ナス・とうもろこし・ピーマンなど、定番の夏野菜を少しずつ植えていたのだ
五月や六月は花の方が多く咲いた種類があり店の客の目を楽しませていたが、横島はこれからの夏野菜も楽しみだった
「みんな今日も元気か?」
「はい、問題ないようです」
そんな庭の水やりなどを終えた横島は猫に会いに来ている茶々丸に声をかけるが、彼女はやはり猫に囲まれて遊ばれている
普通はあまり人に分かりやすく懐かない猫だが、ここに居る猫は横島の影響からかよく人に懐いており横島に次いで茶々丸は人気だった
(蟠桃の魔力の影響は植物にもあるみたいだな)
茶々丸と猫達の様子に思わず笑みがこぼれる横島だったが、庭の植物や猫達はほんの少しだけ普段より元気である
麻帆良祭期間中は忙しくて気付かなかったが、世界樹の魔力放出の恩恵は麻帆良の動植物にもあるらしい
まあ効果が横島でさえ今まで気付かぬ程度なことを考えればたいした影響ではないが、蟠桃の木が長年麻帆良と共に生きて来たのだと思わせる現象だった
「今日は何のメニューにすっかな~」
すっかり初夏の空気になった空を見上げた横島は帰っていく茶々丸を見送りながら、今日のメニューを考える
日替わり限定メニューは相変わらず適当で、早くて前日か遅いと当時の朝に決めていた
今日は日曜なので学生が多く彼らが好みそうなメニューにしたいと、しばらく頭を悩ませていく
「たまにはピザにでもすっかな」
少し考えていた横島だが、特に理由などないまま直感で適当にこの日のメニューを決定して仕込みに入る
朝食メニュー用の味噌汁とピザ用のトマトソースが隣り合わせで煮込まれる姿はなかなか見ない光景だが、横島の店では決して珍しくはない
他にも通常のメニューやスイーツの仕込みも同時にしており、一人でやってるとは思えないほど複数の料理を同時進行で仕込んでいく横島だが相変わらず緊張感は全くなかった
横島は鼻歌混じりに楽しみながら料理してるが、あちこち同時に気を配れるのは最早人間技ではない
料理という技術においても横島は能力を生かしてるという証なのだろうが、実は横島自身は能力を使ってる認識がない程度だったりする
まあ一人で神魔界と戦った実力に比べればそれで当然ではあるのだが……
「あっ!? 朝メシ用のカップうどんがない……」
その割に自分の朝ごはん用に買い置きしていたカップ麺がないことを忘れるなど、どっか抜けてる時もまたよくあった
凄いのにどっか抜けてるとか、知れば知るほど分からないと言われる理由はこの辺りにあるのかもしれない
前日は夜遅くまで騒ぎ2-Aのほとんどは雪広邸に泊まっていたが、横島や明日菜など仕事や予定がある者は雪広家の車で送ってもらい帰っていたのである
帰宅は朝方になっていたため横島は徹夜したまま朝の日課を熟していたのだ
「もうすぐ収穫だな」
ここに住んで以来気まぐれで始めた庭の花壇や畑は、梅雨の期間もすくすくと成長してすっかり青々と立派な草花や作物に成長にしていた
短期間で収穫出来る作物は以前にも何度か収穫したが、本格的な収穫は夏野菜からである
トマト・ナス・とうもろこし・ピーマンなど、定番の夏野菜を少しずつ植えていたのだ
五月や六月は花の方が多く咲いた種類があり店の客の目を楽しませていたが、横島はこれからの夏野菜も楽しみだった
「みんな今日も元気か?」
「はい、問題ないようです」
そんな庭の水やりなどを終えた横島は猫に会いに来ている茶々丸に声をかけるが、彼女はやはり猫に囲まれて遊ばれている
普通はあまり人に分かりやすく懐かない猫だが、ここに居る猫は横島の影響からかよく人に懐いており横島に次いで茶々丸は人気だった
(蟠桃の魔力の影響は植物にもあるみたいだな)
茶々丸と猫達の様子に思わず笑みがこぼれる横島だったが、庭の植物や猫達はほんの少しだけ普段より元気である
麻帆良祭期間中は忙しくて気付かなかったが、世界樹の魔力放出の恩恵は麻帆良の動植物にもあるらしい
まあ効果が横島でさえ今まで気付かぬ程度なことを考えればたいした影響ではないが、蟠桃の木が長年麻帆良と共に生きて来たのだと思わせる現象だった
「今日は何のメニューにすっかな~」
すっかり初夏の空気になった空を見上げた横島は帰っていく茶々丸を見送りながら、今日のメニューを考える
日替わり限定メニューは相変わらず適当で、早くて前日か遅いと当時の朝に決めていた
今日は日曜なので学生が多く彼らが好みそうなメニューにしたいと、しばらく頭を悩ませていく
「たまにはピザにでもすっかな」
少し考えていた横島だが、特に理由などないまま直感で適当にこの日のメニューを決定して仕込みに入る
朝食メニュー用の味噌汁とピザ用のトマトソースが隣り合わせで煮込まれる姿はなかなか見ない光景だが、横島の店では決して珍しくはない
他にも通常のメニューやスイーツの仕込みも同時にしており、一人でやってるとは思えないほど複数の料理を同時進行で仕込んでいく横島だが相変わらず緊張感は全くなかった
横島は鼻歌混じりに楽しみながら料理してるが、あちこち同時に気を配れるのは最早人間技ではない
料理という技術においても横島は能力を生かしてるという証なのだろうが、実は横島自身は能力を使ってる認識がない程度だったりする
まあ一人で神魔界と戦った実力に比べればそれで当然ではあるのだが……
「あっ!? 朝メシ用のカップうどんがない……」
その割に自分の朝ごはん用に買い置きしていたカップ麺がないことを忘れるなど、どっか抜けてる時もまたよくあった
凄いのにどっか抜けてるとか、知れば知るほど分からないと言われる理由はこの辺りにあるのかもしれない