麻帆良祭
楽しくイベントを見て回る一同だったが、横島は先程からずっと気配を消して自分達を見ている者に気付いていた
(あれは確か、アルビレオ・イマだったか?)
その者は麻帆良での要注意人物として、トップランクに土偶羅が位置付けしているアルビレオ・イマである
このアルビレオ・イマだが、いまいち素性がはっきりしない存在だった
いわゆる人ではなく人外生命体なのは確認されてるが、赤き翼としての経歴以外は掴めてない
近右衛門との関わりも今のところなく、彼が何の目的で麻帆良に居るのかすら横島達は掴んでなかった
(アスナちゃんを守ってるって訳でもないみたいだな)
赤き翼の関係者ということで明日菜に絡むのかとも思ったが、護衛したり周りを警戒してる様子はない
ただ離れた場所から明日菜を見つめるアルの行動は少々不気味であった
横島は携帯電話を取り出すと、土偶羅宛にアルビレオ・イマの監視と素性の調査を強化するようにメールを出す
(あの男は危険だな)
久しぶりに僅かだが魂が騒ぐのを感じた横島は、アルビレオ・イマに関わるとろくなことがないと霊感が教えているようだった
それは実力云々ではなく、なにか実力以上の危険性を感じさせる相手だったのだ
明日菜や美砂達と騒ぎながらも、今のところ横島には自分の霊感が当たらないことを祈るしか出来なかった
さて横島がそんなことを考えてる間にも一同は茶道部の野点会場を訪れていた
あの後明日菜や美砂達はいくつかのイベントに参加したが、流石に毎回好成績を残すことは無理だったようである
そんな茶道部の野点会場だが、そこは広い本格的な日本庭園であり麻帆良の中心部からは少し郊外に存在している
元々は近衛家の邸宅だったらしいが、近右衛門の代になり日本庭園式の公園として一般解放されたようだ
ちなみに麻帆良学園には高等部と大学部には多数の専門学科があり、珍しいところでは航空系の学科や宮大工などの伝統工芸の学科まで存在する
この日本庭園はそんな伝統工芸系の学科の生徒達の実地研修などにも使われてる場所であった
「皆さんお揃いでよくいらっしゃいました」
野点会場で横島達を迎えたのは着物姿の茶々丸である
横島は元より美砂達も茶々丸と仲がいいので野点の招待券を持っていたようだ
そのまま茶々丸に誘われるままに着物に着替える横島達だったが、横島にとっては久しぶりの和服だった
「ねえねえ、どう?」
「おっ、よく似合ってるな~」
ひと足に着替えが終わった横島は景色を見ながら明日菜達を待っていたが、彼女達は着物もよく似合っている
思わず見とれそうになる横島だったが、そんな心の隙に気付いた美砂は意味ありげな笑みで近寄っていく
「似合ってる? せっかくだからあっちで脱がしてもいいわよ」
「俺は時代劇の悪代官かよ!」
人気のない場所に行こうと冗談のように話す美砂に円と桜子は笑っているが、明日菜は半ば呆れた表情でありのどかと茶々丸は微妙に困ったような表情だった
何はともあれ茶道の空気ではなく賑やかな横島達は、晴々とした空の下で野点を始めることになる
(あれは確か、アルビレオ・イマだったか?)
その者は麻帆良での要注意人物として、トップランクに土偶羅が位置付けしているアルビレオ・イマである
このアルビレオ・イマだが、いまいち素性がはっきりしない存在だった
いわゆる人ではなく人外生命体なのは確認されてるが、赤き翼としての経歴以外は掴めてない
近右衛門との関わりも今のところなく、彼が何の目的で麻帆良に居るのかすら横島達は掴んでなかった
(アスナちゃんを守ってるって訳でもないみたいだな)
赤き翼の関係者ということで明日菜に絡むのかとも思ったが、護衛したり周りを警戒してる様子はない
ただ離れた場所から明日菜を見つめるアルの行動は少々不気味であった
横島は携帯電話を取り出すと、土偶羅宛にアルビレオ・イマの監視と素性の調査を強化するようにメールを出す
(あの男は危険だな)
久しぶりに僅かだが魂が騒ぐのを感じた横島は、アルビレオ・イマに関わるとろくなことがないと霊感が教えているようだった
それは実力云々ではなく、なにか実力以上の危険性を感じさせる相手だったのだ
明日菜や美砂達と騒ぎながらも、今のところ横島には自分の霊感が当たらないことを祈るしか出来なかった
さて横島がそんなことを考えてる間にも一同は茶道部の野点会場を訪れていた
あの後明日菜や美砂達はいくつかのイベントに参加したが、流石に毎回好成績を残すことは無理だったようである
そんな茶道部の野点会場だが、そこは広い本格的な日本庭園であり麻帆良の中心部からは少し郊外に存在している
元々は近衛家の邸宅だったらしいが、近右衛門の代になり日本庭園式の公園として一般解放されたようだ
ちなみに麻帆良学園には高等部と大学部には多数の専門学科があり、珍しいところでは航空系の学科や宮大工などの伝統工芸の学科まで存在する
この日本庭園はそんな伝統工芸系の学科の生徒達の実地研修などにも使われてる場所であった
「皆さんお揃いでよくいらっしゃいました」
野点会場で横島達を迎えたのは着物姿の茶々丸である
横島は元より美砂達も茶々丸と仲がいいので野点の招待券を持っていたようだ
そのまま茶々丸に誘われるままに着物に着替える横島達だったが、横島にとっては久しぶりの和服だった
「ねえねえ、どう?」
「おっ、よく似合ってるな~」
ひと足に着替えが終わった横島は景色を見ながら明日菜達を待っていたが、彼女達は着物もよく似合っている
思わず見とれそうになる横島だったが、そんな心の隙に気付いた美砂は意味ありげな笑みで近寄っていく
「似合ってる? せっかくだからあっちで脱がしてもいいわよ」
「俺は時代劇の悪代官かよ!」
人気のない場所に行こうと冗談のように話す美砂に円と桜子は笑っているが、明日菜は半ば呆れた表情でありのどかと茶々丸は微妙に困ったような表情だった
何はともあれ茶道の空気ではなく賑やかな横島達は、晴々とした空の下で野点を始めることになる