麻帆良祭
あやかの意見をしばらく考え込んでいた横島だったが、流石に今日すぐには無理であった
「紅茶は流石に今日は無理だし、シュークリームにしよう」
結局今日の限定メニューは横島の独断によりシュークリームになる
そんなこの日の営業だが、今日と明日の二日間は本番と同様の組分けでシフトを組んで営業することになっていた
昨日までと比べると人数も減り苦労が予想されるが、横島や超達など数名が一日を通してサポートして形にする予定である
昨日の混乱もあり2-Aの少女達は不安もあるようだが、横島がマニュアルを作った理由も今日からのシフトの為であった
「やはり基本的には優秀な人なんですね」
営業開始三十分前になると横島は最初のシフトの者にマニュアルを配り、個別にアドバイスを付け加えて話していく
そんな横島の姿にサポート役として来ていた千鶴は、改めて横島が大人でも優秀な人間なのだと感じる
「そうですわね。 流石にお礼を考える必要があるかも知れません」
始めの頃は少女達と一緒に騒いでいたのであまり感じなかったが、本番が近くなればなるほど横島の存在感が増していた
千鶴の独り言のような呟きに、あやかは別途お礼の意味を込めた報酬が必要かと考え始める
まあ横島としては正直言えば仕切るのはあまりしたくはないが、教師が居ない現状では仕方なかった
基本的に2-Aを仕切っているあやかがこの手の営業の経験がない為、年から考えても横島がある程度仕切るのは必要不可欠になっているのだ
そのまま四日目の営業が始まるが、この日も開店から客が途切れることはなかった
横島の予測通り学生を中心に客が多く、中華まんは作れば作るだけ売れる状況である
フライヤーではから揚げとフライドポテトがどんどん揚げられており、出来るだけ待ち時間などないように工夫されていた
「大丈夫か? ちょっと待ってろ」
開店して一時間ほど過ぎた頃、調理をしていた千鶴は油が撥ねて軽くやけどをしてしまう
すぐに水で冷やして様子をみる千鶴だったが、横島は救急箱からやけど用の薬を出して油が撥ねた部分に塗っていく
「大丈夫そうだな。 一応絆創膏を貼っとこうか」
やけど部分に薬を塗った横島は千鶴の意見を聞くまでもなく慣れた手つきで絆創膏を貼るが、こっそりとヒーリングをしていた事には誰も気付かなかった
「……ありがとうございます」
有無を言わさぬままに横島に薬を塗られて絆創膏を貼られた千鶴は、少し驚きの表情を浮かべ横島の行動を見つめている
麻帆良祭の準備で横島と関わることが増えた千鶴だが、横島に異性を感じたのは徹夜の時以来二度目だった
普段は横島に異性を感じないのだが、徹夜の時に助けられた件に続き今回も異性として意識してしまう
「せっかくの綺麗な手に跡が残ったら大変だからな~」
相変わらず軽い調子で笑う横島故に、先程のように有無を言わさぬ形になると意識してしまうのかもしれない
二人の微妙な空気に同じく厨房に居たクラスメートがドキドキしながら見てるのだが、流石に横島も千鶴も気付かなかったようだ
「紅茶は流石に今日は無理だし、シュークリームにしよう」
結局今日の限定メニューは横島の独断によりシュークリームになる
そんなこの日の営業だが、今日と明日の二日間は本番と同様の組分けでシフトを組んで営業することになっていた
昨日までと比べると人数も減り苦労が予想されるが、横島や超達など数名が一日を通してサポートして形にする予定である
昨日の混乱もあり2-Aの少女達は不安もあるようだが、横島がマニュアルを作った理由も今日からのシフトの為であった
「やはり基本的には優秀な人なんですね」
営業開始三十分前になると横島は最初のシフトの者にマニュアルを配り、個別にアドバイスを付け加えて話していく
そんな横島の姿にサポート役として来ていた千鶴は、改めて横島が大人でも優秀な人間なのだと感じる
「そうですわね。 流石にお礼を考える必要があるかも知れません」
始めの頃は少女達と一緒に騒いでいたのであまり感じなかったが、本番が近くなればなるほど横島の存在感が増していた
千鶴の独り言のような呟きに、あやかは別途お礼の意味を込めた報酬が必要かと考え始める
まあ横島としては正直言えば仕切るのはあまりしたくはないが、教師が居ない現状では仕方なかった
基本的に2-Aを仕切っているあやかがこの手の営業の経験がない為、年から考えても横島がある程度仕切るのは必要不可欠になっているのだ
そのまま四日目の営業が始まるが、この日も開店から客が途切れることはなかった
横島の予測通り学生を中心に客が多く、中華まんは作れば作るだけ売れる状況である
フライヤーではから揚げとフライドポテトがどんどん揚げられており、出来るだけ待ち時間などないように工夫されていた
「大丈夫か? ちょっと待ってろ」
開店して一時間ほど過ぎた頃、調理をしていた千鶴は油が撥ねて軽くやけどをしてしまう
すぐに水で冷やして様子をみる千鶴だったが、横島は救急箱からやけど用の薬を出して油が撥ねた部分に塗っていく
「大丈夫そうだな。 一応絆創膏を貼っとこうか」
やけど部分に薬を塗った横島は千鶴の意見を聞くまでもなく慣れた手つきで絆創膏を貼るが、こっそりとヒーリングをしていた事には誰も気付かなかった
「……ありがとうございます」
有無を言わさぬままに横島に薬を塗られて絆創膏を貼られた千鶴は、少し驚きの表情を浮かべ横島の行動を見つめている
麻帆良祭の準備で横島と関わることが増えた千鶴だが、横島に異性を感じたのは徹夜の時以来二度目だった
普段は横島に異性を感じないのだが、徹夜の時に助けられた件に続き今回も異性として意識してしまう
「せっかくの綺麗な手に跡が残ったら大変だからな~」
相変わらず軽い調子で笑う横島故に、先程のように有無を言わさぬ形になると意識してしまうのかもしれない
二人の微妙な空気に同じく厨房に居たクラスメートがドキドキしながら見てるのだが、流石に横島も千鶴も気付かなかったようだ