横島君のお店開店
その後横島は開店準備をしながら各種手続きをして行った
通常の行政への申請も当然必要だが、麻帆良学園への申請も別途必要だったのだ
一応喫茶店として申請したが酒類の提供も同時に申請した為に少し書類が増えたが、無事行政と麻帆良学園からの許可が下りる事になる
そして近右衛門の許可を得た木乃香だったが、平日の夕方二時間を週に三日ほど働くように横島が提案していた
実際バイトが必要か分からない事と、学業や木乃香の私生活に影響がないように横島が考えた末の結論だった
店の店名は前の《マホラ亭》から名前を取り《マホラカフェ》という無難な名前になったが、それは横島が適当に付けた名前だから仕方ない
店のメニューは喫茶店らしくコーヒー各種から、紅茶各種にジュース類と飲み物の種類は豊富に用意された
食べ物の方はケーキが数種類にサンドイッチなどの軽食が数種は決まったが、後は横島の気分次第となる
「値段は他より一割安いけど、なんか普通ね。 お客を呼ぶ売りがないわ」
「確かにこれだと個性溢れる麻帆良では弱いです」
バイトが決まった木乃香のみならず、春休みの暇を利用して明日菜と夕映も連日顔を出していたが二人はやはりまだ不安があるようだ
「今日の昼は合鴨のローストオレンジソースだ。 デザートも用意したぞ」
不安そうな二人をよそに、横島は店に関係ないフレンチを昼食として木乃香達に用意していた
「うわー、今日は豪華ね~」
「明らかに喫茶店の料理ではありませんね」
「最近料理が楽しくってな~」
自分で喫茶店をやると決めておきながら本格的なフレンチを作る横島に、明日菜と夕映は意味が分からないとばかりに首を傾げる
凄いのだがどこか間違ってるとしか言えなかった
「ホンマに勉強になるわ~ 作り方覚えたから今度夕食に作るえ」
バイトはまだだが手伝いをしていた木乃香は新しいレシピを教わり嬉しそうである
「昨日はイタリアンでその前はロシア料理でしたか。 今からでもレストランに変更するべきです」
最近横島の店で開店の相談をしながら昼食をご馳走になることが増えた夕映は、最早飽きれ気味にレストランへの変更を勧めていた
あの日三人に料理を作って以来横島は料理の楽しさに目覚めたらしく、魔鈴や令子やおキヌなどの料理が出来る者の知識と技術を総動員して様々な料理を三人に振る舞っていたのだ
当初は三人も普通に喜んでいたが、毎日違う国の料理が出てくる現状に何故横島が喫茶店を選んだのか理解に苦しんでいる
「レストランをする自信はないんだわ。 気楽に喫茶店のマスターってのが理想だな」
「知れば知るほど分からない人よね。 占いといい料理といい得意な事を避けるんだから」
毎日違う国の料理をプロ顔負けに作る癖にレストランの自信がないと言い切る横島に明日菜は呆れてしまう
(この思考のアンバランスさが今まで成功しなかった原因ですね)
才能があるのに全く活用しない横島のやり方に、夕映は何故横島が今まで放浪していたか理解した気がした
しかしそれは夕映の勘違いで、実は知識や経験があるのに料理のド素人だという有り得ない状態の横島に気付くはずがなかった
それは料理を始めた子供に近かったのかもしれない
通常の行政への申請も当然必要だが、麻帆良学園への申請も別途必要だったのだ
一応喫茶店として申請したが酒類の提供も同時に申請した為に少し書類が増えたが、無事行政と麻帆良学園からの許可が下りる事になる
そして近右衛門の許可を得た木乃香だったが、平日の夕方二時間を週に三日ほど働くように横島が提案していた
実際バイトが必要か分からない事と、学業や木乃香の私生活に影響がないように横島が考えた末の結論だった
店の店名は前の《マホラ亭》から名前を取り《マホラカフェ》という無難な名前になったが、それは横島が適当に付けた名前だから仕方ない
店のメニューは喫茶店らしくコーヒー各種から、紅茶各種にジュース類と飲み物の種類は豊富に用意された
食べ物の方はケーキが数種類にサンドイッチなどの軽食が数種は決まったが、後は横島の気分次第となる
「値段は他より一割安いけど、なんか普通ね。 お客を呼ぶ売りがないわ」
「確かにこれだと個性溢れる麻帆良では弱いです」
バイトが決まった木乃香のみならず、春休みの暇を利用して明日菜と夕映も連日顔を出していたが二人はやはりまだ不安があるようだ
「今日の昼は合鴨のローストオレンジソースだ。 デザートも用意したぞ」
不安そうな二人をよそに、横島は店に関係ないフレンチを昼食として木乃香達に用意していた
「うわー、今日は豪華ね~」
「明らかに喫茶店の料理ではありませんね」
「最近料理が楽しくってな~」
自分で喫茶店をやると決めておきながら本格的なフレンチを作る横島に、明日菜と夕映は意味が分からないとばかりに首を傾げる
凄いのだがどこか間違ってるとしか言えなかった
「ホンマに勉強になるわ~ 作り方覚えたから今度夕食に作るえ」
バイトはまだだが手伝いをしていた木乃香は新しいレシピを教わり嬉しそうである
「昨日はイタリアンでその前はロシア料理でしたか。 今からでもレストランに変更するべきです」
最近横島の店で開店の相談をしながら昼食をご馳走になることが増えた夕映は、最早飽きれ気味にレストランへの変更を勧めていた
あの日三人に料理を作って以来横島は料理の楽しさに目覚めたらしく、魔鈴や令子やおキヌなどの料理が出来る者の知識と技術を総動員して様々な料理を三人に振る舞っていたのだ
当初は三人も普通に喜んでいたが、毎日違う国の料理が出てくる現状に何故横島が喫茶店を選んだのか理解に苦しんでいる
「レストランをする自信はないんだわ。 気楽に喫茶店のマスターってのが理想だな」
「知れば知るほど分からない人よね。 占いといい料理といい得意な事を避けるんだから」
毎日違う国の料理をプロ顔負けに作る癖にレストランの自信がないと言い切る横島に明日菜は呆れてしまう
(この思考のアンバランスさが今まで成功しなかった原因ですね)
才能があるのに全く活用しない横島のやり方に、夕映は何故横島が今まで放浪していたか理解した気がした
しかしそれは夕映の勘違いで、実は知識や経験があるのに料理のド素人だという有り得ない状態の横島に気付くはずがなかった
それは料理を始めた子供に近かったのかもしれない