麻帆良祭
「これも美味いな~」
その頃店舗が混乱してるとは全く知らない横島は、屋台の食べ歩きをして麻帆良祭を満喫していた
元々欲求には素直に従うタイプであるし、麻帆良に来てからはお金に苦労しなくなった影響からか食欲への我慢が無くなっている
この日だけでも焼きそばが三人前にお好み焼きが二人前など、お金と体に関係ないのをいいことに好きなだけ食べていた
「この焼きそば野菜が新鮮で美味いな。 甘辛いソースにキャベツともやしが絶妙だ」
独り言のようにぶつぶつと呟きながら食べる横島をさよは不思議そうに見つめている
よく食べるし本当に美味しそうに食べるため見ているだけで楽しいようだ
「何かあったんですか?」
『夕方には戻って来てほしいってさ。 予想以上に客が増えて大変らしい』
食べ歩きも一段落して次は何処に行こうかとさよと話していた横島だったが、突然携帯が鳴り戻って来てほしいとの連絡が入る
「お昼までは余裕だったんですけどね」
横島の居ない厨房を知らないさよはお昼までの状況から突然忙しくなるものかと不思議そうに首を傾げており、どうやら横島が仕切っていた価値など気付いてないようだ
結局横島とさよは時間までに戻れるようにと考えながら見物していくことになる
「確かに昨日よりも混んでるな」
二人が仮設店舗に戻って来たのは四時半頃だった
頼まれた時間より早めに戻って来たのだが、店舗の周りには人が多くカウンターには何人も客が並んでいる
「ただい……ま?」
両手には今日一番美味しかった焼きそばをお土産に抱えた横島はいつもの調子で厨房に入るが、そこはまだ混乱したままだった
ピリピリとまでは行かないが全体の雰囲気は決してよく無く、慌ただしく焦ったように働く少女達の姿がある
「あー!! やっと帰って来たよ!」
「助けて! 何がなんだかよく分からないの!」
横島の姿を見つけたまき絵と裕奈は泣きつくように大変さを訴えるが、流石に横島も何がそんなに大変なのかすぐには理解出来ない
「とりあえず焼きそばでも食って落ち着けって」
焦る少女達の空気をぶち壊すような軽さの横島に少女達は必死に大変だったと訴えると、横島もようやく状況を理解していた
「なんかモテてるみたいで気分がいいな~」
状況を理解しても緊張感とは無縁な横島は少女達に頼られるのが満更でもない様子でデレデレとするが、そんな調子にも関わらず少女達には何故か安堵感が広がっていく
笑わせたりふざけたりしながらも店内や厨房を見て人を動かす横島の凄さを、彼女達は身に染みて実感している
「こちらからお休みにしておいて、申し訳ありません」
「そんな気を使わなくていいよ。 もっと楽しまないと損するぞ」
そんな中で休みにしたり仕事にしたりと振り回したことを謝るあやかだったが、横島は全く気にしてない
そもそも横島の感覚ではこの程度は振り回されたうちには入らなかった
その頃店舗が混乱してるとは全く知らない横島は、屋台の食べ歩きをして麻帆良祭を満喫していた
元々欲求には素直に従うタイプであるし、麻帆良に来てからはお金に苦労しなくなった影響からか食欲への我慢が無くなっている
この日だけでも焼きそばが三人前にお好み焼きが二人前など、お金と体に関係ないのをいいことに好きなだけ食べていた
「この焼きそば野菜が新鮮で美味いな。 甘辛いソースにキャベツともやしが絶妙だ」
独り言のようにぶつぶつと呟きながら食べる横島をさよは不思議そうに見つめている
よく食べるし本当に美味しそうに食べるため見ているだけで楽しいようだ
「何かあったんですか?」
『夕方には戻って来てほしいってさ。 予想以上に客が増えて大変らしい』
食べ歩きも一段落して次は何処に行こうかとさよと話していた横島だったが、突然携帯が鳴り戻って来てほしいとの連絡が入る
「お昼までは余裕だったんですけどね」
横島の居ない厨房を知らないさよはお昼までの状況から突然忙しくなるものかと不思議そうに首を傾げており、どうやら横島が仕切っていた価値など気付いてないようだ
結局横島とさよは時間までに戻れるようにと考えながら見物していくことになる
「確かに昨日よりも混んでるな」
二人が仮設店舗に戻って来たのは四時半頃だった
頼まれた時間より早めに戻って来たのだが、店舗の周りには人が多くカウンターには何人も客が並んでいる
「ただい……ま?」
両手には今日一番美味しかった焼きそばをお土産に抱えた横島はいつもの調子で厨房に入るが、そこはまだ混乱したままだった
ピリピリとまでは行かないが全体の雰囲気は決してよく無く、慌ただしく焦ったように働く少女達の姿がある
「あー!! やっと帰って来たよ!」
「助けて! 何がなんだかよく分からないの!」
横島の姿を見つけたまき絵と裕奈は泣きつくように大変さを訴えるが、流石に横島も何がそんなに大変なのかすぐには理解出来ない
「とりあえず焼きそばでも食って落ち着けって」
焦る少女達の空気をぶち壊すような軽さの横島に少女達は必死に大変だったと訴えると、横島もようやく状況を理解していた
「なんかモテてるみたいで気分がいいな~」
状況を理解しても緊張感とは無縁な横島は少女達に頼られるのが満更でもない様子でデレデレとするが、そんな調子にも関わらず少女達には何故か安堵感が広がっていく
笑わせたりふざけたりしながらも店内や厨房を見て人を動かす横島の凄さを、彼女達は身に染みて実感している
「こちらからお休みにしておいて、申し訳ありません」
「そんな気を使わなくていいよ。 もっと楽しまないと損するぞ」
そんな中で休みにしたり仕事にしたりと振り回したことを謝るあやかだったが、横島は全く気にしてない
そもそも横島の感覚ではこの程度は振り回されたうちには入らなかった