麻帆良祭
一方この日の横島だが午前中は普通に厨房を仕切って調理をしていたが、午後からは休みなっていた
あやか達の予想以上に有能だった横島だが、逆に有能過ぎたことが問題になりつつあったのである
みんなが横島を頼りにしてしまい横島もそれが嬉しいところまではいいのだが、逆に頼り過ぎるのは少々まずかった
一昨日と昨日も横島だけは仕込みから閉店まで食事以外抜けることなく働いた為、そろそろ横島が居ない状況での営業が必要だと判断したようだ
結局横島はあやか達に言われるままに午後は休むことにしていた
「せっかくだし適当にブラブラしてみるか」
突然休みになった横島だが木乃香達や美砂達などは部活の方の出し物やイベントの練習が忙しいらしく、暇でなかった為にさよと一緒に近辺を散歩し始める
毎日来ている大学部近辺だが、仮設店舗の方が忙しい数日の間に随分賑やかになっていた
仮設店舗の近所は大小様々な出し物やイベントなどがあちこちに所狭しと開催されており、最早この近所は準備を終えた者がほとんどらしい
「こう言うの見てるだけで楽しいですね」
さよは実際には食べたり参加したりは出来ないが、それでもお祭りのような麻帆良祭を見るのが好きなようだ
怖いのが苦手なだけではなく、寂しいのもあまり好きではないらしい
人々の楽しそうな笑顔や笑い声が何より好きなのだと言う
『さよちゃん聞こえるか?』
そんな時さよは突然頭の中に横島の声が聞こえて、驚き横島に視線を向ける
それは実際の声が聞こえると言うよりは頭の中に声が響く感じだった
「えっ?」
『これはいわゆるテレパシーみたいなものだよ。 流石に人前で話をすると、俺が独り言しゃべる怪しい人に見えるからさ』
「凄いです! 本物の超能力者みたいですね!」
突然の事に驚きを隠せないさよだったが、驚きはすぐに興奮に変わっていく
テレパシーだと説明した横島の言葉を疑いもしないようだ
『厳密には超能力じゃないんだけど、まあ似たようなもんだよ』
頭の中に響く声に興奮気味に答えるさよに横島は思わず笑ってしまう
正直これほどすんなり信じて喜ぶとは思わなかったらしい
実はこの術に関してはこの世界の魔法使いが一般に使う念話とは仕組みが違い、元は横島の世界の神魔が多用していた霊力を用いた簡単な術だった
かつては神魔が姿を現さないで人間に言葉を伝える術であったらしく、神族がお告げなどに使ったりした術である
「私の姿が見えて声に出さなくてもお話ができるなんて本当に凄いです!」
何故横島がさよを見えるかとかは全く気にしないらしく、とにかく横島は凄いと感じるらしい
まあそれだけ今まで誰にも見えなかった自分が特殊だとさよは考えてるようだが、そもそも普通の幽霊は人には見えない存在だとは知らないようだった
(幽霊の常識を知らん点を考えても、おキヌちゃん以上の天然かもしれん)
基本的にこの世界は浮遊霊が少なく麻帆良にもほとんど居ない
結果的に同じ幽霊との交流すらなかったさよは、本来幽霊が知る常識すら知らないのだ
横島の元世界だと先輩の幽霊が幽霊の常識を教えていたのだが……
しかしそれを考慮に入れてもさよの天然っぷりは凄かった
あやか達の予想以上に有能だった横島だが、逆に有能過ぎたことが問題になりつつあったのである
みんなが横島を頼りにしてしまい横島もそれが嬉しいところまではいいのだが、逆に頼り過ぎるのは少々まずかった
一昨日と昨日も横島だけは仕込みから閉店まで食事以外抜けることなく働いた為、そろそろ横島が居ない状況での営業が必要だと判断したようだ
結局横島はあやか達に言われるままに午後は休むことにしていた
「せっかくだし適当にブラブラしてみるか」
突然休みになった横島だが木乃香達や美砂達などは部活の方の出し物やイベントの練習が忙しいらしく、暇でなかった為にさよと一緒に近辺を散歩し始める
毎日来ている大学部近辺だが、仮設店舗の方が忙しい数日の間に随分賑やかになっていた
仮設店舗の近所は大小様々な出し物やイベントなどがあちこちに所狭しと開催されており、最早この近所は準備を終えた者がほとんどらしい
「こう言うの見てるだけで楽しいですね」
さよは実際には食べたり参加したりは出来ないが、それでもお祭りのような麻帆良祭を見るのが好きなようだ
怖いのが苦手なだけではなく、寂しいのもあまり好きではないらしい
人々の楽しそうな笑顔や笑い声が何より好きなのだと言う
『さよちゃん聞こえるか?』
そんな時さよは突然頭の中に横島の声が聞こえて、驚き横島に視線を向ける
それは実際の声が聞こえると言うよりは頭の中に声が響く感じだった
「えっ?」
『これはいわゆるテレパシーみたいなものだよ。 流石に人前で話をすると、俺が独り言しゃべる怪しい人に見えるからさ』
「凄いです! 本物の超能力者みたいですね!」
突然の事に驚きを隠せないさよだったが、驚きはすぐに興奮に変わっていく
テレパシーだと説明した横島の言葉を疑いもしないようだ
『厳密には超能力じゃないんだけど、まあ似たようなもんだよ』
頭の中に響く声に興奮気味に答えるさよに横島は思わず笑ってしまう
正直これほどすんなり信じて喜ぶとは思わなかったらしい
実はこの術に関してはこの世界の魔法使いが一般に使う念話とは仕組みが違い、元は横島の世界の神魔が多用していた霊力を用いた簡単な術だった
かつては神魔が姿を現さないで人間に言葉を伝える術であったらしく、神族がお告げなどに使ったりした術である
「私の姿が見えて声に出さなくてもお話ができるなんて本当に凄いです!」
何故横島がさよを見えるかとかは全く気にしないらしく、とにかく横島は凄いと感じるらしい
まあそれだけ今まで誰にも見えなかった自分が特殊だとさよは考えてるようだが、そもそも普通の幽霊は人には見えない存在だとは知らないようだった
(幽霊の常識を知らん点を考えても、おキヌちゃん以上の天然かもしれん)
基本的にこの世界は浮遊霊が少なく麻帆良にもほとんど居ない
結果的に同じ幽霊との交流すらなかったさよは、本来幽霊が知る常識すら知らないのだ
横島の元世界だと先輩の幽霊が幽霊の常識を教えていたのだが……
しかしそれを考慮に入れてもさよの天然っぷりは凄かった