二年目の春・10

「どうしようか。」

「店だとサプライズになりませんからね。」

一方のどかと夕映はそれぞれに後始末を終えて、ようやく帰路に着いていた。

途中二人が話しているのは、もうすぐタマモが復活して一年になるので、タマモの誕生日のパーティをどうしようかと考え悩んでいる。

元々の誕生日がわからないタマモなだけに、復活した日を誕生日にしようとは前から話していたのだが。

問題は何処でやるかとどんなパーティにするかだ。

サプライズ好きなタマモに逆サプライズをしてやろうと以前からみんなで話していて、あやかの実家で盛大なパーティにしようという話すらある。


「横島さんの誕生日もありますからね。」

ちなみにタマモ本人は自分がお祝いされる側になるとは全く考えてないらしく、明日誕生日を迎える横島の誕生日をお祝いしようとこっそり準備している。


「横島さん。 忘れてるっぽいよね?」

「そんな気もしますね。」

当然のどかと夕映は、もう横島にあげるプレゼントは用意している。

ただ横島本人はどうも自分の誕生日を忘れてるような感じであることに、二人は少し不思議に感じながらも横島らしいとも思う。

普通自分の誕生日は忘れないだろうと思うが、前に歳を聞いたら覚えてなかった程なのだ。

相変わらず横島はよくわからない部分があるなと考えつつ、二人はタマモのパーティをどうしようかなと相談していく。


「これなんていいんじゃない?」

「こっちは?」

同じ頃先に学校から帰っていた美砂達は、タマモのプレゼント選びの為に麻帆良市内のちょっとおしゃれな雑貨屋さんに来ていた。

洋服はハニワ兵が作るし貰うことも多いタマモなだけに、雑貨にしようと三人で相談して少し前からあちこち見て歩いているのだ。

お土産を配るのが好きなタマモがお返しやお土産を貰い、それらをコレクションしていることも彼女達は理解している。


「これ可愛い!」

そんな三人だが、桜子は猫のデフォルメされたキャラクターが書かれたフォトスタンドを見つけると手に取り美砂達に見せに行く。

タマモは猫好きだし写真も好きで、横島宅のリビングには昨年のクリスマスの時にみんなで撮った写真が飾ってる程なのだ。


「確かにそれいいわね!」

「いろいろあって迷うわね~」

タマモならば何をあげても喜んでくれるが、どうせなら役に立つ物をあげたい。

どんな顔をするだろうなと楽しみにしつつ、三人は騒ぎながらあれこれとプレゼントを探していく。

普通のプレゼントでは面白くないし、インパクトもない。

どうやってタマモを驚かせようと相談して候補を増やしていくのだが、なかなかこれといった決めてがないのが現状だった。

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