二年目の春・10
麻帆良祭の振り替え休日も夕方以降になると、横島の店にはいつものメンバーと数人の常連が残るのみとなっていた。
「タマちゃん。 これ持って行ってええよ。」
「うん!」
夕食の支度もほぼ終わり、タマモはお皿やお箸に料理をフロアーに運んで行くが何処か楽しそうである。
タマモ自身も無意識ではあるが、麻帆良祭と異空間アジトでの休日もあり店でいつものように夕食を食べるのは久々になる。
麻帆良祭も楽しかったし異空間アジトでの休日も好なのだが、やはりタマモの家はここでありみんなと一緒にここで夕食を食べるのが一番好きなのかもしれない。
「明日は後片付けね。」
「壊しちゃうのもったいないね。」
「……壊すの?」
ニコニコとみんなと一緒に頂きますと声を上げたタマモだが、今一つ麻帆良祭を理解してない彼女は自分達の造った仮設店舗が明日で無くなることをようやく理解していた。
「ああ、その事なのですが。 あれ実は解体して再利用する計画が出てます。 明日皆さんにも話すつもりでしたが、雪広グループとしてあれを各地の祭りやイベントで使えないかと案が出てまして。」
みんなで頑張って造り上げたお店が無くなると聞いて瞳をウルウルさせ始めたタマモだが、そんな時なだめるように仮設店舗の扱いを口にしたのはあやかだった。
正直何を何処まで再利用出来るかは未知数だし、補修や作り直さなければならないものもかなりあるだろう。
しかしエンターテイメント性もある店は上手く使えば祭りやイベントにはもってこいであり、とりあえず丁寧に解体して再利用しようという話が出ているらしい。
「へぇ。 いいんじゃない?」
「うん。 どっかで役立ってくれるなら嬉しい。」
「タマちゃん。 あのお店無くならないんやて。 いいんちょのとこで使いたいみたいや。」
あれの再利用には超鈴音の立体影像の使用許可も必要で雪広グループは内々に打診してすでに快諾を貰っていて、あとは横島と3ーAの少女達次第となっている。
実は提供する料理ごと各地の祭りやイベントに使いたいようで、上手く行けば麻帆良祭の宣伝にもなる予定らしい。
「つかうの?」
「ええ。 多くの人達にあのお店を見せてあげたいんです。」
「うん! いいよ!!」
今にも泣きそうだったタマモだが、店が無くならずに何処かでまた多くのお客さんを招く店になると聞くとすぐに嬉しそうな笑みに変わる。
無論寂しさはある。
本音を言えばあれはあそこにずっとあればいいとタマモは思う。
でも麻帆良に来れないような人達にあのお店を見せてあげたいと言われると、タマモはそれならばと納得出来た。
「ふふふ。 いよいよ私とタマちゃはデビューよ!」
「ハルナ。 どうしたんです?」
「お店と一緒にあの絵本も正式に出版する計画なんですわ。 ハルナさんとタマモちゃんが良ければ……」
ちなみに先程からやけにご機嫌なハルナだったが、彼女は夢のクリエーターデビューをこの機会に勝ち取っていたのが理由だった。
作タマモの絵がハルナで正式に雪広グループと親交のある出版社から商業デビューの誘いがあったらしい。
「タマモちゃんの意見が先よね?」
「さっき、確認したわ!」
なおタマモは作家デビューする羽目になったが、本人は作家をやはりよく理解してない。
ただ本をたくさん作ってみんなに読んでもらえると聞いて喜んで賛成したし、横島も別に反対しなかったのでタマモとハルナの絵本の正式な書籍化が決まっていた。
「タマちゃん。 これ持って行ってええよ。」
「うん!」
夕食の支度もほぼ終わり、タマモはお皿やお箸に料理をフロアーに運んで行くが何処か楽しそうである。
タマモ自身も無意識ではあるが、麻帆良祭と異空間アジトでの休日もあり店でいつものように夕食を食べるのは久々になる。
麻帆良祭も楽しかったし異空間アジトでの休日も好なのだが、やはりタマモの家はここでありみんなと一緒にここで夕食を食べるのが一番好きなのかもしれない。
「明日は後片付けね。」
「壊しちゃうのもったいないね。」
「……壊すの?」
ニコニコとみんなと一緒に頂きますと声を上げたタマモだが、今一つ麻帆良祭を理解してない彼女は自分達の造った仮設店舗が明日で無くなることをようやく理解していた。
「ああ、その事なのですが。 あれ実は解体して再利用する計画が出てます。 明日皆さんにも話すつもりでしたが、雪広グループとしてあれを各地の祭りやイベントで使えないかと案が出てまして。」
みんなで頑張って造り上げたお店が無くなると聞いて瞳をウルウルさせ始めたタマモだが、そんな時なだめるように仮設店舗の扱いを口にしたのはあやかだった。
正直何を何処まで再利用出来るかは未知数だし、補修や作り直さなければならないものもかなりあるだろう。
しかしエンターテイメント性もある店は上手く使えば祭りやイベントにはもってこいであり、とりあえず丁寧に解体して再利用しようという話が出ているらしい。
「へぇ。 いいんじゃない?」
「うん。 どっかで役立ってくれるなら嬉しい。」
「タマちゃん。 あのお店無くならないんやて。 いいんちょのとこで使いたいみたいや。」
あれの再利用には超鈴音の立体影像の使用許可も必要で雪広グループは内々に打診してすでに快諾を貰っていて、あとは横島と3ーAの少女達次第となっている。
実は提供する料理ごと各地の祭りやイベントに使いたいようで、上手く行けば麻帆良祭の宣伝にもなる予定らしい。
「つかうの?」
「ええ。 多くの人達にあのお店を見せてあげたいんです。」
「うん! いいよ!!」
今にも泣きそうだったタマモだが、店が無くならずに何処かでまた多くのお客さんを招く店になると聞くとすぐに嬉しそうな笑みに変わる。
無論寂しさはある。
本音を言えばあれはあそこにずっとあればいいとタマモは思う。
でも麻帆良に来れないような人達にあのお店を見せてあげたいと言われると、タマモはそれならばと納得出来た。
「ふふふ。 いよいよ私とタマちゃはデビューよ!」
「ハルナ。 どうしたんです?」
「お店と一緒にあの絵本も正式に出版する計画なんですわ。 ハルナさんとタマモちゃんが良ければ……」
ちなみに先程からやけにご機嫌なハルナだったが、彼女は夢のクリエーターデビューをこの機会に勝ち取っていたのが理由だった。
作タマモの絵がハルナで正式に雪広グループと親交のある出版社から商業デビューの誘いがあったらしい。
「タマモちゃんの意見が先よね?」
「さっき、確認したわ!」
なおタマモは作家デビューする羽目になったが、本人は作家をやはりよく理解してない。
ただ本をたくさん作ってみんなに読んでもらえると聞いて喜んで賛成したし、横島も別に反対しなかったのでタマモとハルナの絵本の正式な書籍化が決まっていた。