二年目の春・9
今年の学園全体イベントはかくれんぼだった。
「かくれんぼかぁ。 なんでまた?」
「去年のおにごっこが少し騒ぎすぎて怪我人が出たり、範囲外に逃げたりして問題になったらしいですよ」
パレードも終わり、横島達は店舗の当番の為に仮設店舗に戻りながら麻帆良祭最後のイベントについて話していたが、今年は少し地味らしい。
横島達は去年も参加しなかったので詳しく知らないが、初等部や幼稚部から大学部まで参加するイベントはなかなか難しいのだ。
タマモに関しては参加したいなら誰かに一緒に参加してもらおうと頼むつもりだったが、タマモはやはりみんなと一緒がいいからと働くことにしたようだ。
「さあ、ラストスパートですわよ!」
そして店舗の方は、信じられないくらいこの日は混雑していたらしい。
それでも大きなトラブルはなく、横島にSOSが来なかったのは少女達の大きな成長だろう。
誰もが働く楽しさと大変さを学び、そしてやりとげようとしてる事は、少女達の思い出と経験になるはずだった。
「よし。 材料は全部調理しちゃうか。 余ったらみんなで食ったり配ればいいしな。 金は俺が出すぞ。」
「まじで!?」
「いいじゃん!」
なお今年は少女達も雪広グループも昨年の反省から、食材のストックは多く確保していた。
店舗の裏に止めてる冷蔵車や冷凍車にはまだ食材が残っていて、横島はある食材を全て使ってしまおうと発言して新たな騒ぎを起こすことになる。
どうせこのあとには後夜祭があり、朝までばか騒ぎするのだから食べ物はあって困ることはない。
「最後なんだ。パッとやるぞ!」
「おう!」
結果としてただでさえ忙しいラストに残りの食材の仕込みまで始めた厨房は、まさに戦場のような忙しさとなる。
ただそんな横島の突然の思い付きや忙しさも少女達は慣れてしまっていた。
もうこのメンバーで麻帆良祭に参加することはない。
その寂しさからか、当番以外の少女達も集まりだして最終的にはクラスのみんなが揃ってラストスパートをしていた。
「タマちゃん! まだ大丈夫?」
「うん! だいじょうぶだよ!」
一方タマモは例によって店外の行列の整理や案内をして活躍していた。
三日目は早く出し物やイベントが終わるところも多く、夕方からは早くも打ち上げだと騒ぎ始めてる者がいて3ーAの店にも多くの学生が最後だと集まっていた。
まあ3ーAの場合は後日どこかで同じメニューを販売する可能性もあるが、立体映像を見ながら食事出来るのはやはり今日までなのだ。
「あー!」
「あら、先程はありがとう。 ここのお手伝いしてるの?」
「うん! みんなでつくったおみせだよ!」
そんな最後の客の中には、先程横島達が助けた迷子の女の子とお母さんも来ていた。
すっかり笑顔になった女の子とお母さんは、タマモの姿に驚き偶然の再会を喜ぶ。
「おいしいから、たべていってね!」
「うふふ。 ありがとう。 そうするわ。」
親子は夕食をここで食べようと来たが、あまりの行列に悩んでいたところだった。
しかし先程助けてくれたタマモが居る店ならばと、並んで食べて行ってくれるらしい。
働く人もお客さんもみんな笑顔だった。
タマモはそんな店が大好きであり、思い出として強く確かな記憶に残ることになる。
「かくれんぼかぁ。 なんでまた?」
「去年のおにごっこが少し騒ぎすぎて怪我人が出たり、範囲外に逃げたりして問題になったらしいですよ」
パレードも終わり、横島達は店舗の当番の為に仮設店舗に戻りながら麻帆良祭最後のイベントについて話していたが、今年は少し地味らしい。
横島達は去年も参加しなかったので詳しく知らないが、初等部や幼稚部から大学部まで参加するイベントはなかなか難しいのだ。
タマモに関しては参加したいなら誰かに一緒に参加してもらおうと頼むつもりだったが、タマモはやはりみんなと一緒がいいからと働くことにしたようだ。
「さあ、ラストスパートですわよ!」
そして店舗の方は、信じられないくらいこの日は混雑していたらしい。
それでも大きなトラブルはなく、横島にSOSが来なかったのは少女達の大きな成長だろう。
誰もが働く楽しさと大変さを学び、そしてやりとげようとしてる事は、少女達の思い出と経験になるはずだった。
「よし。 材料は全部調理しちゃうか。 余ったらみんなで食ったり配ればいいしな。 金は俺が出すぞ。」
「まじで!?」
「いいじゃん!」
なお今年は少女達も雪広グループも昨年の反省から、食材のストックは多く確保していた。
店舗の裏に止めてる冷蔵車や冷凍車にはまだ食材が残っていて、横島はある食材を全て使ってしまおうと発言して新たな騒ぎを起こすことになる。
どうせこのあとには後夜祭があり、朝までばか騒ぎするのだから食べ物はあって困ることはない。
「最後なんだ。パッとやるぞ!」
「おう!」
結果としてただでさえ忙しいラストに残りの食材の仕込みまで始めた厨房は、まさに戦場のような忙しさとなる。
ただそんな横島の突然の思い付きや忙しさも少女達は慣れてしまっていた。
もうこのメンバーで麻帆良祭に参加することはない。
その寂しさからか、当番以外の少女達も集まりだして最終的にはクラスのみんなが揃ってラストスパートをしていた。
「タマちゃん! まだ大丈夫?」
「うん! だいじょうぶだよ!」
一方タマモは例によって店外の行列の整理や案内をして活躍していた。
三日目は早く出し物やイベントが終わるところも多く、夕方からは早くも打ち上げだと騒ぎ始めてる者がいて3ーAの店にも多くの学生が最後だと集まっていた。
まあ3ーAの場合は後日どこかで同じメニューを販売する可能性もあるが、立体映像を見ながら食事出来るのはやはり今日までなのだ。
「あー!」
「あら、先程はありがとう。 ここのお手伝いしてるの?」
「うん! みんなでつくったおみせだよ!」
そんな最後の客の中には、先程横島達が助けた迷子の女の子とお母さんも来ていた。
すっかり笑顔になった女の子とお母さんは、タマモの姿に驚き偶然の再会を喜ぶ。
「おいしいから、たべていってね!」
「うふふ。 ありがとう。 そうするわ。」
親子は夕食をここで食べようと来たが、あまりの行列に悩んでいたところだった。
しかし先程助けてくれたタマモが居る店ならばと、並んで食べて行ってくれるらしい。
働く人もお客さんもみんな笑顔だった。
タマモはそんな店が大好きであり、思い出として強く確かな記憶に残ることになる。