二年目の春・9
「はいはい、貴方達。 すぐに止めなさい。」
「勘弁して下さいよ。 これからが面白いとこなんっすよ。」
「本人の許諾を得ないミスコンと、盗撮写真の販売なんか認められる訳ないでしょ!」
一方刀子は暴走気味の生徒達の取り締まりをしていた。
真のミス麻帆良は誰だ!!
そんな非公式イベントなのだが、本人の許可を得ないでエントリーして、勝手に盗撮写真を売りさばいているのはどう考えても問題だった。
麻帆良でもミスコンはあるが当然任意参加によるコンテストであり、他薦で選ばれても辞退する人は少なくない。
「先生も結構人気ですよ?」
「そういう問題じゃないわよ。 というかいつの間にこんな写真を……」
ちなみに刀子も勝手にミスコンの上位らしく、以前に麻帆良亭の営業を夜八時以降までした際に木乃香達の代わりに手伝った時のエプロン姿の写真が何故か売られていた。
いわゆる教師の顔ではなく、完全にオフの顔をしていて物凄く恥ずかしいらしい。
「水着姿があれば更に上位にも……」
「そんなに順位をつけたいなら貴方達の順位でもつけたら?」
「オレ達の順位なんかつけても誰も面白くないでしょう!」
なお勝手にミスコンには木乃香・夕映・のどかに、あやかとさやかの姉妹に千鶴と、何故かタマモまでエントリーされている。
木乃香は知名度抜群であるし、夕映とのどかは大学部で人気なのだ。
あやかとさやかと千鶴は麻帆良でも屈指のお嬢様と言うことで有名だったりする。
タマモはミスコンに入る年なのか疑問だが、こちらも結構人気らしい。
「いい加減にしないと、最終日の残りを生徒指導室で過ごすことになるわよ?」
もう完全に悪ふざけの規模を越えた生徒達に、流石の刀子も怒りの表情で強制廃除を匂わせる。
「お前らー!!」
「ゲッ!!」
「煩い奴が来た!」
生徒達は渋々片付けようとしたが、時はすでに遅かった。
男子高等部に所属する体育会系の中年男性教師が来ると、彼らは一目散に逃げていく。
まるでどっかの怪盗と警部のごとく追いかけっこしていく生徒達と教師を見送りつつ、刀子は同僚の教師と彼らが残していった物を押収する。
「全く……」
「年頃の男子なんて、あんなものですよ。」
この日一緒だったのは一般の女性教師であったが、彼女は刀子と同じ二十代半ばにもかかわらず自分がエントリーされてなかったことに、密かにがっかりしていたりする。
刀子と違い少し地味で目立たない同僚教師からすると、刀子が少し羨ましいのが本音だ。
「葛葉先生は私生活も充実してますから、いいじゃないですか。 私なんて誰も相手にしてくれませんよ。」
「えーと。 そういう問題では……」
すっかり横島と深い仲だと見ていて、木乃香達のような直接の教え子ではない生徒からも好かれる刀子に同僚は少し自虐的な事をぼやく。
しかし刀子からすると、自分にぼやかれてもと困るしか出来ない。
同僚教師は真面目で生徒思いな、いい教師であることは確かなのだが。
結局話を膨らませてもあまり良いことが無さげなので、刀子は黙々と片付けをしていく。
同年代の女性の心の闇まで付き合ってられなかった。
「勘弁して下さいよ。 これからが面白いとこなんっすよ。」
「本人の許諾を得ないミスコンと、盗撮写真の販売なんか認められる訳ないでしょ!」
一方刀子は暴走気味の生徒達の取り締まりをしていた。
真のミス麻帆良は誰だ!!
そんな非公式イベントなのだが、本人の許可を得ないでエントリーして、勝手に盗撮写真を売りさばいているのはどう考えても問題だった。
麻帆良でもミスコンはあるが当然任意参加によるコンテストであり、他薦で選ばれても辞退する人は少なくない。
「先生も結構人気ですよ?」
「そういう問題じゃないわよ。 というかいつの間にこんな写真を……」
ちなみに刀子も勝手にミスコンの上位らしく、以前に麻帆良亭の営業を夜八時以降までした際に木乃香達の代わりに手伝った時のエプロン姿の写真が何故か売られていた。
いわゆる教師の顔ではなく、完全にオフの顔をしていて物凄く恥ずかしいらしい。
「水着姿があれば更に上位にも……」
「そんなに順位をつけたいなら貴方達の順位でもつけたら?」
「オレ達の順位なんかつけても誰も面白くないでしょう!」
なお勝手にミスコンには木乃香・夕映・のどかに、あやかとさやかの姉妹に千鶴と、何故かタマモまでエントリーされている。
木乃香は知名度抜群であるし、夕映とのどかは大学部で人気なのだ。
あやかとさやかと千鶴は麻帆良でも屈指のお嬢様と言うことで有名だったりする。
タマモはミスコンに入る年なのか疑問だが、こちらも結構人気らしい。
「いい加減にしないと、最終日の残りを生徒指導室で過ごすことになるわよ?」
もう完全に悪ふざけの規模を越えた生徒達に、流石の刀子も怒りの表情で強制廃除を匂わせる。
「お前らー!!」
「ゲッ!!」
「煩い奴が来た!」
生徒達は渋々片付けようとしたが、時はすでに遅かった。
男子高等部に所属する体育会系の中年男性教師が来ると、彼らは一目散に逃げていく。
まるでどっかの怪盗と警部のごとく追いかけっこしていく生徒達と教師を見送りつつ、刀子は同僚の教師と彼らが残していった物を押収する。
「全く……」
「年頃の男子なんて、あんなものですよ。」
この日一緒だったのは一般の女性教師であったが、彼女は刀子と同じ二十代半ばにもかかわらず自分がエントリーされてなかったことに、密かにがっかりしていたりする。
刀子と違い少し地味で目立たない同僚教師からすると、刀子が少し羨ましいのが本音だ。
「葛葉先生は私生活も充実してますから、いいじゃないですか。 私なんて誰も相手にしてくれませんよ。」
「えーと。 そういう問題では……」
すっかり横島と深い仲だと見ていて、木乃香達のような直接の教え子ではない生徒からも好かれる刀子に同僚は少し自虐的な事をぼやく。
しかし刀子からすると、自分にぼやかれてもと困るしか出来ない。
同僚教師は真面目で生徒思いな、いい教師であることは確かなのだが。
結局話を膨らませてもあまり良いことが無さげなので、刀子は黙々と片付けをしていく。
同年代の女性の心の闇まで付き合ってられなかった。