麻帆良祭への道

その後も横島の元には様々なコスプレした少女達が見せにやって来たりするが、そんな中で横島自身もいくつかの衣装を選び採寸していく

衣装はあやかのサービスだと言うので、少女達は遠慮なく自分の好きな衣装を選んでいる

しかしこの衣装選びで午前中が潰れてしまい、準備が更に遅れる事になるのは言うまでもない



一方同じ敷地内の雪広グループの企業ブースは、本日からイベントを始めていた

横島達が衣装を選んでる頃、すでに同じ敷地内は大勢の学生や一般人で溢れている

本日は雪広グループ直営牧場から直送の牛肉や牛乳やチーズなどの無料試食会が行われる予定であり、それ目当てに多くの人が集まっていたのだ

さて雪広グループの企業ブースに関してだが、先程の無料試食会などに出された物などの自社製品の販売ブースや企業活動の報告ブースなどがある

基本的にここは雪広グループの宣伝目的の企業ブースであり、今年のイチ押しの自社製品や新商品の発表会なども兼ねてるらしい

元々雪広グループは麻帆良学園と関係が深くあちこちのイベントやサークルにたくさん協賛してるだけに、ここの企業ブースは純粋に宣伝活動がメインなようであった

まあそれでも麻帆良祭当日は雪広グループに関係する芸能人やスポーツ選手が来てトーク&握手会をやるなど、イベントは目白押しなのだが……


「スゲー人だな」

「明日はマグロの解体ショーとかやるらしいわよ」

そんな雪広グループの企業ブースが混み合うのを見ていたのは、早々に衣装の採寸を終えた横島と明日菜であった

他のみんなはまだ衣装選びなどに夢中だが明日菜は割と早く終えたらしく、横島と雪広グループのイベントを仮設店舗の近くから眺めている


「流石は一流企業だな~」

「いいんちょのとこは凄いからねー 自宅とか迷子になりそうなくらい凄いわよ」

今日の無料試食会はすき焼き丼や特製チーズケーキや特製アイスが各五百人限定で無料で食べれるらしく、多くの生徒や一般人で賑わっていた

横島も以前は安値でサービスなどしていたが、雪広グループはケタが違うと二人はシミジミと感じてしまう



「そういえば、明日菜ちゃんはどんな衣装にしたんだ?」

「私? 私は普通よ。 魔女みたいな服とかを少しね。 あんまり派手なのとか際どいの苦手なのよね」

桜子を始め美砂や裕奈やまき絵など結構際どいコスプレを選んだ者も居るが、明日菜は大人しめなようであった

ちょっと着てみたい気持ちはあったのかもしれないが、正直派手な衣装とかは苦手らしい


「そっか~ ちょっと残念だな。 明日菜ちゃんも可愛いから似合うと思うんだがな」

(女の人が苦手な割に口が上手いのよねー そのうち刺されないか心配だわ)

女性から迫られると逃げる横島だったが、それ以外の時は割と積極的でありナチュラルに女性を褒めたりしている

実は横島本人はあまり口説いてるつもりはないのだが、女性側とすれば口説いてると誤解を受けそうな発言が多々あった

明日菜は横島がいつか修羅場を作りそうな気がして苦笑いを浮かべてしまう


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