二年目の春・9
夢を見ていた。
賑やかな麻帆良祭で行われる武闘大会の夢を。
時間を何度も遡り、麻帆良祭を満喫する少年と少女達の夢を。
そして少年と少女達は歴史を変えようとする友人と戦う。
そんな夢を……。
「なんか変な夢を見たわ。」
「ウチもや。」
「アスナがおっきな剣持ってた!」
「可愛い子供のこと先生って呼んでたね。」
時間はいつの間にか夕方となっていた。
タマモのお昼寝に合わせて静かにしていたら、いつの間にか横島を含む全員が別荘の違う場所で眠ってしまっていたようで、不思議な夢を見たらしい。
ある少女は庭のビーチチェアで眠り、またある少女はリビングのソファーで眠っていたにも関わらず同じ夢を見ていた。
「横島。 今の夢は貴様の力か?」
「わりい。 ちょっと能力のコントロールをミスった。」
妙にリアルで示し合わせたかのように、みんなが同じ夢を見た事の原因に気付いたのはアナスタシアだった。
一言で言えば横島が持つヒャクメの千里眼が少し平行世界の姿を見てしまい、周りのみんなに見せてしまったようだった。
横島自身がうとうととしながら、平行世界のことを少し考えていたからだろう。
元々横島の千里眼はヒャクメの能力であり、彼女の経験や技術で使うのだから、当然彼女のうっかりな性格による経験も受け継いでいる。
滅多に無いことだが、横島自身も危険のない異空間アジトで少し気が抜けていたのも原因であろう。
「どういうこと?」
「あれはパラレルワールドだろう。 歴史の別の未来。 横島やタマモの居ない世界だろう。」
「パラパラ?」
「パラレルワールド。 いわゆる平行世界の事です。 SFなどではお馴染みの設定で、世界は一つではないとの考えの元でありえる別の未来のことです。」
アナスタシアが今見た夢を平行世界だと暴露すると、刀子と少女達は驚く。
明日菜やまき絵なんかはパラレルワールドの意味が分からず、パラパラを踊る人達の姿が頭に浮かんでいたが。
「へぇ。 なんか凄いね。」
「でも何で超りんと明日菜達、喧嘩してたの?」
「歴史を変えようとした超さんを、止めようとしたのでしょう。」
「ああ、修学旅行の時に言ってたやつね。」
突然見せられたあり得たかもしれない未来に少女達は興味を持ちつつ困惑していたが、あまり実感がないのか特に騒ぐ程でもないらしい。
「タマちゃん?」
「わたしとよこしまだけ、なかまはずれになってた」
「ああ、大丈夫よ。 夢だから。 絶対仲間外れになんかしないから!」
ただここで少し目に涙を浮かべて頬を膨らませていたのは、よく分からないが自分と横島が仲間外れにされたと思ったタマモだった。
タマモが一番怒るのは仲間外れにされることであり、少女達は慌ててタマモを抱き上げたり頭を撫でたりして機嫌を取っていく。
「ほんとに?」
「本当よ。 ねえ!?」
「うん。 絶対。 約束する!」
最早平行世界よりタマモの機嫌の方が問題だった。
ちょっと拗ねた様子のタマモをみんなで宥めながら話を変えて、明日も一緒に麻帆良祭を回ろうと話していく事になる。
賑やかな麻帆良祭で行われる武闘大会の夢を。
時間を何度も遡り、麻帆良祭を満喫する少年と少女達の夢を。
そして少年と少女達は歴史を変えようとする友人と戦う。
そんな夢を……。
「なんか変な夢を見たわ。」
「ウチもや。」
「アスナがおっきな剣持ってた!」
「可愛い子供のこと先生って呼んでたね。」
時間はいつの間にか夕方となっていた。
タマモのお昼寝に合わせて静かにしていたら、いつの間にか横島を含む全員が別荘の違う場所で眠ってしまっていたようで、不思議な夢を見たらしい。
ある少女は庭のビーチチェアで眠り、またある少女はリビングのソファーで眠っていたにも関わらず同じ夢を見ていた。
「横島。 今の夢は貴様の力か?」
「わりい。 ちょっと能力のコントロールをミスった。」
妙にリアルで示し合わせたかのように、みんなが同じ夢を見た事の原因に気付いたのはアナスタシアだった。
一言で言えば横島が持つヒャクメの千里眼が少し平行世界の姿を見てしまい、周りのみんなに見せてしまったようだった。
横島自身がうとうととしながら、平行世界のことを少し考えていたからだろう。
元々横島の千里眼はヒャクメの能力であり、彼女の経験や技術で使うのだから、当然彼女のうっかりな性格による経験も受け継いでいる。
滅多に無いことだが、横島自身も危険のない異空間アジトで少し気が抜けていたのも原因であろう。
「どういうこと?」
「あれはパラレルワールドだろう。 歴史の別の未来。 横島やタマモの居ない世界だろう。」
「パラパラ?」
「パラレルワールド。 いわゆる平行世界の事です。 SFなどではお馴染みの設定で、世界は一つではないとの考えの元でありえる別の未来のことです。」
アナスタシアが今見た夢を平行世界だと暴露すると、刀子と少女達は驚く。
明日菜やまき絵なんかはパラレルワールドの意味が分からず、パラパラを踊る人達の姿が頭に浮かんでいたが。
「へぇ。 なんか凄いね。」
「でも何で超りんと明日菜達、喧嘩してたの?」
「歴史を変えようとした超さんを、止めようとしたのでしょう。」
「ああ、修学旅行の時に言ってたやつね。」
突然見せられたあり得たかもしれない未来に少女達は興味を持ちつつ困惑していたが、あまり実感がないのか特に騒ぐ程でもないらしい。
「タマちゃん?」
「わたしとよこしまだけ、なかまはずれになってた」
「ああ、大丈夫よ。 夢だから。 絶対仲間外れになんかしないから!」
ただここで少し目に涙を浮かべて頬を膨らませていたのは、よく分からないが自分と横島が仲間外れにされたと思ったタマモだった。
タマモが一番怒るのは仲間外れにされることであり、少女達は慌ててタマモを抱き上げたり頭を撫でたりして機嫌を取っていく。
「ほんとに?」
「本当よ。 ねえ!?」
「うん。 絶対。 約束する!」
最早平行世界よりタマモの機嫌の方が問題だった。
ちょっと拗ねた様子のタマモをみんなで宥めながら話を変えて、明日も一緒に麻帆良祭を回ろうと話していく事になる。