二年目の春・8
「現在店内は混雑してます。怪我のないようにお願いします」
始まって一時間が過ぎていたが、思った以上の混雑が発生して新たな問題も浮上していた。
今年からの新しい試みである複合型立体映像の評判が良すぎたというのが原因であろうが、客の回転率が悪くなってしまっていたのだ。
世界の名所の映像が流れるとみんな見入ってしまい、食べ終わっても席を立たない人が続出している。
まあ、その分だけ持ち帰りの方に人が流れていたが、開始早々難題を突きつけられた形になっていた。
「困ったな。三十分で席を空けてくれるように頼むか?」
映像は十五分の物を三十分に一回流している。
十五分は通常の店内で擬人化した動物達の立体映像のみの時間があり、十五分の映像と交互になるように調整していた。
世界の名所の内容はランダムなのだが、本来は十五から三十分程度で席を空けてくれる想定だったのだ。
横島は調理をしながらあやかや超鈴音などのメンバーと話し合うが、まさかここまで回転率が下がるとは思わなかった。
「そうですね。初日ですし、待っている方が居ますから、その方がいいかもしれないです」
「立ち見の人達はどうするの?」
「そっちも三十分程度で一回出てもらうべきかもな」
昨年の結果もあり、注目をされるのも初日から混雑するのも分かっていたのだが、想定以上のことが起こっている。
まあそんな事態に対処するためのプレオープンなのだが。
夕映やのどかも交えて話し合った結果、開店早々三十分の時間制限を付けることになってしまう。
あまり好ましいと思えない制限であるが、並ぶ人が居る以上は考えねばならないことだった。
一方で席に座らずに、立って映像を見てる人達もかなり居る。
わんこひつまぶしは立って食べにくいが、揚げパンは歩きながらでも食べれるようにと、一口サイズの物を楊枝で食べるようにしていたので立ち見でも十分なのだ。
立ち見なのでこちらはあまり長居はしてないが、全体として三十分程度で出てくれるように頼むしかなかった。
「ハルナさん。貼り紙お願いします。」
「任せて。十分で仕上げるわ。」
まずは店内のカウンターと店外の行列向けに時間制限のお願いの貼り紙を製作することになるが、こちらもただ堅苦しい貼り紙ではなく、メルヘンな貼り紙にするべきとの意見が出て、急遽ハルナが貼り紙の製作を始める。
同時に現在店内に居るお客さんに関しても、十五分の映像が終わった時点で長居してる人達から一組一組頼むしかない。
「申し訳ありません。本日は混雑してますので三十分程度で席を空けて頂くように、御協力お願いします」
「おねがいします!」
店内のお客さんに関しては、この手の事態に慣れてるあやかが自ら頼みに出向いていたが、事態を理解したのかタマモもあやかと一緒に出向き頭を下げてお願いしている。
ただまあ、結果的にこれが効果抜群だった。
きちんとした謝罪と幼いタマモのお願いに怒るような了見の狭い人はほとんど居ないようで、回転率は以前として良くないがそれでもようやく人が流れるようになる。
始まって一時間が過ぎていたが、思った以上の混雑が発生して新たな問題も浮上していた。
今年からの新しい試みである複合型立体映像の評判が良すぎたというのが原因であろうが、客の回転率が悪くなってしまっていたのだ。
世界の名所の映像が流れるとみんな見入ってしまい、食べ終わっても席を立たない人が続出している。
まあ、その分だけ持ち帰りの方に人が流れていたが、開始早々難題を突きつけられた形になっていた。
「困ったな。三十分で席を空けてくれるように頼むか?」
映像は十五分の物を三十分に一回流している。
十五分は通常の店内で擬人化した動物達の立体映像のみの時間があり、十五分の映像と交互になるように調整していた。
世界の名所の内容はランダムなのだが、本来は十五から三十分程度で席を空けてくれる想定だったのだ。
横島は調理をしながらあやかや超鈴音などのメンバーと話し合うが、まさかここまで回転率が下がるとは思わなかった。
「そうですね。初日ですし、待っている方が居ますから、その方がいいかもしれないです」
「立ち見の人達はどうするの?」
「そっちも三十分程度で一回出てもらうべきかもな」
昨年の結果もあり、注目をされるのも初日から混雑するのも分かっていたのだが、想定以上のことが起こっている。
まあそんな事態に対処するためのプレオープンなのだが。
夕映やのどかも交えて話し合った結果、開店早々三十分の時間制限を付けることになってしまう。
あまり好ましいと思えない制限であるが、並ぶ人が居る以上は考えねばならないことだった。
一方で席に座らずに、立って映像を見てる人達もかなり居る。
わんこひつまぶしは立って食べにくいが、揚げパンは歩きながらでも食べれるようにと、一口サイズの物を楊枝で食べるようにしていたので立ち見でも十分なのだ。
立ち見なのでこちらはあまり長居はしてないが、全体として三十分程度で出てくれるように頼むしかなかった。
「ハルナさん。貼り紙お願いします。」
「任せて。十分で仕上げるわ。」
まずは店内のカウンターと店外の行列向けに時間制限のお願いの貼り紙を製作することになるが、こちらもただ堅苦しい貼り紙ではなく、メルヘンな貼り紙にするべきとの意見が出て、急遽ハルナが貼り紙の製作を始める。
同時に現在店内に居るお客さんに関しても、十五分の映像が終わった時点で長居してる人達から一組一組頼むしかない。
「申し訳ありません。本日は混雑してますので三十分程度で席を空けて頂くように、御協力お願いします」
「おねがいします!」
店内のお客さんに関しては、この手の事態に慣れてるあやかが自ら頼みに出向いていたが、事態を理解したのかタマモもあやかと一緒に出向き頭を下げてお願いしている。
ただまあ、結果的にこれが効果抜群だった。
きちんとした謝罪と幼いタマモのお願いに怒るような了見の狭い人はほとんど居ないようで、回転率は以前として良くないがそれでもようやく人が流れるようになる。