二年目の春・8
いつもの海水浴場は、前回まで以上にハニワ兵達で賑わっていた。
流石に混雑するほどではないが、観光シーズンだからであろう。
タマモは近くにいたハニワ兵達と一緒に砂浜で山を作っていて、少女達は泳いだり寛いだりとそれぞれに海を満喫している。
「いや~、助かったわ! 絵本を優先したら、こっちが間に合わなくて!」
ただ一人ハルナだけは、ビーチパラソルの下で怪しげな漫画を描いていたが。
ちなみに刀子は何を描いてるか聞くと、注意しなくてはならない立場になるので、あえて聞かずに少し困ったようにため息を溢している。
創作活動にケチを付ける気はないが、R18指定の創作は流石に問題なのだ。
彼女は今年も教師や実行委員が認定した、麻帆良祭における要注意人物の一人である。
「エロ本くらい誰でも持ってますよ」
「エロ本じゃないわ! 芸術よ!」
ため息を溢した刀子を慰めるように横島はハルナの創作をエロ本扱いするが、そこはハルナにきっちり否定された。
俗にいうボーイズラブというマニアックな内容であり、過激なのでエロ本よりタチが悪いかもしれないが。
「ねえ、ちょっと思ったんだけどさ。 ここの時間を移動する機能使えば、麻帆良祭で同じ時間に仕事と遊ぶこと両方出来るんじゃない?」
「あー! 確かに出来るんじゃない!?」
「出来なくもないが、止めた方がいいな」
横島は先程から美砂と桜子とまき絵に引っ付かれていたが、美砂がふと異空間アジトの麻帆良祭での活用法を思い付くと、三人プラス近くで寛いでいた円と亜子が騒ぎだした。
しかし横島はそんな少女達に、困ったような表情をしながらその活用法はダメだと否定的な事を口にする。
「時間っていうのはデリケートで繊細なんだよ。 バタフライ効果って聞いたことねえか? 思わぬ影響を与えたりするからな。 こっちで休むくらいなら構わんが、同じ時間に同じ人が二人居るなんてことはやらない方がいいな。」
「うーん。超りんみたいに、やり過ぎたらダメってことか~。」
「休むなら使っていいぞ。 そうすりゃ向こうで夜も遊べるだろ」
本来の歴史では少女達やネギが超鈴音のカシオペアを使っていたことも、横島だけは一応知っている。
実際時空間の影響を調整するだけなら土偶羅には可能だが、横島は過去の経験から時間を利用するのに否定的だった。
かつて時間移動を利用して自らの娘を助けるために、好き勝手にやった美神美智恵のイメージが未だに消えてはいない。
「そうね。 その辺りで線引きするのが妥当だと思うわ。」
少女達は意外にもあっさりと諦め、食い下がる者は居なかった。
流石にやり過ぎかと半ば考えていたのだろう。
一方刀子は時間移動に関する問題は知らないが、自分達が恵まれてる現状を鑑みると、どこかで線引きは必要だろうと考えていて横島の意見に賛成する。
正直なところ刀子は少女達が、あまりにも便利な環境に慣れすぎるのも少し問題かと考えていた。
今更横島から離れるとは思ってないが、一応学校を出て社会人になるならば相応の苦労や努力は必要なのだ。
まあ刀子自身は相変わらず気軽に横島に引っ付く桜子なんかが、表情にこそ出さないが羨ましかっただけだったりするが。
流石に混雑するほどではないが、観光シーズンだからであろう。
タマモは近くにいたハニワ兵達と一緒に砂浜で山を作っていて、少女達は泳いだり寛いだりとそれぞれに海を満喫している。
「いや~、助かったわ! 絵本を優先したら、こっちが間に合わなくて!」
ただ一人ハルナだけは、ビーチパラソルの下で怪しげな漫画を描いていたが。
ちなみに刀子は何を描いてるか聞くと、注意しなくてはならない立場になるので、あえて聞かずに少し困ったようにため息を溢している。
創作活動にケチを付ける気はないが、R18指定の創作は流石に問題なのだ。
彼女は今年も教師や実行委員が認定した、麻帆良祭における要注意人物の一人である。
「エロ本くらい誰でも持ってますよ」
「エロ本じゃないわ! 芸術よ!」
ため息を溢した刀子を慰めるように横島はハルナの創作をエロ本扱いするが、そこはハルナにきっちり否定された。
俗にいうボーイズラブというマニアックな内容であり、過激なのでエロ本よりタチが悪いかもしれないが。
「ねえ、ちょっと思ったんだけどさ。 ここの時間を移動する機能使えば、麻帆良祭で同じ時間に仕事と遊ぶこと両方出来るんじゃない?」
「あー! 確かに出来るんじゃない!?」
「出来なくもないが、止めた方がいいな」
横島は先程から美砂と桜子とまき絵に引っ付かれていたが、美砂がふと異空間アジトの麻帆良祭での活用法を思い付くと、三人プラス近くで寛いでいた円と亜子が騒ぎだした。
しかし横島はそんな少女達に、困ったような表情をしながらその活用法はダメだと否定的な事を口にする。
「時間っていうのはデリケートで繊細なんだよ。 バタフライ効果って聞いたことねえか? 思わぬ影響を与えたりするからな。 こっちで休むくらいなら構わんが、同じ時間に同じ人が二人居るなんてことはやらない方がいいな。」
「うーん。超りんみたいに、やり過ぎたらダメってことか~。」
「休むなら使っていいぞ。 そうすりゃ向こうで夜も遊べるだろ」
本来の歴史では少女達やネギが超鈴音のカシオペアを使っていたことも、横島だけは一応知っている。
実際時空間の影響を調整するだけなら土偶羅には可能だが、横島は過去の経験から時間を利用するのに否定的だった。
かつて時間移動を利用して自らの娘を助けるために、好き勝手にやった美神美智恵のイメージが未だに消えてはいない。
「そうね。 その辺りで線引きするのが妥当だと思うわ。」
少女達は意外にもあっさりと諦め、食い下がる者は居なかった。
流石にやり過ぎかと半ば考えていたのだろう。
一方刀子は時間移動に関する問題は知らないが、自分達が恵まれてる現状を鑑みると、どこかで線引きは必要だろうと考えていて横島の意見に賛成する。
正直なところ刀子は少女達が、あまりにも便利な環境に慣れすぎるのも少し問題かと考えていた。
今更横島から離れるとは思ってないが、一応学校を出て社会人になるならば相応の苦労や努力は必要なのだ。
まあ刀子自身は相変わらず気軽に横島に引っ付く桜子なんかが、表情にこそ出さないが羨ましかっただけだったりするが。