麻帆良祭への道
仮設店舗の中は本当に賑やかであった
おしゃべりしながらあれがいいとかこれがいいとか騒ぎながら作業する少女達の姿は、年相応の希望とエネルギーに満ちている
そんな中で横島は厨房とフロアを行ったり来たりしながら走り回っていた
木乃香達に料理を教えながらも、フロアの方の作業についても頼まれたりするのだ
天才超鈴音は何でもそつなく熟しているが、他の子はそうは行かないし具体的な作りたい物はあってもどうしたらいいか分からない者も多い
無論超自身もあちこち指導に回っているが、人手が足りなく横島も呼ばれている
「本当にこれでいいの?」
「ああ、塗装をすりゃ本物みたいになるからな」
さて内装のグループは、現在発砲スチロールで外壁の作成に入っていた
外壁は石造りの重厚な壁にしたいらしく、独特の質感などを出す為に発砲スチロールで石の外壁を作っている
多くの者は発砲スチロールが石造りの壁に見えるようになるのか疑問らしいが、超と横島に反対までする者は居ないようだ
「すっかりクラスに馴染んだわね」
一方厨房の明日菜は、本来は部外者のはずの横島がすっかりクラスに馴染んでる状況に苦笑いを浮かべていた
このままさらっと学校で授業を受けても違和感がない感じなのだ
「ずっと前からクラスに居たかのように馴染んでるので皆さんさも当然のように頼ってますが、一応部外者の大人なのです」
明日菜の呟きに反応するように夕映は改めて横島の存在を考えるが、本来は横島が内装の準備にまで参加する必要はないはずなのだ
というか自分の店を休んで自主的に来て手伝ってるのだから、感謝と呆れの両方の気持ちが入り混じっていた
(高畑先生より馴染んでる気がするのは言わないほうがいいのでしょうね)
明日菜の手前口に出しては言わないが、何かと忙しく居ないことが多い高畑よりは横島が馴染んでると夕映は思う
今日も後で顔を出すと言いながらまだ来てない訳だし……
「部外者って言い方は無くないか? 夕映ちゃんとはほとんど毎日会ってるし、図書館探検部も一緒なのに……」
独り言のようにふと呟いた夕映だったが、たまたま横島がフロアから戻って来て聞いてしまったことは気付かなかったらしい
「えっ!? いや、そういう意味では……」
「せめて友達として扱ってくれてもバチは当たらないと思うのにな~」
突然背後から声をかけられたことで慌てる夕映に横島はわざとらしく悲しそうに呟くが、夕映は慌ててるためかその微妙な違いに気付かない
「夕映冷たいね~ よくご馳走して貰ってたのに飽きたら捨てるんだ」
「そっか…… 俺はもう用済みか……」
横島の悪ノリに真っ先に気付いたハルナは煽るようなことを口にするが、横島は更にそれに乗っていく
「いえ、私個人の話ではなく…… 私は感謝してますしとても大切な友人だと思ってるですよ」
わざとらしく悲しそうな横島に夕映は更に慌てて言い訳をするが、そんな夕映に横島はついつい笑いをこらえきれなくて笑ってしまう
横島が笑い出すとわかりやすい芝居に気付いていた周りも一斉に笑ってしまい、夕映はようやく自分がからかわれていたことに気付く
おしゃべりしながらあれがいいとかこれがいいとか騒ぎながら作業する少女達の姿は、年相応の希望とエネルギーに満ちている
そんな中で横島は厨房とフロアを行ったり来たりしながら走り回っていた
木乃香達に料理を教えながらも、フロアの方の作業についても頼まれたりするのだ
天才超鈴音は何でもそつなく熟しているが、他の子はそうは行かないし具体的な作りたい物はあってもどうしたらいいか分からない者も多い
無論超自身もあちこち指導に回っているが、人手が足りなく横島も呼ばれている
「本当にこれでいいの?」
「ああ、塗装をすりゃ本物みたいになるからな」
さて内装のグループは、現在発砲スチロールで外壁の作成に入っていた
外壁は石造りの重厚な壁にしたいらしく、独特の質感などを出す為に発砲スチロールで石の外壁を作っている
多くの者は発砲スチロールが石造りの壁に見えるようになるのか疑問らしいが、超と横島に反対までする者は居ないようだ
「すっかりクラスに馴染んだわね」
一方厨房の明日菜は、本来は部外者のはずの横島がすっかりクラスに馴染んでる状況に苦笑いを浮かべていた
このままさらっと学校で授業を受けても違和感がない感じなのだ
「ずっと前からクラスに居たかのように馴染んでるので皆さんさも当然のように頼ってますが、一応部外者の大人なのです」
明日菜の呟きに反応するように夕映は改めて横島の存在を考えるが、本来は横島が内装の準備にまで参加する必要はないはずなのだ
というか自分の店を休んで自主的に来て手伝ってるのだから、感謝と呆れの両方の気持ちが入り混じっていた
(高畑先生より馴染んでる気がするのは言わないほうがいいのでしょうね)
明日菜の手前口に出しては言わないが、何かと忙しく居ないことが多い高畑よりは横島が馴染んでると夕映は思う
今日も後で顔を出すと言いながらまだ来てない訳だし……
「部外者って言い方は無くないか? 夕映ちゃんとはほとんど毎日会ってるし、図書館探検部も一緒なのに……」
独り言のようにふと呟いた夕映だったが、たまたま横島がフロアから戻って来て聞いてしまったことは気付かなかったらしい
「えっ!? いや、そういう意味では……」
「せめて友達として扱ってくれてもバチは当たらないと思うのにな~」
突然背後から声をかけられたことで慌てる夕映に横島はわざとらしく悲しそうに呟くが、夕映は慌ててるためかその微妙な違いに気付かない
「夕映冷たいね~ よくご馳走して貰ってたのに飽きたら捨てるんだ」
「そっか…… 俺はもう用済みか……」
横島の悪ノリに真っ先に気付いたハルナは煽るようなことを口にするが、横島は更にそれに乗っていく
「いえ、私個人の話ではなく…… 私は感謝してますしとても大切な友人だと思ってるですよ」
わざとらしく悲しそうな横島に夕映は更に慌てて言い訳をするが、そんな夕映に横島はついつい笑いをこらえきれなくて笑ってしまう
横島が笑い出すとわかりやすい芝居に気付いていた周りも一斉に笑ってしまい、夕映はようやく自分がからかわれていたことに気付く