二年目の春・7
「久しぶり。 元気そうね。」
「ええ、私はまあまあかしらね。 貴女こそ元気じゃない。」
同じ日刀子は都内のレストランにて大学時代の友人の女性と会っていた。
彼女魔法協会に所属しながら大学に通っていたいわゆる元魔法生徒の一人だが、卒業と就職を機に魔法を辞めた過去を持つ。
「まあね。 気楽なOLだから。 麻帆良はそろそろ忙しい頃かしら?」
「そうね。 残り半月だしこれからもっと忙しくなるわ。」
こうして再会するのはほぼ一年ぶりながら二人はそれを感じさせないほどリラックスした様子である。
「私ね。 結婚するの。 相手は一般人よ。」
「おめでとう。 いい人見つかったんだ。」
「うん。 魔法も何も知らない人だから多分私も二度と魔法に関わることはないと思う。 あの頃はあの頃で楽しかったけどね。」
彼女は魔法協会を辞めた際に魔法の杖やアイテムを全て処分して完全な一般人として今は生きてるらしく、今日は結婚の報告に会っているらしい。
「貴女ほどの実力者はそうは居ないんだけどね。」
「刀子に言われても説得力に欠けるわね。 でも両親も納得してくれたから。 魔法のこと嫌いじゃないわ。 でも使い道ないし。」
刀子とすれば近年よくある友人からの結婚報告を素直に祝福するも、魔法には二度と関わらないと言われると寂しさを感じてしまう。
魔法の才能にも恵まれ将来を期待された一人だったものの、魔法協会では活躍の場がさほどある訳でもないので彼女のように就職を機に魔法協会を辞める者も少なくない。
世のため人のためなどと働こうとするのはほんの一握りで魔法は好きだが魔法協会はあまり好きになれない者もそれなりに居る。
「刀子。 貴女も魔法から離れたら? 難しい立場なの分かるけど。 こういう言い方をするとあれだけど世界は広いわよ。 魔法なんて無くても生きていける。 むしろない方がいいかもしれないって離れてみて思うわ。」
「そうね。 そうかもしれない。 でも私は私なりに今を楽しんでるのよ。 魔法協会を離れた貴女には詳しくは言えないけど。」
「そっか。 今日顔を見た時になんとなくそんな気はしてたんだよね。 幸せそうだし。」
時が過ぎて立場も変わり自身の現状を友人にすら気軽に話せない魔法という特殊な世界に刀子は少しどうなんだろうと思わなくもない。
しかし今を楽しんでいるのは事実だし、今の刀子には成すべきことがあると最近は思えるようになっている。
「ねえ遥香。 いつか貴女が旦那さんや子供に自分は魔法使いだったって誇れるようになる時代が来るかもしれないって私は思ってるの。 だから待ってて。」
「フフフ。 私がお婆ちゃんになる前にお願いするわ。」
共に魔法生徒として過ごした青春の友人だけに彼女は刀子の言葉に少し複雑なものを感じつつも信じて待つことにする。
魔法というモノが友人や恋人に夫婦を別けることがなくなる時代を刀子は自分達で作りたいと本気で考えていた。
「ええ、私はまあまあかしらね。 貴女こそ元気じゃない。」
同じ日刀子は都内のレストランにて大学時代の友人の女性と会っていた。
彼女魔法協会に所属しながら大学に通っていたいわゆる元魔法生徒の一人だが、卒業と就職を機に魔法を辞めた過去を持つ。
「まあね。 気楽なOLだから。 麻帆良はそろそろ忙しい頃かしら?」
「そうね。 残り半月だしこれからもっと忙しくなるわ。」
こうして再会するのはほぼ一年ぶりながら二人はそれを感じさせないほどリラックスした様子である。
「私ね。 結婚するの。 相手は一般人よ。」
「おめでとう。 いい人見つかったんだ。」
「うん。 魔法も何も知らない人だから多分私も二度と魔法に関わることはないと思う。 あの頃はあの頃で楽しかったけどね。」
彼女は魔法協会を辞めた際に魔法の杖やアイテムを全て処分して完全な一般人として今は生きてるらしく、今日は結婚の報告に会っているらしい。
「貴女ほどの実力者はそうは居ないんだけどね。」
「刀子に言われても説得力に欠けるわね。 でも両親も納得してくれたから。 魔法のこと嫌いじゃないわ。 でも使い道ないし。」
刀子とすれば近年よくある友人からの結婚報告を素直に祝福するも、魔法には二度と関わらないと言われると寂しさを感じてしまう。
魔法の才能にも恵まれ将来を期待された一人だったものの、魔法協会では活躍の場がさほどある訳でもないので彼女のように就職を機に魔法協会を辞める者も少なくない。
世のため人のためなどと働こうとするのはほんの一握りで魔法は好きだが魔法協会はあまり好きになれない者もそれなりに居る。
「刀子。 貴女も魔法から離れたら? 難しい立場なの分かるけど。 こういう言い方をするとあれだけど世界は広いわよ。 魔法なんて無くても生きていける。 むしろない方がいいかもしれないって離れてみて思うわ。」
「そうね。 そうかもしれない。 でも私は私なりに今を楽しんでるのよ。 魔法協会を離れた貴女には詳しくは言えないけど。」
「そっか。 今日顔を見た時になんとなくそんな気はしてたんだよね。 幸せそうだし。」
時が過ぎて立場も変わり自身の現状を友人にすら気軽に話せない魔法という特殊な世界に刀子は少しどうなんだろうと思わなくもない。
しかし今を楽しんでいるのは事実だし、今の刀子には成すべきことがあると最近は思えるようになっている。
「ねえ遥香。 いつか貴女が旦那さんや子供に自分は魔法使いだったって誇れるようになる時代が来るかもしれないって私は思ってるの。 だから待ってて。」
「フフフ。 私がお婆ちゃんになる前にお願いするわ。」
共に魔法生徒として過ごした青春の友人だけに彼女は刀子の言葉に少し複雑なものを感じつつも信じて待つことにする。
魔法というモノが友人や恋人に夫婦を別けることがなくなる時代を刀子は自分達で作りたいと本気で考えていた。