麻帆良祭への道
「凄いわ」
横島が再び厨房に消えると刀子は出されたハーブティーを一口飲むが、身体が活性化するような凄まじい効果を実感する
疲れやストレスなどで体調がイマイチだった身体が、まるで魔法で回復されるような強烈な癒しの効果を感じるのだ
(こんな魔法使えたのね。 それなのに私の為に危険を冒して……)
この時刀子は横島が予想以上の実力を隠してることに気付くが、それ以上に危険を承知で刀子に魔法のハーブティーを出したことに衝撃を受けていた
刀子自身確かに疲れてはいたが、死ぬほどではないし頑張れないほどでもない
それなのに危険を冒して魔法を使った横島に、刀子は言葉にならない感情が込み上げて来る
「お待たせしました。 あんまり時間がなかったんで手軽な物になっちゃいましたけど……」
ハーブティーに続いて横島が持って来たのは普通の和食だった
ご飯・みそ汁・厚焼き卵・焼き魚・お浸しと言った普通の日常的なご飯だったが、無論これらも魔法料理である
特別変わった味ではないが一つ一つが身体に染み込んで行くようなその味は、味わった者でなければ理解出来ないだろう
あの刀子が余計な悩みなど忘れて料理を食べてしまったことからも分かるが、その腕はかつて横島が身を持って体験した魔鈴の技術そのものだった
流石に今回は浄化の魔法など使ってないが、疲労回復とストレス解消を目的にした魔法料理の効果は凄まじかった
「ごちそうさま」
残さず食べ終わった頃、刀子の表情はイキイキとしており肌の艶もいつもの百二十パーセント増しである
先程まであった肉体と精神の両方の疲労がまるで消えたのだから、まさしく魔法の料理だろう
「後は睡眠さえしっかりとれば大丈夫っすよ。 今日は一杯だけで帰って下さいね」
その魔法料理の効果に呆然としていた刀子に、横島はホッとした表情を見せて一杯だけだと酒を出す
「なんてお礼を言ったらいいのかしらね」
酒を飲み始めるとようやく落ち着いた様子の刀子だが、その表情は今まで横島が見たことないほど柔らかい表情だった
そんな刀子の表情を見れば多くの男性が瞬時に恋に落ちるだろうが、あいにく本人は気付いてない
「気にしないで下さい。 俺が美人の笑顔がみたいだけっすから」
先程真剣な表情をした人物と同じとは思えないほど軽い口調と表情に戻ってしまった横島だが、相変わらず恥ずかしげもなく嘘のような本当のような台詞を堂々と口にする
そんな横島に刀子はクスクス笑ってしまい笑いが止まらなくなってしまう
「貴方って、もしかしてかなり損な人生送って来たのかしら?」
それは刀子の女の直感だった
魔法を晒すような危険を冒したのにも関わらず、何も求めない横島はあまりに損な性格なのだろうと感じている
刀子自身も心のどこかで横島が真剣に口説いてくれるのを期待していた部分もあるだけに、余計に横島の性格を理解してしまったようだ
「いや~、どうっすかね。 まあ人生が得したと思うほどモテなかったのは事実っすよ」
「貴方のモテないって意味、少し理解したわ。 今日のお礼は必ずするわね」
いつもと同じようにおちゃらける横島だったが、刀子は横島が見たことないほど大人の色気を醸し出していた
昔の自分なら迷わず飛び掛かっていただろうと感じた横島は、それを出来ない自分が少し残念だったりする
何はともあれ、その日はそれ以上何事もなく刀子は帰っていく
横島が再び厨房に消えると刀子は出されたハーブティーを一口飲むが、身体が活性化するような凄まじい効果を実感する
疲れやストレスなどで体調がイマイチだった身体が、まるで魔法で回復されるような強烈な癒しの効果を感じるのだ
(こんな魔法使えたのね。 それなのに私の為に危険を冒して……)
この時刀子は横島が予想以上の実力を隠してることに気付くが、それ以上に危険を承知で刀子に魔法のハーブティーを出したことに衝撃を受けていた
刀子自身確かに疲れてはいたが、死ぬほどではないし頑張れないほどでもない
それなのに危険を冒して魔法を使った横島に、刀子は言葉にならない感情が込み上げて来る
「お待たせしました。 あんまり時間がなかったんで手軽な物になっちゃいましたけど……」
ハーブティーに続いて横島が持って来たのは普通の和食だった
ご飯・みそ汁・厚焼き卵・焼き魚・お浸しと言った普通の日常的なご飯だったが、無論これらも魔法料理である
特別変わった味ではないが一つ一つが身体に染み込んで行くようなその味は、味わった者でなければ理解出来ないだろう
あの刀子が余計な悩みなど忘れて料理を食べてしまったことからも分かるが、その腕はかつて横島が身を持って体験した魔鈴の技術そのものだった
流石に今回は浄化の魔法など使ってないが、疲労回復とストレス解消を目的にした魔法料理の効果は凄まじかった
「ごちそうさま」
残さず食べ終わった頃、刀子の表情はイキイキとしており肌の艶もいつもの百二十パーセント増しである
先程まであった肉体と精神の両方の疲労がまるで消えたのだから、まさしく魔法の料理だろう
「後は睡眠さえしっかりとれば大丈夫っすよ。 今日は一杯だけで帰って下さいね」
その魔法料理の効果に呆然としていた刀子に、横島はホッとした表情を見せて一杯だけだと酒を出す
「なんてお礼を言ったらいいのかしらね」
酒を飲み始めるとようやく落ち着いた様子の刀子だが、その表情は今まで横島が見たことないほど柔らかい表情だった
そんな刀子の表情を見れば多くの男性が瞬時に恋に落ちるだろうが、あいにく本人は気付いてない
「気にしないで下さい。 俺が美人の笑顔がみたいだけっすから」
先程真剣な表情をした人物と同じとは思えないほど軽い口調と表情に戻ってしまった横島だが、相変わらず恥ずかしげもなく嘘のような本当のような台詞を堂々と口にする
そんな横島に刀子はクスクス笑ってしまい笑いが止まらなくなってしまう
「貴方って、もしかしてかなり損な人生送って来たのかしら?」
それは刀子の女の直感だった
魔法を晒すような危険を冒したのにも関わらず、何も求めない横島はあまりに損な性格なのだろうと感じている
刀子自身も心のどこかで横島が真剣に口説いてくれるのを期待していた部分もあるだけに、余計に横島の性格を理解してしまったようだ
「いや~、どうっすかね。 まあ人生が得したと思うほどモテなかったのは事実っすよ」
「貴方のモテないって意味、少し理解したわ。 今日のお礼は必ずするわね」
いつもと同じようにおちゃらける横島だったが、刀子は横島が見たことないほど大人の色気を醸し出していた
昔の自分なら迷わず飛び掛かっていただろうと感じた横島は、それを出来ない自分が少し残念だったりする
何はともあれ、その日はそれ以上何事もなく刀子は帰っていく