二年目の春・7
「教授もみんなも本当にありがとうネ。」
一方この日超鈴音と葉加瀬は一ヶ月の謹慎が明けて、大学部の関係者の元へお礼を言いに出向いていた。
二人の研究室はハニワ兵により未来関連の情報は消されていたが他は特に代わりはなく、学園に押収されていたパソコンなども戻ってきている。
「みんな待っておったぞ。 過ちは過ちとして認め反省したんじゃ。 これからはまた自由に研究するがいい。」
超と葉加瀬の弁護を主導したのは工学部最年長の教授で大学部における二人の身元保証をしたのも彼である。
魔法協会とは無関係だが工学部のみならず学園全体にもそれなりに影響力があるほどの人物で、彼自身も幾つかの研究で世界的に名が知れている人物だった。
元々学内の政治的な争いに加わるタイプではない根っからの研究者である教授だが、それ故に彼が若い可能性を潰すのは絶対にさせないと立ち上がった影響力は近右衛門をもってしても押さえられないほどであった。
「私達のせいで教授の名を汚してしまって本当に申し訳無いネ。」
この教授は超鈴音とかなり親交があったがそれでも研究一筋で生きてきたことに誇りを持っていた人物で、超はそんな人物に誇りに反するような自分達の尻拭いをさせて学園に意見を言うと言う行動を起こさせたことを心から申し訳なく思っている。
「学内には君が宇宙人ではと本気で語る学生がおってな。 なかなか興味深かった。 実際に君の有り余る知識がどうやって生み出されたから誰にもわからんからのう。 人は理解できぬモノを恐れるのだ。 じゃがなワシは君が宇宙人であろうがなかろうが構わんと思っている。」
深々と頭を下げた超と葉加瀬に教授は笑顔を見せながらも今回の騒動の核心の一端を二人に語り始めた。
表向きは不正アクセスや不明な資金の学内研究への投入など容疑は様々あるが、その根幹には超に対する恐れが原因ではと教授は見ていた。
過去のはっきりしない超のもたらす知識や技術に人々は期待すると同時に不信を抱き恐れもしたのが事実で、それが引いては近右衛門の予期せぬ大きな騒動ともなっている。
「知識や技術には善も悪もない。 ただ扱う人により善にも悪にもなるだけじゃ。 例え君が何者だろうとその知識と技術を人々の為にと願うならばワシはいくらでも力を貸そう。 ただし同じ過ちは二度はいかんぞ。」
ただ教授達の超鈴音擁護は近右衛門もまた何処かで望み期待したことでもあった。
しかし現実的に超達を庇い彼女達の研究の自由を守ったことで今後超達が何か問題を起こせば庇った教授達に責任が及ぶことも確かだし、下手をすればこれから先の学生達が自由に研究出来る環境すら脅かされる可能性もある。
今回二人を庇った最年長の教授もまた自身の積み重ねた信頼を担保に超と葉加瀬の自由を守ったのだが、親交がある彼からすると超鈴音が怪しいのは今更の話で何かしらの訳ありなのは承知の上でのことだった。
それでも彼は麻帆良にて学び研究したいという超鈴音を受け入れその未来の可能性を残してやる選択肢を選んでいる。
「この街でこの街のみんなと一からやり直すつもりで頑張るつもりネ。」
「うむ、頑張りたまえ。」
修学旅行から一ヶ月以上過ぎて超鈴音はすでに未来より目の前の現実と向き合う決意を、自身の為に教授生命すら賭けてくれた人物に感謝しながら改めて固めていた。
一方この日超鈴音と葉加瀬は一ヶ月の謹慎が明けて、大学部の関係者の元へお礼を言いに出向いていた。
二人の研究室はハニワ兵により未来関連の情報は消されていたが他は特に代わりはなく、学園に押収されていたパソコンなども戻ってきている。
「みんな待っておったぞ。 過ちは過ちとして認め反省したんじゃ。 これからはまた自由に研究するがいい。」
超と葉加瀬の弁護を主導したのは工学部最年長の教授で大学部における二人の身元保証をしたのも彼である。
魔法協会とは無関係だが工学部のみならず学園全体にもそれなりに影響力があるほどの人物で、彼自身も幾つかの研究で世界的に名が知れている人物だった。
元々学内の政治的な争いに加わるタイプではない根っからの研究者である教授だが、それ故に彼が若い可能性を潰すのは絶対にさせないと立ち上がった影響力は近右衛門をもってしても押さえられないほどであった。
「私達のせいで教授の名を汚してしまって本当に申し訳無いネ。」
この教授は超鈴音とかなり親交があったがそれでも研究一筋で生きてきたことに誇りを持っていた人物で、超はそんな人物に誇りに反するような自分達の尻拭いをさせて学園に意見を言うと言う行動を起こさせたことを心から申し訳なく思っている。
「学内には君が宇宙人ではと本気で語る学生がおってな。 なかなか興味深かった。 実際に君の有り余る知識がどうやって生み出されたから誰にもわからんからのう。 人は理解できぬモノを恐れるのだ。 じゃがなワシは君が宇宙人であろうがなかろうが構わんと思っている。」
深々と頭を下げた超と葉加瀬に教授は笑顔を見せながらも今回の騒動の核心の一端を二人に語り始めた。
表向きは不正アクセスや不明な資金の学内研究への投入など容疑は様々あるが、その根幹には超に対する恐れが原因ではと教授は見ていた。
過去のはっきりしない超のもたらす知識や技術に人々は期待すると同時に不信を抱き恐れもしたのが事実で、それが引いては近右衛門の予期せぬ大きな騒動ともなっている。
「知識や技術には善も悪もない。 ただ扱う人により善にも悪にもなるだけじゃ。 例え君が何者だろうとその知識と技術を人々の為にと願うならばワシはいくらでも力を貸そう。 ただし同じ過ちは二度はいかんぞ。」
ただ教授達の超鈴音擁護は近右衛門もまた何処かで望み期待したことでもあった。
しかし現実的に超達を庇い彼女達の研究の自由を守ったことで今後超達が何か問題を起こせば庇った教授達に責任が及ぶことも確かだし、下手をすればこれから先の学生達が自由に研究出来る環境すら脅かされる可能性もある。
今回二人を庇った最年長の教授もまた自身の積み重ねた信頼を担保に超と葉加瀬の自由を守ったのだが、親交がある彼からすると超鈴音が怪しいのは今更の話で何かしらの訳ありなのは承知の上でのことだった。
それでも彼は麻帆良にて学び研究したいという超鈴音を受け入れその未来の可能性を残してやる選択肢を選んでいる。
「この街でこの街のみんなと一からやり直すつもりで頑張るつもりネ。」
「うむ、頑張りたまえ。」
修学旅行から一ヶ月以上過ぎて超鈴音はすでに未来より目の前の現実と向き合う決意を、自身の為に教授生命すら賭けてくれた人物に感謝しながら改めて固めていた。