二年目の春・6

さて中間テストが終わると麻帆良の街は完全に麻帆良祭の季節となる。

大学部や一部のサークルなどは昨年の麻帆良祭が終わると準備を始めていたが、中等部や高等部など大多数はこの中間テストが終わると本格的に準備を始めることが通例であった。


「改めて言う必要はないかもしれないが怪我とかには気を付けてくれ。」

テストの結果発表の数日後には学園側から予算が少ないが降りていて、ホームルームにて本格的に麻帆良祭の準備を始めることが話し合われる。

ただ3ーAはすでに出し物が決まっていて一部の生徒が動いていることと、学園の施設や備品を使うわけではないので気楽であったが。

一般的に女子中等部なんかだと教室を使い何かするなら自由にやれるが、体育館やその他の施設に学園の備品は他のクラスとの調整が必要なので必ずしも希望が叶えられる訳ではない。


「ねえ、なんで報道部が来てるの?」

「麻帆良祭の取材らしいです。 私達一応昨年の優勝グループですし。」

なお明日菜を筆頭に3ーAの少女達がビックリしたのはこの日のホームルームに報道部の取材が来ていたことだろう。

昨年の優勝グループである少女達は注目度で言えば昨年の比ではなく、すでに始まっていた麻帆良祭の順位予想のトトカルチョは要注意グループとして注目されている。

流石に本命ではないものの去年と同じ雪広グループと超包子にマホラカフェという協力体制であることで、連覇も不可能ではないし上位入賞しうる可能性が高いグループとして見られていた。


「雪広グループとしてはこの手の取材はいい宣伝になりますからね。 幸いなことに横島さんも報道部だけは取材を受けてますし。」

去年の台風の目は今年どうなるのかと麻帆良祭に情熱を燃やす関係者は固唾を飲んで見守っているが、報道部を初めとして地元のローカルのマスコミや一部メジャーな雑誌など取材の依頼が結構来ていたりする。

マスコミ対応はあやかが雪広グループのバックアップを受けてしているが、意外と大変なのは過去の経験から横島がマスコミ嫌いなことであり報道部だけは嫌がらないのでこの日報道部が一番に取材に来ていた。

他は少女達だけの取材にして雪広グループのバックアップの元で負担にならない程度に受けるらしい。

ただ麻帆良学園自体が二十年前の魔法協会のごたごたの際に一部のマスコミが近右衛門叩きをした際に当時の学園及び生徒とOBを巻き込み全面戦争に発展した影響で、今も全国規模の新聞やテレビは腫れ物を触るように避けているので来てない。

しかしまあ麻帆良の中に限れば報道部を筆頭に麻帆良祭の雑誌やフリーペーパーなんかを作る者達は取材に来るようであった。


「みんな大人しいね。」

ちなみに報道部の取材が来てる影響で3ーAの少女達はあまり騒がず話が脱線することもなく比較的大人しかった。

猫を被るほどではないが流石にいつものばか騒ぎを外部に晒すのは恥ずかしいらしい。



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