二年目の春・6
さてのどかの快挙は中等部ばかりではなく放課後になると横島の店でも話題となり騒ぎになる。
彼女の努力を知る店の常連達はのどかを労い、共に喜びを分かち合うように喜んだ。
別に葉加瀬が嫌われている訳ではないが大学部に出入りする天才少女に努力で勝ったというのは、多くの少女達に勇気を与えたのは確かだろう。
それにあまり言葉として口にする者は居ないが、超と一緒に先月の修学旅行の時に問題行動が明るみになった際にあまりにも擁護する声が多かったことに未だに反発を覚えている者も少なからず存在することも影響していた。
正直超や葉加瀬と関わった大学生や教授などは二人をよく知る故に擁護したのだが、結果として同じ女子中等部のあまり二人をよく知らない者達には少なくない反発を買っていたのがのどかの快挙に沸く人々の裏側にある。
「本当よくやったなぁ。」
そして横島もまたのどかの快挙を手放して喜んでいた。
当然ながら成績も上がれば上がるほどより成績を上げるのが難しくなるのは考えるまでもなく、努力というならみんな多かれ少なかれしているのだから。
「横島さんとみんなのおかげです。」
「いや、テストはのどかちゃんの努力の成果だ。 勉強はみんなに教えてたしな。 可能性で言えば誰にでもあったことだからな。」
のどか本人は自分の努力というよりは横島や友人達に店の常連達のおかげだと素直な笑顔を見せるも、それは謙遜というよりはやはりかつての自分と比べてのことなのだろう。
実際努力という意味ではかつての自分とさほど変わった訳ではなく、一人で勉強をしていた頃と違い今は横島や店の常連達に教わったり教えたりながら結果を残せた故の言葉だった。
しかし横島は全てはのどかの努力の結果だと告げていて、身近な少女の快挙に喜びどころか尊敬すら感じている。
現状の横島は結局何処まで行っても自身の努力ではなく他人から借りた知識と経験で生きてるだけでしかない。
超鈴音の学力も普通に時間をかけて勉強したというよりは特殊な方法で記憶したという方が適切だろうし、横島もまた自身ではたいした努力はしてないのだから。
ただ横島もそんな自分がのどかの快挙の手助けになれたのは心底嬉しく喜んでいた。
「おいわいしなきゃ!」
一方タマモは未だにテストという物をイマイチ理解してないが、のどかが頑張って凄いことをしたというのは理解したらしくお祝いしなきゃと言い出すと明日菜や木乃香を巻き込みさっそく準備を始めることになる。
ほぼ毎回テストの発表の日には店で3ーAのクラスメートが集まりお祝いパーティをしていたこともあり、この日もお祝いしようと連絡をしてタマモと木乃香達はパーティの準備をしていく。
楽しいことはみんなで分かち合い、凄いことをした時にはパーティでお祝いをするのがタマモの日常だった。
「お祝いか。 よしご褒美でもあげようか。 何がいい?」
「ご褒美だなんて……そんな。 私は今のままみんなで一緒に居られたらそれでいいです。」
まるで我がことのように喜びお祝いをするんだと張り切るタマモの姿に店内は笑顔が絶えなく続き、横島はまた気紛れでのどかにご褒美をと言い出すものどかの答えは謙虚でありながら確かな自己主張がされていた。
今のままみんなで。
それはのどかの強い想いであると同時に願いでもある。
十二時を迎えたシンデレラのようにいつかこの夢のような日々も終わるかもしれない。
でもシンデレラが残したガラスの靴から王子様がシンデレラを探し当てたように自分達もずっと一緒に。
そんな想いと願いが重なった一言だった。
彼女の努力を知る店の常連達はのどかを労い、共に喜びを分かち合うように喜んだ。
別に葉加瀬が嫌われている訳ではないが大学部に出入りする天才少女に努力で勝ったというのは、多くの少女達に勇気を与えたのは確かだろう。
それにあまり言葉として口にする者は居ないが、超と一緒に先月の修学旅行の時に問題行動が明るみになった際にあまりにも擁護する声が多かったことに未だに反発を覚えている者も少なからず存在することも影響していた。
正直超や葉加瀬と関わった大学生や教授などは二人をよく知る故に擁護したのだが、結果として同じ女子中等部のあまり二人をよく知らない者達には少なくない反発を買っていたのがのどかの快挙に沸く人々の裏側にある。
「本当よくやったなぁ。」
そして横島もまたのどかの快挙を手放して喜んでいた。
当然ながら成績も上がれば上がるほどより成績を上げるのが難しくなるのは考えるまでもなく、努力というならみんな多かれ少なかれしているのだから。
「横島さんとみんなのおかげです。」
「いや、テストはのどかちゃんの努力の成果だ。 勉強はみんなに教えてたしな。 可能性で言えば誰にでもあったことだからな。」
のどか本人は自分の努力というよりは横島や友人達に店の常連達のおかげだと素直な笑顔を見せるも、それは謙遜というよりはやはりかつての自分と比べてのことなのだろう。
実際努力という意味ではかつての自分とさほど変わった訳ではなく、一人で勉強をしていた頃と違い今は横島や店の常連達に教わったり教えたりながら結果を残せた故の言葉だった。
しかし横島は全てはのどかの努力の結果だと告げていて、身近な少女の快挙に喜びどころか尊敬すら感じている。
現状の横島は結局何処まで行っても自身の努力ではなく他人から借りた知識と経験で生きてるだけでしかない。
超鈴音の学力も普通に時間をかけて勉強したというよりは特殊な方法で記憶したという方が適切だろうし、横島もまた自身ではたいした努力はしてないのだから。
ただ横島もそんな自分がのどかの快挙の手助けになれたのは心底嬉しく喜んでいた。
「おいわいしなきゃ!」
一方タマモは未だにテストという物をイマイチ理解してないが、のどかが頑張って凄いことをしたというのは理解したらしくお祝いしなきゃと言い出すと明日菜や木乃香を巻き込みさっそく準備を始めることになる。
ほぼ毎回テストの発表の日には店で3ーAのクラスメートが集まりお祝いパーティをしていたこともあり、この日もお祝いしようと連絡をしてタマモと木乃香達はパーティの準備をしていく。
楽しいことはみんなで分かち合い、凄いことをした時にはパーティでお祝いをするのがタマモの日常だった。
「お祝いか。 よしご褒美でもあげようか。 何がいい?」
「ご褒美だなんて……そんな。 私は今のままみんなで一緒に居られたらそれでいいです。」
まるで我がことのように喜びお祝いをするんだと張り切るタマモの姿に店内は笑顔が絶えなく続き、横島はまた気紛れでのどかにご褒美をと言い出すものどかの答えは謙虚でありながら確かな自己主張がされていた。
今のままみんなで。
それはのどかの強い想いであると同時に願いでもある。
十二時を迎えたシンデレラのようにいつかこの夢のような日々も終わるかもしれない。
でもシンデレラが残したガラスの靴から王子様がシンデレラを探し当てたように自分達もずっと一緒に。
そんな想いと願いが重なった一言だった。