二年目の春・6
「みんな頑張るわ~。」
一方横島がテスト対策の山かけリストを配りつつ勉強を教える側に回ってることで、店の仕事のほとんどは木乃香と夕映とさよで行われている。
正直あまり売り上げに貢献しないテスト勉強組が多いことで木乃香達も余裕があり、木乃香は練習兼ねてケーキを焼いてみたりしながら勉強する友人や常連達を眺めていた。
いつの間にか当たり前となった光景に思わず笑みを浮かべる木乃香であるが、客観的に見てお世辞にも勉強効率が良くないことも木乃香の笑みの理由の一つだろう。
横島の性格からかどちらかと言えばあまり勉強が得意でない常連が集まる傾向があるので結構店内は賑やかなのだ。
テスト前のピリピリとした雰囲気もなく和気あいあいと勉強をする常連達をに合わない人は合わなく、同じ常連でもテスト予想の山かけだけを貰って帰る人も少なくない。
「やれやれです。」
そんな木乃香と対称的に夕映は仕事の合間に横島のパソコンに送られてきた麻帆良カレーや納涼祭関連の情報に目を通している。
麻帆良カレー実行委員会は週に二日ほどしか顔を出せない夕映やのどかには電子メールで実行委員会の情報が届き、納涼祭関連のやり取りも同じく電子メールによるやり取りが多い。
まあ例によってほとんどは決定事項の報告でしかないが時々横島や夕映達の意見を求める電子メールもあるので、こちらは毎日夕映かのどかが確認して二人で情報の共有をしてうっかり忘れたなんてことないようにしていた。
当初は横島にも目を通して欲しいと頼んだが現在に至っても気が向いたら流し読みする程度なので夕映達が確認する必要がある。
「どうしたん?」
「納涼祭に参加する商店街との打ち合わせには一度は横島さんにも出て貰わねばダメなようなのです。」
この日も電子メールを確認していた夕映は少し疲れたようにため息をつくと、コルクボードの掲示板の予定を確認したりあやかと連絡を取ったりしながら納涼祭の実行委員会から頼まれた横島が参加する打ち合わせの日時を検討していく。
無論本人にもきちんと確認と了承は取るが面倒だと拒否されても困るので、上手く横島を行かせる方向へ導かねばならない。
横島という男は相手が女性ならば割と親身に今してるように勉強を教えたり相談に乗ったりするが、どちらかと言えばオッサン相手の会議や打ち合わせは好きではないので反応が今一つ悪いのだ。
「横島さん行って役に立つん?」
「先方が会いたがってるようなのです。 学園長先生や雪広会長達と親しいとすでに知られてますが、横島さん雪広家のパーティにしか顔を出しませんから。」
大人なので嫌だと駄々を捏ねるまではしないが任せるよの一言で誰かに丸投げしたがる。
ただ麻帆良においてすでに知名度があり影響力もあるのではと見られ始めてる横島に会いたいという人間は少なからず居た。
半分は値踏みしたいだけだが近右衛門達麻帆良の中心人物と親しく木乃香達との仲も噂されてる状況では、よほどの馬鹿でない限りは今のうちから繋がりを持ちたいという人は当然存在する。
「納涼祭への参加はもしかすれば横島さんとの繋がりを持つためという理由もあるのかもしれません。」
「そこまでするん?」
「木乃香との仲はすでに有名ですし雪広会長が後見してることを考慮するとそのくらいは考えても不思議ではないかと。」
まあそれでも横島の後見人が麻帆良の御三家と言われる近衛家と雪広家と那波家なので実際に行動に移すまでする者は多くないが、夕映は突然の納涼祭への商店街の参加の裏には商店街の側による横島との繋がりを持つためではと少し疑っていた。
木乃香はそこまでするのかと半信半疑であるが、別に納涼祭の参加は商店街にとって損ではないので横島の件はきっかけやついでである可能性が高い。
しかし大人がこの手の繋がりを得ることを重要視してるのをこの一年余りで知った夕映は、全く無関係ではないだろうと見ていた。
一方横島がテスト対策の山かけリストを配りつつ勉強を教える側に回ってることで、店の仕事のほとんどは木乃香と夕映とさよで行われている。
正直あまり売り上げに貢献しないテスト勉強組が多いことで木乃香達も余裕があり、木乃香は練習兼ねてケーキを焼いてみたりしながら勉強する友人や常連達を眺めていた。
いつの間にか当たり前となった光景に思わず笑みを浮かべる木乃香であるが、客観的に見てお世辞にも勉強効率が良くないことも木乃香の笑みの理由の一つだろう。
横島の性格からかどちらかと言えばあまり勉強が得意でない常連が集まる傾向があるので結構店内は賑やかなのだ。
テスト前のピリピリとした雰囲気もなく和気あいあいと勉強をする常連達をに合わない人は合わなく、同じ常連でもテスト予想の山かけだけを貰って帰る人も少なくない。
「やれやれです。」
そんな木乃香と対称的に夕映は仕事の合間に横島のパソコンに送られてきた麻帆良カレーや納涼祭関連の情報に目を通している。
麻帆良カレー実行委員会は週に二日ほどしか顔を出せない夕映やのどかには電子メールで実行委員会の情報が届き、納涼祭関連のやり取りも同じく電子メールによるやり取りが多い。
まあ例によってほとんどは決定事項の報告でしかないが時々横島や夕映達の意見を求める電子メールもあるので、こちらは毎日夕映かのどかが確認して二人で情報の共有をしてうっかり忘れたなんてことないようにしていた。
当初は横島にも目を通して欲しいと頼んだが現在に至っても気が向いたら流し読みする程度なので夕映達が確認する必要がある。
「どうしたん?」
「納涼祭に参加する商店街との打ち合わせには一度は横島さんにも出て貰わねばダメなようなのです。」
この日も電子メールを確認していた夕映は少し疲れたようにため息をつくと、コルクボードの掲示板の予定を確認したりあやかと連絡を取ったりしながら納涼祭の実行委員会から頼まれた横島が参加する打ち合わせの日時を検討していく。
無論本人にもきちんと確認と了承は取るが面倒だと拒否されても困るので、上手く横島を行かせる方向へ導かねばならない。
横島という男は相手が女性ならば割と親身に今してるように勉強を教えたり相談に乗ったりするが、どちらかと言えばオッサン相手の会議や打ち合わせは好きではないので反応が今一つ悪いのだ。
「横島さん行って役に立つん?」
「先方が会いたがってるようなのです。 学園長先生や雪広会長達と親しいとすでに知られてますが、横島さん雪広家のパーティにしか顔を出しませんから。」
大人なので嫌だと駄々を捏ねるまではしないが任せるよの一言で誰かに丸投げしたがる。
ただ麻帆良においてすでに知名度があり影響力もあるのではと見られ始めてる横島に会いたいという人間は少なからず居た。
半分は値踏みしたいだけだが近右衛門達麻帆良の中心人物と親しく木乃香達との仲も噂されてる状況では、よほどの馬鹿でない限りは今のうちから繋がりを持ちたいという人は当然存在する。
「納涼祭への参加はもしかすれば横島さんとの繋がりを持つためという理由もあるのかもしれません。」
「そこまでするん?」
「木乃香との仲はすでに有名ですし雪広会長が後見してることを考慮するとそのくらいは考えても不思議ではないかと。」
まあそれでも横島の後見人が麻帆良の御三家と言われる近衛家と雪広家と那波家なので実際に行動に移すまでする者は多くないが、夕映は突然の納涼祭への商店街の参加の裏には商店街の側による横島との繋がりを持つためではと少し疑っていた。
木乃香はそこまでするのかと半信半疑であるが、別に納涼祭の参加は商店街にとって損ではないので横島の件はきっかけやついでである可能性が高い。
しかし大人がこの手の繋がりを得ることを重要視してるのをこの一年余りで知った夕映は、全く無関係ではないだろうと見ていた。