二年目の春・6

「本当に元の時間に戻った!」

「あっ、だから携帯置いていったんや。」

その後夕食を異空間アジト内で食べた一行は麻帆良に戻ってきて解散となるが、麻帆良はまだ美砂の誕生日でありまき絵と亜子は改めて目を白黒させていたが時差調整が面倒なので店に置いて行った携帯を見て摩訶不思議な世界に行ったのだと改めて理解していた。


「その腕時型通信機はこの場に居るメンバー以外には内緒な。 基本的な使い方は携帯と大差ないなら分かると思う。 もし分からなきゃハニワ兵がナビゲートするようにしたから。」

なおまき絵と亜子にも腕時計型通信機が渡されて本人達は魔法のアイテムだと喜んでいたが、なお今回はついでという訳ではないが他の少女達からの使い勝手や感想から全員の腕時計型通信機のバージョンアップもしている。

具体的には茶々丸シリーズから得た人工知能技術を追加搭載していて、若干可愛らしくデフォルメされたハニワ兵のナビゲートキャラによる使い方のサポート機能を加えていた。

横島としては使い方は簡単だろうと考えていて事実最低限の機能はみんなそれなりに使いこなしていたが、無駄に高性能で多機能な物にしたので今一つ使いこなせてなかった少女が多かったことから改良した物になる。

ちなみにデフォルメされたハニワ兵はシステム上必要なのでしゃべることが出来るが語尾は何故か『ぽー』とつく。


「スゲー、アニメみたいだ!」

「ねえ、魔法は増やしてないの?」

「アナスタシアからリクエストあったから大人組には魔法増やしたぞ。 危ないから未成年には攻撃魔法は入れてないけど。」

まき絵と亜子はお世辞にも機械類が得意ではないようで特に亜子は苦手らしいが、音声認識によるハニワ兵のナビゲートならばなんとか使いこなせるらしい。

一応本人は声に出さずに頭の中で暗唱するだけでいいのだがそこはやはりまだ使いこなせないようだが。

ただ今回のバージョンアップでは大人組だけは魔法プログラムの種類を増やしてもいた。


「……断罪の剣って、超高難易度の魔法よ。」

「その辺はアナスタシアの協力でプログラム化したんっすよ。 対接近戦の切り札らしいんでついでに刀子さんと高畑先生と学園長先生と詠春さんには加えときました。 ただ人に使えば洒落にならない威力なんで注意して下さい。」

西洋魔法による魔法の矢を各種とエヴァの対接近戦の切り札である断罪の剣の魔法を増やしたのだが未成年にはまだ自力での魔法の練習に励んでもらいたいとの考えもあり追加はなく、大人組には増やしたのだが断罪の剣だけは素人には危なすぎて魔法プログラムを使ってもダメだということになりエヴァとチャチャゼロと茶々丸の他には高畑・刀子・近右衛門・詠春に限定して加えていたが。

茶々丸に関しては横島も少し悩んだが本人が最低限の自衛の手段を欲したのとプログラムでほぼ攻撃手段を制御出来るので安全だと判断している。

ただ西洋魔法では初歩魔法の一つである武装解除については横島が最初から入れている横島オリジナル魔法となる絶対防御があり必要性があまりないので入れてない。

武装解除はいわゆる脱衣魔法と影で囁かれてる魔法で辱しめを与える割には、一定以上の実力者には通用しないという使い勝手の微妙な魔法の一つになる。

未成年に与えるには微妙な魔法であり大人組で戦える人はほぼ自力で使える魔法なのでわざわざプログラム化する意味合いがなかったらしい。

魔法の矢は応用範囲が広いのでエヴァの助言によりプログラム化したが。


「アナスタシアさん、毎日遊んでるだけじゃなかったんだ。」

「貴様ら……」

なおアナスタシアが多少でも働いていたと聞いた少女達は一応に驚き、流石にアナスタシアも軽く怒りの表情を見せるも少女達からすると毎日店で遊んでるようにしか見えなかったので当然だろう。

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