二年目の春・6

「海だー!!」

翌日は昨日行けなかった泳ぎに行きたいにとのことでいつもの海水浴場に来ていた。

別荘の前の砂浜もいいのだがビーチパラソルやビーチチェアなどなく、安全も必ずしも確認されてないので結局いつもの場所に来ることになったのだ。

季節的にもこちらも暑くなって来たからか前回と比べると少し海に来ているハニワ兵の数は増えているも、日本の海水浴場のように混雑してる訳ではない。


「凄い綺麗な海だね!」

「ほんまや。」

すっかり異空間アジトに来ることに慣れた女性陣は各々で好きに過ごしていて、アナスタシア・刀子・さやか・あやか・千鶴と高畑などはまるでスタイルの良さを見せつける外国人のようにビーチチェアで寛いでいる。

その一方で他の少女達と横島は海に駆けていきさっそく泳いだりして楽しむ中、まき絵と亜子は海の透明度や綺麗さが日本の海とは全く違うことに驚きここが地球じゃないんだなと改めて感じていた。


「マスター、足がつっちゃった。」

「大丈夫か? だから準備運動をしろと……。」

「うそよ♪」

そんなまき絵と亜子が景色に見とれる最中、二人の前では美砂が足がつったと言い横島がすぐに助けに行くも美砂は横島に抱きつくと即嘘だと暴露してそのまま横島を誘惑するようように密着する。


「そういう冗談はあかん。 それにくっつきすぎだ。 水着でくっつくんじゃない!」

「気にしないで、いつものお礼だから。」

「俺が気にするわい! 爽やかなイメージが壊れるだろうが!」

なんというかバカップルがいちゃつくような光景を突如繰り広げる横島と美砂に少女達はすっかり慣れているからか笑って見ているものの、横島は形ばかりの抵抗をするがそれが本心から嫌がってないのは誰の目から見ても明らかだった。


「私も足がつっちゅった!」

「あっ、私も!」

「あんた達ね……。」

そして美砂の手口にこれは使えると判断したのか桜子にまき絵と何故かハルナまで足がつったと主張してニヤニヤと意味ありげな笑みを見せるが、流石に二番煎じは横島に通用しないし円や明日菜や木乃香達にその嘘はダメだと止められる。

半分はノリでやってるのだろうがここには見知らぬ他人が居ないので少女達を少し大胆にさせてるのかもしれない。


「全くこれじゃ俺が女の子を侍らせてるみたいじゃないか。 せっかく麻帆良じゃ爽やかなイメージでやってんのに。」

ただ足がつったとの嘘は止めても結局何だかんだと横島に抱きつく桜子とまき絵に横島は自分のイメージを本気で心配していた。

まき絵達が加わったことで抱きつくメンバーがまた増えたのは横島にとってちょっと悩みの種だった。

一方の少女達の方は時々横島が気にする爽やかなイメージというのはいったいどんなイメージなんだろうと素朴な疑問を感じることになる。

半ば冗談だと周りは受けとるが本人は本気であり、しかも横島に爽やかなイメージを抱く人は恐らく居ないのは言わずと知れたことだろう。

少女達が周りを固めてることもあり爽やかなイメージというよりは女ったらしのイメージの方が確実に上なのだ。

加えて少女達が共通するのはこれだけ集まってるのにまだ女にモテたいのかという呆れたような疑問だった。



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