二年目の春・6
「はい、タマちゃん。 アーン。」
誕生パーティー故に日頃の夕食よりゆっくりとした食事も終盤に差し掛かるとプレゼントを渡したりしつつケーキの出番となる。
美砂の好みに合わせてイチゴのレアチーズケーキをこの日は用意していたが、口の中で溶けるほどの柔らかさにチーズのまろやかな味わいとイチゴの甘さや酸味が加わり絶妙な一品であった。
桜子やまき絵なんかはちょっと食べ過ぎてお腹がいっぱいだったらしいが、デザートは別腹だと当然のようにケーキを味わっている。
「やっぱりタマちゃんはいいわね。 一家に一台ほしいわ。」
さて本日の主役である美砂であるが、彼女は先程プレゼントを持ってきたタマモを捕まえて膝の上に乗せて一緒にケーキを食べていた。
横島の店の客やご近所でも純粋に好意と笑顔を見せてくれるタマモに癒され魅了される人は多く、一部ではタマモを抱っこするといいことがあるという噂まで最近は広がりつつある。
美味しそうにケーキを頬張りモグモグと食べるタマモの口元を拭いてあげる美砂は自分もケーキを頬張ると幸せというものを改めて実感していく。
「ねえねえ、そう言えばさ。 新体操部の後輩が空飛ぶ人見たんだって! なんかホウキみたいなのに乗った学生だったんだってよ!」
「ホンマに? その手の話って時々あるけど……。」
そんな幸せな雰囲気に包まれていた一同であったがまき絵がふと思い出したかのように今日の部活中に騒いでいた話題を話し出すと、亜子とタマモを除く他のメンバーは密かに表情が固まる。
麻帆良では時々ホウキで空飛ぶ人を見たとか魔法を見たとかの噂が時々あるのだが、ほとんどはUFOや幽霊と同じで信じられてない。
魔法協会では基本的に不要な魔法による飛行はしないで欲しいと通達を出していて飛ぶ時も認識阻害の魔法やマジックアイテムを使うなど対策をするようにといってるのだが、遅刻しそうになったり面倒だからと魔法で飛んで移動する学生はよくあることだった。
見られる原因は様々で認識阻害の魔法が効きにくい人や認識阻害の魔法を使うのを忘れるなど様々だが、多くは噂として流されごく一部写真など撮られた場合は魔法協会の秘匿情報管理部が対処している。
「本当みたいだよ。 携帯で撮った写真見たもん。 顔は写ってなかったけど。 はっきり写ってたよ。」
突然魔法の話を始めたまき絵に刀子や高畑はどうしようかと悩むが、厄介なことに情報源の新体操部員は携帯で撮影してしまっていた。
「魔法か~。 ホンマにあったら使ってみたいわ。」
「うん、胸をこうバーンと大きくしたい!」
とりあえず高畑は刀子と顔を見合せタバコを吸いにいくふりをして席を外して魔法協会に電話で報告する。
すでに魔法協会の側で情報を掴んでればいいが下手に写真が広がり騒ぎになるのはまずいので最低限対処は必要だった。
「魔法で胸を大きくしたいんか?」
一方まき絵と亜子は何故か魔法の話を膨らませていて魔法でやりたいことを言い出していたが、他の少女達や刀子なんかはこの二人をどうするべきか互いに視線を送り腕時計型通信機の通話の機能のうち念話モードで急遽話し合いを始める。
いっそこの機会に教えてしまった方がいいのではという意見もあるし、まだ時期尚早で特にまき絵が秘密を守れるのか不安視する声もあった。
そんな少女達と対称的に横島はまき絵と亜子の話に加わっていたが、魔法で豊胸したいというとんでもないことを言い出したまき絵に笑いながらも少し興味ありげに食いついていた。
誕生パーティー故に日頃の夕食よりゆっくりとした食事も終盤に差し掛かるとプレゼントを渡したりしつつケーキの出番となる。
美砂の好みに合わせてイチゴのレアチーズケーキをこの日は用意していたが、口の中で溶けるほどの柔らかさにチーズのまろやかな味わいとイチゴの甘さや酸味が加わり絶妙な一品であった。
桜子やまき絵なんかはちょっと食べ過ぎてお腹がいっぱいだったらしいが、デザートは別腹だと当然のようにケーキを味わっている。
「やっぱりタマちゃんはいいわね。 一家に一台ほしいわ。」
さて本日の主役である美砂であるが、彼女は先程プレゼントを持ってきたタマモを捕まえて膝の上に乗せて一緒にケーキを食べていた。
横島の店の客やご近所でも純粋に好意と笑顔を見せてくれるタマモに癒され魅了される人は多く、一部ではタマモを抱っこするといいことがあるという噂まで最近は広がりつつある。
美味しそうにケーキを頬張りモグモグと食べるタマモの口元を拭いてあげる美砂は自分もケーキを頬張ると幸せというものを改めて実感していく。
「ねえねえ、そう言えばさ。 新体操部の後輩が空飛ぶ人見たんだって! なんかホウキみたいなのに乗った学生だったんだってよ!」
「ホンマに? その手の話って時々あるけど……。」
そんな幸せな雰囲気に包まれていた一同であったがまき絵がふと思い出したかのように今日の部活中に騒いでいた話題を話し出すと、亜子とタマモを除く他のメンバーは密かに表情が固まる。
麻帆良では時々ホウキで空飛ぶ人を見たとか魔法を見たとかの噂が時々あるのだが、ほとんどはUFOや幽霊と同じで信じられてない。
魔法協会では基本的に不要な魔法による飛行はしないで欲しいと通達を出していて飛ぶ時も認識阻害の魔法やマジックアイテムを使うなど対策をするようにといってるのだが、遅刻しそうになったり面倒だからと魔法で飛んで移動する学生はよくあることだった。
見られる原因は様々で認識阻害の魔法が効きにくい人や認識阻害の魔法を使うのを忘れるなど様々だが、多くは噂として流されごく一部写真など撮られた場合は魔法協会の秘匿情報管理部が対処している。
「本当みたいだよ。 携帯で撮った写真見たもん。 顔は写ってなかったけど。 はっきり写ってたよ。」
突然魔法の話を始めたまき絵に刀子や高畑はどうしようかと悩むが、厄介なことに情報源の新体操部員は携帯で撮影してしまっていた。
「魔法か~。 ホンマにあったら使ってみたいわ。」
「うん、胸をこうバーンと大きくしたい!」
とりあえず高畑は刀子と顔を見合せタバコを吸いにいくふりをして席を外して魔法協会に電話で報告する。
すでに魔法協会の側で情報を掴んでればいいが下手に写真が広がり騒ぎになるのはまずいので最低限対処は必要だった。
「魔法で胸を大きくしたいんか?」
一方まき絵と亜子は何故か魔法の話を膨らませていて魔法でやりたいことを言い出していたが、他の少女達や刀子なんかはこの二人をどうするべきか互いに視線を送り腕時計型通信機の通話の機能のうち念話モードで急遽話し合いを始める。
いっそこの機会に教えてしまった方がいいのではという意見もあるし、まだ時期尚早で特にまき絵が秘密を守れるのか不安視する声もあった。
そんな少女達と対称的に横島はまき絵と亜子の話に加わっていたが、魔法で豊胸したいというとんでもないことを言い出したまき絵に笑いながらも少し興味ありげに食いついていた。