二年目の春・6
「誰なんでしょうね?」
「全く分からないネ。」
同じ日現在謹慎中の超鈴音と葉加瀬は例によって学校が終わるとまっすぐ帰宅していたが、最近になりようやく研究をしない環境にに慣れつつある葉加瀬がふと昨日偶然会った初音と鈴江のことに対する疑問を口にした。
秘匿拠点の防衛と管理の為と離脱した茶々丸の代わりにと急遽組み立てた新型の試作ガイノイドが茶々丸の妹の双子だと噂になっていたことは少し前に小耳に挟んでいたが、昨日タマモとの散歩帰りの二体に帰宅途中だった二人は偶然出会っている。
「AIも茶々丸とはかなり違うみたいですし……。 恐らく茶々丸のAIを流用した物とは思いますが、修学旅行から半月もしないうちにAIを改良したなんて信じられません。」
「まさかこの年でお婆ちゃん呼ばわりされるとは思わなかったネ。」
茶々丸と違いだいぶ砕けた性格の初音と鈴江は元々自分達を造り出した超鈴音と葉加瀬を、エヴァがおかあさんで横島がお父さんならばお婆ちゃん達だと思ったらしく突然なんの説明もなくお婆ちゃん呼ばわりしていた。
どうも自宅ではチャチャゼロがエヴァをお母ちゃんと時々呼びからかってるらしく、口止めされてるのでエヴァや横島のことは言わないが同じ理屈から超鈴音と葉加瀬はお婆ちゃんだとの解答を導きだしたようだった。
しかも『おっはー』と一昔前の流行語をちょっとどや顔で使う二人はとてもシュールであり超鈴音でさえ思わず唖然としたものの、我に帰った超と葉加瀬は最近稼動したばかりのガイノイドとは思えぬボケまでかます洗練されたAIに驚愕している。
「この時代では解除に相当時間がかかるはずの超さんのプロテクトを解除した人も居ますし、茶々丸のメンテや新型ボディを使いこなしてる人も居ると。 麻帆良にそんな人達居るはずないんですけどね。」
結果として百年の技術のアドバンテージをあっさりと覆し自分達のモノにしている魔法協会に、葉加瀬はどうやればそんなことが出来るのか想像もつかないらしく悩み考えていた。
「可能性は幾つかあるが、どれも確証がないネ。」
一方の超鈴音はここに来て再び未来から自分以外の誰かがこの時代に来た可能性を考慮していたが、こちらはなかなか筋が通る推測すら出来てない。
未来の仲間ならば自分にコンタクトがあるはずだし、敵対勢力ならば自分を生かして自由にしてることが不自然になる。
現状ではっきりしてるのは超自身も随分と麻帆良の技術を底上げしたが、それだけでは説明がつかない数々の出来事が現実にはあったことだけだ。
「強気になるはずネ。」
ただここに来て近右衛門があまり自分達の技術をあてにしてなかった理由は悟っていて、少なくとも自分の技術を使いこなせるほどの人材が魔法協会の側に複数居るのだろうと結論付けている。
結局何がどうなってるのか分からなく超ですら魔法協会は不気味だとすら思うものの、それは近右衛門達からしても同じで未来から持ち込んだ歴史や資料から超鈴音が未来人だと推測は出来てもカシオペアが使えぬ以上証明は出来ないし不安や不気味さは近右衛門達の方が大きいと思うと文句も言えない。
「まあ私達にとって必ずしも悪いことではないネ。」
いろいろ気になる超であったが一方で自分達の技術の優位性が無くなれば逆にそれだけ自由になれる可能性が生まれるのも確かな訳で、葉加瀬の為にも近右衛門が予想以上に力や技術があるのは決して悪いことではないと前向きに捕らえていた。
「全く分からないネ。」
同じ日現在謹慎中の超鈴音と葉加瀬は例によって学校が終わるとまっすぐ帰宅していたが、最近になりようやく研究をしない環境にに慣れつつある葉加瀬がふと昨日偶然会った初音と鈴江のことに対する疑問を口にした。
秘匿拠点の防衛と管理の為と離脱した茶々丸の代わりにと急遽組み立てた新型の試作ガイノイドが茶々丸の妹の双子だと噂になっていたことは少し前に小耳に挟んでいたが、昨日タマモとの散歩帰りの二体に帰宅途中だった二人は偶然出会っている。
「AIも茶々丸とはかなり違うみたいですし……。 恐らく茶々丸のAIを流用した物とは思いますが、修学旅行から半月もしないうちにAIを改良したなんて信じられません。」
「まさかこの年でお婆ちゃん呼ばわりされるとは思わなかったネ。」
茶々丸と違いだいぶ砕けた性格の初音と鈴江は元々自分達を造り出した超鈴音と葉加瀬を、エヴァがおかあさんで横島がお父さんならばお婆ちゃん達だと思ったらしく突然なんの説明もなくお婆ちゃん呼ばわりしていた。
どうも自宅ではチャチャゼロがエヴァをお母ちゃんと時々呼びからかってるらしく、口止めされてるのでエヴァや横島のことは言わないが同じ理屈から超鈴音と葉加瀬はお婆ちゃんだとの解答を導きだしたようだった。
しかも『おっはー』と一昔前の流行語をちょっとどや顔で使う二人はとてもシュールであり超鈴音でさえ思わず唖然としたものの、我に帰った超と葉加瀬は最近稼動したばかりのガイノイドとは思えぬボケまでかます洗練されたAIに驚愕している。
「この時代では解除に相当時間がかかるはずの超さんのプロテクトを解除した人も居ますし、茶々丸のメンテや新型ボディを使いこなしてる人も居ると。 麻帆良にそんな人達居るはずないんですけどね。」
結果として百年の技術のアドバンテージをあっさりと覆し自分達のモノにしている魔法協会に、葉加瀬はどうやればそんなことが出来るのか想像もつかないらしく悩み考えていた。
「可能性は幾つかあるが、どれも確証がないネ。」
一方の超鈴音はここに来て再び未来から自分以外の誰かがこの時代に来た可能性を考慮していたが、こちらはなかなか筋が通る推測すら出来てない。
未来の仲間ならば自分にコンタクトがあるはずだし、敵対勢力ならば自分を生かして自由にしてることが不自然になる。
現状ではっきりしてるのは超自身も随分と麻帆良の技術を底上げしたが、それだけでは説明がつかない数々の出来事が現実にはあったことだけだ。
「強気になるはずネ。」
ただここに来て近右衛門があまり自分達の技術をあてにしてなかった理由は悟っていて、少なくとも自分の技術を使いこなせるほどの人材が魔法協会の側に複数居るのだろうと結論付けている。
結局何がどうなってるのか分からなく超ですら魔法協会は不気味だとすら思うものの、それは近右衛門達からしても同じで未来から持ち込んだ歴史や資料から超鈴音が未来人だと推測は出来てもカシオペアが使えぬ以上証明は出来ないし不安や不気味さは近右衛門達の方が大きいと思うと文句も言えない。
「まあ私達にとって必ずしも悪いことではないネ。」
いろいろ気になる超であったが一方で自分達の技術の優位性が無くなれば逆にそれだけ自由になれる可能性が生まれるのも確かな訳で、葉加瀬の為にも近右衛門が予想以上に力や技術があるのは決して悪いことではないと前向きに捕らえていた。