二年目の春・5
そして店に横島が戻ると占いやら相談事やら勉強やらいろいろ頼まれる上に店の仕事もあり忙しい時間を過ごす。
土日なので木乃香達が手伝ってくれるのでまだ余裕があるものの、横島としてはバイト以外の人は可能な限り手伝わせないようにしている。
彼女達はバイトがあっても無くても店に居ることが多いのであるが、やはり休日は休ませてやりたいとかつての自身の体験を元に考えていた。
まあ明日菜なんかは積極的に働きたいからと土日ほとんどバイトに入っていて丸一日休むのは異空間アジトに行く時くらいになっていたが、明日菜に言わせると暇な時は楽なので特に苦ではないらしい。
バイト中とはいえ暇ならタマモと遊んだり横島が勉強を教えたりしていることが原因だが、元々横島の美神事務所時代も事務所待機の時は似たようなものだったのでその影響だろう。
「今日も豪華やね。」
そんな土曜の午後も賑やかな時間が過ぎていき夕暮れの時間となる午後六時になるとこの日は早めに閉店していた。
のどかの誕生パーティをする為であるのでこの日は横島と木乃香と夕映で夕食の支度をしていて、のどかに関してはこの日はバイトも休みなので先程からはタマモに本の読み聞かせをしている。
「こういう日はパッとやらんとな。」
「このビーフシチュー美味しいのに店に出したことないですよね。」
「手間かかるし、それ安くてもそれなりの値段になっちまうからな。」
メインは横島の料理でも一二を争うほど人気の特製ビーフシチューであり数日前からこの日の為だけに煮込んでた。
夕映の誕生日の時に作って以来数回作っているがお客さんには未だに出してないメニューであり調理を手伝っている夕映は自慢の料理を店に出さない料理人も珍しいのではと思うが、現実問題として妥協を許さぬ料理なだけに原価程度にしても相応の値段になるのと作る手間がかかるので基本一人で営業してる横島の店では出せない料理となっている。
「のどか家族以外の人に誕生日祝ってもらうの初めてだと言ってましたよ。 私も初めてでしたが。」
他にはサーモンのカルパッチョや和牛のステーキなど豪華な料理を作っているが、夕映はふといつの間にか当たり前となりつつある誕生日のパーティについて感慨深げに語り始めていた。
あやかのように社交的な少女は自宅で誕生パーティを開いて友達を呼んだりなどするのだろうが、夕映やのどかは元々そんな社交的な少女ではなかったはずなのだ。
「みんなそのうち彼氏でも出来たらそっちと一緒に過ごすようになるかもしれんし、今のうちなんだよなぁ。」
人はこれほど変われるものなのだと夕映自身は思いもしなかったほどの変化であり感慨深いものがあったが、横島は何を思ったか少女達にもいずれ彼氏がと勝手に想像して勝手に落ち込み始める。
「彼氏なんか作りませんよ。」
「そうやな。 ウチも作らへんよ。」
「うう。 みんなに彼氏が出来るのは嫌だが幸せにはなって欲しいし……。」
また面倒くさいことが始まったと夕映は内心で思いつつも彼氏は作らないときちんと否定すると木乃香もそれに続いた。
自己評価が低い横島は時々ネガティブになることがあるが流すともっと面倒になるので少女達はやはりきちんと対応している。
ただこれでも一年前に比べたら成長した方で、一年前なんかだと笑って彼氏が出来ると言っていたことに比べれば最近はそれを素直に嫌がるようになったのは横島にしては成長だと少女達は見ていた。
ここで一言自分がと言ってくれればと二人は思わなくもないが、横島にそんなことを期待しても無駄なのは十分理解しているのでこのまま外堀から埋めて既成事実を積み上げるしかなかった。
土日なので木乃香達が手伝ってくれるのでまだ余裕があるものの、横島としてはバイト以外の人は可能な限り手伝わせないようにしている。
彼女達はバイトがあっても無くても店に居ることが多いのであるが、やはり休日は休ませてやりたいとかつての自身の体験を元に考えていた。
まあ明日菜なんかは積極的に働きたいからと土日ほとんどバイトに入っていて丸一日休むのは異空間アジトに行く時くらいになっていたが、明日菜に言わせると暇な時は楽なので特に苦ではないらしい。
バイト中とはいえ暇ならタマモと遊んだり横島が勉強を教えたりしていることが原因だが、元々横島の美神事務所時代も事務所待機の時は似たようなものだったのでその影響だろう。
「今日も豪華やね。」
そんな土曜の午後も賑やかな時間が過ぎていき夕暮れの時間となる午後六時になるとこの日は早めに閉店していた。
のどかの誕生パーティをする為であるのでこの日は横島と木乃香と夕映で夕食の支度をしていて、のどかに関してはこの日はバイトも休みなので先程からはタマモに本の読み聞かせをしている。
「こういう日はパッとやらんとな。」
「このビーフシチュー美味しいのに店に出したことないですよね。」
「手間かかるし、それ安くてもそれなりの値段になっちまうからな。」
メインは横島の料理でも一二を争うほど人気の特製ビーフシチューであり数日前からこの日の為だけに煮込んでた。
夕映の誕生日の時に作って以来数回作っているがお客さんには未だに出してないメニューであり調理を手伝っている夕映は自慢の料理を店に出さない料理人も珍しいのではと思うが、現実問題として妥協を許さぬ料理なだけに原価程度にしても相応の値段になるのと作る手間がかかるので基本一人で営業してる横島の店では出せない料理となっている。
「のどか家族以外の人に誕生日祝ってもらうの初めてだと言ってましたよ。 私も初めてでしたが。」
他にはサーモンのカルパッチョや和牛のステーキなど豪華な料理を作っているが、夕映はふといつの間にか当たり前となりつつある誕生日のパーティについて感慨深げに語り始めていた。
あやかのように社交的な少女は自宅で誕生パーティを開いて友達を呼んだりなどするのだろうが、夕映やのどかは元々そんな社交的な少女ではなかったはずなのだ。
「みんなそのうち彼氏でも出来たらそっちと一緒に過ごすようになるかもしれんし、今のうちなんだよなぁ。」
人はこれほど変われるものなのだと夕映自身は思いもしなかったほどの変化であり感慨深いものがあったが、横島は何を思ったか少女達にもいずれ彼氏がと勝手に想像して勝手に落ち込み始める。
「彼氏なんか作りませんよ。」
「そうやな。 ウチも作らへんよ。」
「うう。 みんなに彼氏が出来るのは嫌だが幸せにはなって欲しいし……。」
また面倒くさいことが始まったと夕映は内心で思いつつも彼氏は作らないときちんと否定すると木乃香もそれに続いた。
自己評価が低い横島は時々ネガティブになることがあるが流すともっと面倒になるので少女達はやはりきちんと対応している。
ただこれでも一年前に比べたら成長した方で、一年前なんかだと笑って彼氏が出来ると言っていたことに比べれば最近はそれを素直に嫌がるようになったのは横島にしては成長だと少女達は見ていた。
ここで一言自分がと言ってくれればと二人は思わなくもないが、横島にそんなことを期待しても無駄なのは十分理解しているのでこのまま外堀から埋めて既成事実を積み上げるしかなかった。