二年目の春・5
「おっ!? エビが美味しい!」
「食費あんなに安くてええの?」
さて今夜の夕食はエビチリをメインに中華で纏めている。
ここ最近毎日来てるまき絵はよほどお腹が空いていたのか満面の笑みを見せて食べているが、まき絵より常識人らしい亜子は最低限の食費は取ってるもののあまりの安さに流石に少し申し訳無さそうにしていた。
「それ芝エビじゃないからな。 冷凍のバナンエビっつう芝エビの代用品に使われてるエビだから安いんだよ。」
チリソースの赤とプリプリのエビに刺激的な香りは食欲をそそるが、この日のエビチリはよく中華料理店にある芝エビや車エビではなくバナンエビといういわゆる芝エビの代用として使われてるエビを使った格安料理なのである。
夕食は頼まれれば客にも出しているが基本的には賄いであり木乃香達の練習でもあるので、食材は本格的な物から冷凍の物までそれこそ様々な物を使用していた。
「へー、そんなエビがあるんや。」
「きちんと下処理して味付けに気を付ければ十分美味いんだよ。 市販のエビチリも安いのはこのバナンエビ使ってるやつ多いしな。 高級レストランなんかでも言わないで使ってるとこがあるくらいだ。」
この世界ではまだ食材偽装など問題になってないのであまり一般的には知られてないがコストや流通量の問題から普通に普及している食材になる。
バナンエビは味は芝エビに少々落ちるがプリプリの身は歯応えもよくエビチリなどの味が濃い炒め物にはよく合う。
「みんな育ち盛りだからな。 いっぱい食えよ。」
相変わらず週に一度は休肝日にされてる横島であるがこの日は違うようで、冷えたビールを片手に食材の裏話なんかをしながらエビチリなどの中華を食べていた。
かつてはどんな物でも食べられただけで良かった時代もある横島としては、必ずしも高級食材やブランド食材というだけでいいという訳ではない。
最近はめっきり食べる機会が減ったがインスタントラーメンなんかは未だに時々食べたくなるので、お昼にタマモと一緒に食べたりもしている。
「また子供扱いして!」
「え? いや別に子供扱いしてる訳じゃ……。」
今は昔と違い食べ物に不自由しなくなったが基本的に美味しい物をお腹いっぱい食べたいという心情が横島にはあり、加えて自分の料理を美味しいといっぱい食べてくれることに喜びを感じてもいた。
流石に自身は昔ほどがっついて食べることは無くなったが。
ただ育ち盛りという言葉がちょっと少女達の気に触ったようで美砂が不満を口にすると少女達の少し面白くないと言いたげな視線が横島に集まる。
「みんなどうしたの? 美味しいよ?」
まあハルナや円に夏美はそこまで横島に入れ込んでないので半ば他人事のように眺めているだけだし、今一つ事情を知らぬまき絵と亜子は少女達の不満げな理由が分からず首を傾げていたが。
ちなみに早熟な見た目や性格から子供扱いされるよりは年上に見られる千鶴でさえも、横島に子供扱いされることは恋愛の対象として見られてないような気がして微妙そうだったりする。
結局少女達のことは年相応に扱うべきなのだろうが、大人と子供の境界線とも言える少女達が満足出来るような扱いが出来るくらいならば横島の人生は今とは全く違うものになっていただろう。
ただ以前よりは横島も多少は学習したらしくあまりにあからさまな子供扱いは最近ようやくしなくなって来てはいるが。
横島としては少女達の成長を楽しみにしてる部分はあれど少女達が何故そこを気にするのか未だにほとんど理解してなかった。
「食費あんなに安くてええの?」
さて今夜の夕食はエビチリをメインに中華で纏めている。
ここ最近毎日来てるまき絵はよほどお腹が空いていたのか満面の笑みを見せて食べているが、まき絵より常識人らしい亜子は最低限の食費は取ってるもののあまりの安さに流石に少し申し訳無さそうにしていた。
「それ芝エビじゃないからな。 冷凍のバナンエビっつう芝エビの代用品に使われてるエビだから安いんだよ。」
チリソースの赤とプリプリのエビに刺激的な香りは食欲をそそるが、この日のエビチリはよく中華料理店にある芝エビや車エビではなくバナンエビといういわゆる芝エビの代用として使われてるエビを使った格安料理なのである。
夕食は頼まれれば客にも出しているが基本的には賄いであり木乃香達の練習でもあるので、食材は本格的な物から冷凍の物までそれこそ様々な物を使用していた。
「へー、そんなエビがあるんや。」
「きちんと下処理して味付けに気を付ければ十分美味いんだよ。 市販のエビチリも安いのはこのバナンエビ使ってるやつ多いしな。 高級レストランなんかでも言わないで使ってるとこがあるくらいだ。」
この世界ではまだ食材偽装など問題になってないのであまり一般的には知られてないがコストや流通量の問題から普通に普及している食材になる。
バナンエビは味は芝エビに少々落ちるがプリプリの身は歯応えもよくエビチリなどの味が濃い炒め物にはよく合う。
「みんな育ち盛りだからな。 いっぱい食えよ。」
相変わらず週に一度は休肝日にされてる横島であるがこの日は違うようで、冷えたビールを片手に食材の裏話なんかをしながらエビチリなどの中華を食べていた。
かつてはどんな物でも食べられただけで良かった時代もある横島としては、必ずしも高級食材やブランド食材というだけでいいという訳ではない。
最近はめっきり食べる機会が減ったがインスタントラーメンなんかは未だに時々食べたくなるので、お昼にタマモと一緒に食べたりもしている。
「また子供扱いして!」
「え? いや別に子供扱いしてる訳じゃ……。」
今は昔と違い食べ物に不自由しなくなったが基本的に美味しい物をお腹いっぱい食べたいという心情が横島にはあり、加えて自分の料理を美味しいといっぱい食べてくれることに喜びを感じてもいた。
流石に自身は昔ほどがっついて食べることは無くなったが。
ただ育ち盛りという言葉がちょっと少女達の気に触ったようで美砂が不満を口にすると少女達の少し面白くないと言いたげな視線が横島に集まる。
「みんなどうしたの? 美味しいよ?」
まあハルナや円に夏美はそこまで横島に入れ込んでないので半ば他人事のように眺めているだけだし、今一つ事情を知らぬまき絵と亜子は少女達の不満げな理由が分からず首を傾げていたが。
ちなみに早熟な見た目や性格から子供扱いされるよりは年上に見られる千鶴でさえも、横島に子供扱いされることは恋愛の対象として見られてないような気がして微妙そうだったりする。
結局少女達のことは年相応に扱うべきなのだろうが、大人と子供の境界線とも言える少女達が満足出来るような扱いが出来るくらいならば横島の人生は今とは全く違うものになっていただろう。
ただ以前よりは横島も多少は学習したらしくあまりにあからさまな子供扱いは最近ようやくしなくなって来てはいるが。
横島としては少女達の成長を楽しみにしてる部分はあれど少女達が何故そこを気にするのか未だにほとんど理解してなかった。