「男がみんな巨乳が好きだとは限らんよ。　グラマーな女が好きな男も居ればスレンダーな女が好きな男もいる。　それに性格とか趣味嗜好とかも重要だしな」

木乃香の問い掛けにその場にいた者の視線が一斉に横島に集まる

恋愛に憧れる年頃なだけに男の本音が知りたいのはみんな一緒らしい


「ふーん、それでマスターはどっちが好きなの？」

木乃香の疑問に一般的な意見で返した横島に、美砂はすかさず突っ込んで聞いていく

彼女達が知りたいのはそんな分かりきった一般論ではなく本音なのだ


「俺か？　俺の意見なんか聞いても参考にならんよ。　俺はどっちも好きだからな」

「じゃあこの中で誰の胸が一番好み！？」

美砂の追求に横島は大きさに関わらず胸が好きだと暴露するが、そこで桜子はより生々しい方で横島を追求する

美砂と桜子の二人はいつの間にか一般論より横島の好みが知りたいようだ


そんなちょっと過激な桜子の発言に夕映やのどかや亜子なんかは顔を赤らめてしまっているが、それでも止めようとはしてない

彼女達のようなタイプでも男の本音は気になるようだし、木乃香や夕映は美砂達と同じく横島の好みが気になるようだ


「誰がって言われともなー　俺がそれを答えるとセクハラにならんか？」

美砂と桜子の追求に横島はすっかり押されていた

横島としては女好きな事を隠すつもりはないが、流石に中学生相手にリアルに選ぶのは気が引ける

それに正直横島は巨乳も貧乳もどっちも好きだった



「えー、つまんない！！」

両方好きだと語る横島が答えをはぐらかしたと勘違いした桜子は不満げだが、対照的に木乃香や夕映やのどかは何故か少しだけホッとしてしまう

もし横島が巨乳好きだとか言い出したら、彼女達はショックだったのかもしれない

まあ彼女達の横島に対する感情が恋愛なのか親愛なのかは微妙なのだが、それでも自分が恋愛の対象外だと言われるようでショックなのである


「はいはい、その辺りにしときましょうね。　横島さんで遊んじゃダメよ」

どうも美砂と桜子が悪のりしてると感じた明日菜は流石に横島が可哀相になり止めに入るが、二人は割と本気で横島の好みが知りたいらしく不満顔だ


「遊んでなんかないよ。　純粋に知りたいだけなのに」

「それ知ってどうするのよ。　だいたい横島さんが巨乳好きなら間違いなく那波さんになっちゃうわよ」

明日菜が止めに入っても食い下がる桜子だったが、胸だけで選べば確実に千鶴が有利だと告げると桜子も反論が出来ない

結局彼女達の視線は羨ましそうに千鶴の胸に集まるが、千鶴本人は少し困り気味だった


「そんなに胸の大きさを気にせんでいいと思うがな～　だいたい胸の大小で女を選ぶ男なんてろくな奴いないぞ。　それにみんなは十分可愛いんだから、そんなに心配しなくてもいい出会いがあるよ」

予想以上に胸の大きさにこだわる彼女達に、あまり女心が分からない横島は多少不思議そうに自身の考えを告げる

実は横島には何人もの女性の記憶があるが、不思議とプライベートな記憶はほとんど思い出せなかった

魂のカケラを融合したとはいえ多少は本人の意思も残ってるのかもしれない