二年目の春・5
さてまき絵の選抜テストも無事に終わり穏やかな気候の午後になるとタマモはチャチャゼロと猫達と共にお散歩にゆく。
雨の日以外は毎日の日課になってるお散歩であるが猫達のメンバーは微妙に変わっていて、新顔としてはこの春に生まれた子猫なんかも最近はよく一緒に散歩に行っている。
もちろん桜子の飼い猫のビッケとクッキのように変わらぬメンバーも居るが。
「ちゃちゃまるさんこんにちは!」
ここしばらくはチャチャゼロがエヴァと共に午前中から横島宅に来ているのだが、散歩のコースは変わらずエヴァ宅を経由するコースを散歩していてタマモ達は裏の花壇で寛ぐ茶々丸と猫達に挨拶をする。
「みなさん、いらっしゃいませ。」
「うわ~、またあたらしいめがでたね!」
我が家のごとくエヴァ宅の裏庭で寛ぐ猫達を新たな散歩仲間加えつつ、タマモは最近の楽しみである花壇の植物の育ち具合に笑みを浮かべる。
平日は茶々丸が学校に通ってるため裏庭には猫達しか居ないがタマモは毎日花壇の花の芽の数を数えるのが習慣だった。
「ちゃちゃまるさんもいっしょにおさんぽいこう!」
そしてタマモは茶々丸を新たな散歩仲間に加えて再び散歩を再開する。
散歩コースには馴染みの人や動物が多く、顔を会わせると元気に挨拶をするタマモを先頭に猫達と茶々丸との楽しい散歩は続く。
「おう、タマちゃんに茶々丸さんじゃないか。 この前はありがとうよ。 そうだ。 貰い物で悪いが美味しいお菓子があるんだ。 持っていってくれ。」
ただ御近所の人気者であるタマモと茶々丸が一緒に散歩をしてるととにかく多くの人達に声をかけられる。
特に茶々丸は日頃から人助けをよくするほど優しい性格なのでお礼を言われたりおすそ分けを貰ったりと忙しい。
「なんかこげてるにおいがする。」
そんな楽しいお散歩であるが、突如タマモは歩みを止めるとクンクンと匂いを嗅ぐ仕草をして風に乗り流れていた微かな焦げ臭さを感じた。
「ドッカノ馬鹿ガ料理デモ焦ガシタンジャネエカ?」
「りょうりのにおいはしないよ。」
「探してみましょう。 火事ならば大変です。」
焦げ臭さはチャチャゼロでは感じぬほど微かなもので茶々丸のセンサーでも大規模な火事は周囲にはないが、万が一ということもあるので一行はお散歩を中断して焦げ臭さの原因を突き止めることにする。
「ここですか?」
「うん。」
そしてタマモの嗅覚を頼りに一行がたどり着いたのはごく普通の民家だった。
そこはタマモも茶々丸も知らぬ民家で全く面識がないのだが放置する訳にもいかずにそっと庭から家を覗いてみる。
「あっ、ひとがたおれてる!」
まさか火事はないだろうとチャチャゼロと茶々丸は思っていたが庭から覗いた家では五十代くらいの中年女性が倒れていて、その横ではかけっぱなしのアイロンで衣類が焦げているのが見えた。
「呼吸、心拍数共に微弱ながらありますが意識不明。 救急車を呼びましょう。」
流石に人が倒れてるとなるとただ事ではなくタマモ達はすぐに庭から家に入りアイロンを止めて、茶々丸は倒れてる人の様子を見るが幸いなことに呼吸や心拍数はあるらしい。
しかし幾つか気になる症状があることから茶々丸はすぐに救急車を呼ぶことにした。
雨の日以外は毎日の日課になってるお散歩であるが猫達のメンバーは微妙に変わっていて、新顔としてはこの春に生まれた子猫なんかも最近はよく一緒に散歩に行っている。
もちろん桜子の飼い猫のビッケとクッキのように変わらぬメンバーも居るが。
「ちゃちゃまるさんこんにちは!」
ここしばらくはチャチャゼロがエヴァと共に午前中から横島宅に来ているのだが、散歩のコースは変わらずエヴァ宅を経由するコースを散歩していてタマモ達は裏の花壇で寛ぐ茶々丸と猫達に挨拶をする。
「みなさん、いらっしゃいませ。」
「うわ~、またあたらしいめがでたね!」
我が家のごとくエヴァ宅の裏庭で寛ぐ猫達を新たな散歩仲間加えつつ、タマモは最近の楽しみである花壇の植物の育ち具合に笑みを浮かべる。
平日は茶々丸が学校に通ってるため裏庭には猫達しか居ないがタマモは毎日花壇の花の芽の数を数えるのが習慣だった。
「ちゃちゃまるさんもいっしょにおさんぽいこう!」
そしてタマモは茶々丸を新たな散歩仲間に加えて再び散歩を再開する。
散歩コースには馴染みの人や動物が多く、顔を会わせると元気に挨拶をするタマモを先頭に猫達と茶々丸との楽しい散歩は続く。
「おう、タマちゃんに茶々丸さんじゃないか。 この前はありがとうよ。 そうだ。 貰い物で悪いが美味しいお菓子があるんだ。 持っていってくれ。」
ただ御近所の人気者であるタマモと茶々丸が一緒に散歩をしてるととにかく多くの人達に声をかけられる。
特に茶々丸は日頃から人助けをよくするほど優しい性格なのでお礼を言われたりおすそ分けを貰ったりと忙しい。
「なんかこげてるにおいがする。」
そんな楽しいお散歩であるが、突如タマモは歩みを止めるとクンクンと匂いを嗅ぐ仕草をして風に乗り流れていた微かな焦げ臭さを感じた。
「ドッカノ馬鹿ガ料理デモ焦ガシタンジャネエカ?」
「りょうりのにおいはしないよ。」
「探してみましょう。 火事ならば大変です。」
焦げ臭さはチャチャゼロでは感じぬほど微かなもので茶々丸のセンサーでも大規模な火事は周囲にはないが、万が一ということもあるので一行はお散歩を中断して焦げ臭さの原因を突き止めることにする。
「ここですか?」
「うん。」
そしてタマモの嗅覚を頼りに一行がたどり着いたのはごく普通の民家だった。
そこはタマモも茶々丸も知らぬ民家で全く面識がないのだが放置する訳にもいかずにそっと庭から家を覗いてみる。
「あっ、ひとがたおれてる!」
まさか火事はないだろうとチャチャゼロと茶々丸は思っていたが庭から覗いた家では五十代くらいの中年女性が倒れていて、その横ではかけっぱなしのアイロンで衣類が焦げているのが見えた。
「呼吸、心拍数共に微弱ながらありますが意識不明。 救急車を呼びましょう。」
流石に人が倒れてるとなるとただ事ではなくタマモ達はすぐに庭から家に入りアイロンを止めて、茶々丸は倒れてる人の様子を見るが幸いなことに呼吸や心拍数はあるらしい。
しかし幾つか気になる症状があることから茶々丸はすぐに救急車を呼ぶことにした。