二年目の春・5
「タマちゃん、マスター、やったよ!」
アナスタシアと超鈴音の勝負が終わりしばらくすると今度はまき絵が学校から帰って来ていた。
店に入るなり喜びを隠せない様子で出迎えたタマモを抱き上げると、そのまま横島の元に歩みより選抜テストの結果を告げるがその表情から結果はすでにはっきりしていた。
「まきえちゃん、おめでとう!」
「二ノ宮先生がその調子で頑張んなさいだって。」
まき絵は選抜テストに合格して見事に夏の大会への出場を決めたらしい。
二ノ宮を困惑させたまき絵の成長であるが元々部内でも高い技術があったこともあり、その技術に磨きがかかったことが大きく総合力ではやはり他の部員より一歩抜きん出ている。
魅せる演技に関しては以前よりは僅かには成長したなと感じるが、二ノ宮としては相変わらず子供っぽさが気になるのは変わらない。
ただ女子中等部の部活はあくまでも生徒の育成が目的であり結果を求めてる訳ではない。
練習への熱心さや今後のことを踏まえて決められるのであり、一年の頃から誰よりも頑張っていたまき絵を三年になり大会から外すのは元々あまり考えてなかったという事情もある。
二ノ宮は大会はダメかもしれないとは言ったが出さないとは言ってなかったのだ。
従って特訓の成果に問わずよほどヘマをしない限りは大会への出場は出来たのだが、それを知らぬまき絵は特訓の成果だと喜びビデオ撮影を手伝ったタマモや指導をした横島に心から感謝して抱きついていた。
「分かったって。 分かったから女の子が簡単に抱きついたらあかん。」
「えー!? いいじゃん別に!」
結果として多少の勘違いがあったとはいえ特訓をして成果が出たことはまき絵の大きな自信となり今後の糧となるだろうが、精神的な成長をさせなかったことは地味に横島のダメージとなる。
桜子という前例があるので今更感もあるがまき絵もまた人前で抱き付いてきたことに横島は分りやすく動揺する。
尤も動揺なり驚いているのは横島くらいで常連の人々はまたかと言わんばかりに笑う程度だ。
横島本人認識はともかくとして気に入った子には甘く身近に置いているように見えるだけに、また一人犠牲者が出たかと笑いながら呟く女子高生なんかもいる。
「超君、どうかしたかい?」
「なんでもないネ。」
一方そんなまき絵とタマモに抱きつかれる横島を超鈴音は何とも言えない様子で見つめていた。
高畑はそんな超の表情を気にして声をかけるが超は何も語ることはなく、実際語るほどの考えはない。
歴史という結果から物事を見ていた超からすると横島は本当に何者なのだろうということは未だに思う時があるが、同時に本来ならばこれが普通なのだと今更ながらに感じている。
先のことは誰にも分からないのものなのだ。
ネギが弟子入りするはずだったエヴァはアナスタシアの名前で歴史にはない年配者と囲碁を打ち、ネギの教え子として魔法世界の事件に巻き込まれるはずのまき絵は魔法世界に行くことはないだろう。
自分のよく知る人々が自分の知らない歴史を紡ぎだしていることに超鈴音は不思議と不安や不満はなかった。
アナスタシアと超鈴音の勝負が終わりしばらくすると今度はまき絵が学校から帰って来ていた。
店に入るなり喜びを隠せない様子で出迎えたタマモを抱き上げると、そのまま横島の元に歩みより選抜テストの結果を告げるがその表情から結果はすでにはっきりしていた。
「まきえちゃん、おめでとう!」
「二ノ宮先生がその調子で頑張んなさいだって。」
まき絵は選抜テストに合格して見事に夏の大会への出場を決めたらしい。
二ノ宮を困惑させたまき絵の成長であるが元々部内でも高い技術があったこともあり、その技術に磨きがかかったことが大きく総合力ではやはり他の部員より一歩抜きん出ている。
魅せる演技に関しては以前よりは僅かには成長したなと感じるが、二ノ宮としては相変わらず子供っぽさが気になるのは変わらない。
ただ女子中等部の部活はあくまでも生徒の育成が目的であり結果を求めてる訳ではない。
練習への熱心さや今後のことを踏まえて決められるのであり、一年の頃から誰よりも頑張っていたまき絵を三年になり大会から外すのは元々あまり考えてなかったという事情もある。
二ノ宮は大会はダメかもしれないとは言ったが出さないとは言ってなかったのだ。
従って特訓の成果に問わずよほどヘマをしない限りは大会への出場は出来たのだが、それを知らぬまき絵は特訓の成果だと喜びビデオ撮影を手伝ったタマモや指導をした横島に心から感謝して抱きついていた。
「分かったって。 分かったから女の子が簡単に抱きついたらあかん。」
「えー!? いいじゃん別に!」
結果として多少の勘違いがあったとはいえ特訓をして成果が出たことはまき絵の大きな自信となり今後の糧となるだろうが、精神的な成長をさせなかったことは地味に横島のダメージとなる。
桜子という前例があるので今更感もあるがまき絵もまた人前で抱き付いてきたことに横島は分りやすく動揺する。
尤も動揺なり驚いているのは横島くらいで常連の人々はまたかと言わんばかりに笑う程度だ。
横島本人認識はともかくとして気に入った子には甘く身近に置いているように見えるだけに、また一人犠牲者が出たかと笑いながら呟く女子高生なんかもいる。
「超君、どうかしたかい?」
「なんでもないネ。」
一方そんなまき絵とタマモに抱きつかれる横島を超鈴音は何とも言えない様子で見つめていた。
高畑はそんな超の表情を気にして声をかけるが超は何も語ることはなく、実際語るほどの考えはない。
歴史という結果から物事を見ていた超からすると横島は本当に何者なのだろうということは未だに思う時があるが、同時に本来ならばこれが普通なのだと今更ながらに感じている。
先のことは誰にも分からないのものなのだ。
ネギが弟子入りするはずだったエヴァはアナスタシアの名前で歴史にはない年配者と囲碁を打ち、ネギの教え子として魔法世界の事件に巻き込まれるはずのまき絵は魔法世界に行くことはないだろう。
自分のよく知る人々が自分の知らない歴史を紡ぎだしていることに超鈴音は不思議と不安や不満はなかった。