二年目の春・5
「タマちゃん楽しかった?」
「うん! いろんなどうぶつさんにあえてたのしかった!」
その後一行は結局夕方近くまで動物園を楽しみ狐が居ないというちょっと残念なこともあったが、後は総じて楽しんで終わっていた。
せっかくだから少し東京で遊んで夕食を食べて帰ろうと一行はそのまま美砂達が日頃よく行く渋谷に向かう。
「やっぱ連休だし混んでるわね。」
「この辺はいつもこんなもんですよ。」
すでに日も傾き始めていたが渋谷は混雑していて流石に麻帆良とは違うと感じるも、先程までの上野とは雰囲気も人も違う場所だった。
一行も基本的に若い少女達が多いので見て歩く店なんかは若い少女向けの店が多く、横島や刀子に加えて刹那なんかは若干場違いかと感じるようである。
「うむ、なかなかいいな。」
ちなみに意外に美砂達が案内する店を楽しんでいたのはアナスタシアバージョンのエヴァであり、元々ファッションなんかも好きらしく積極的に店内の商品を見ていた。
「桜咲さんは見ないのか?」
「私は正直あまり……。」
「貴女はもう少し普通の生活を楽しむべきよ。 剣に生きるのを否定する気はないけど。」
結果として横島と刀子は店内をブラブラしていたが、同じく落ち着かない様子の刹那も着いて来ていて横島と刀子は気にしている。
自身の正体のことや木乃香との問題もあった刹那は神鳴流の修行をしつつひっそりと生きることしかしてこなかった故に、基本的に日常を楽しむようなことはほとんど経験がないらしい。
「神鳴流に限らず裏の人間には時々居るんだけど、裏の世界だけで生きた結果何かのきっかけで道を踏み外すなんてよくあるもの。」
「私もそうなると?」
「そうは言ってないわ。 ただ自分が幸せでない人が人を守ったり幸せにするなんて無理だと私は思うわ。」
最近はタマモや木乃香達に誘われて横島達と一緒に居る機会が増えてるので刹那にしては変わって来たと言えるが、それでもまだ一歩引いた態度であることは変わらない。
つい最近には超鈴音の一件もありいろいろ考えさせられることもあったせいか、刀子には超鈴音達と方向性や生き方はまるで違うが刹那も未だに狭い世界に閉じ籠ってるように見えることを危惧している。
実際神鳴流に限らず裏の人間には魔法や力に取り憑かれたように人の道を踏み外し、人生を狂わせていく人間は時々現れるのが現実だった。
「学園長先生や西の長が本心ではどう考えてるかは私も知らないわ。 ただお嬢様にしても貴女にしても私に任されてる以上はもっと広い世界を生きて欲しいの。」
突然人生を楽しめと語る刀子に未だに以前の堅物なイメージが残る刹那は戸惑いを隠せないが、刀子は刀子なりに少女達の将来を考えている。
東西双方の魔法協会を知りその苦労や問題もよく理解している刀子は、魔法や裏の世界に必要以上に傾倒するのは現時点では必要ないと思っていた。
かつての刀子とは違い少女達には自由に選べるだけの環境があるのだ。
それ故に刀子は刹那にも自分の人生を楽しむことを知って欲しいと本心から願っていた。
「うん! いろんなどうぶつさんにあえてたのしかった!」
その後一行は結局夕方近くまで動物園を楽しみ狐が居ないというちょっと残念なこともあったが、後は総じて楽しんで終わっていた。
せっかくだから少し東京で遊んで夕食を食べて帰ろうと一行はそのまま美砂達が日頃よく行く渋谷に向かう。
「やっぱ連休だし混んでるわね。」
「この辺はいつもこんなもんですよ。」
すでに日も傾き始めていたが渋谷は混雑していて流石に麻帆良とは違うと感じるも、先程までの上野とは雰囲気も人も違う場所だった。
一行も基本的に若い少女達が多いので見て歩く店なんかは若い少女向けの店が多く、横島や刀子に加えて刹那なんかは若干場違いかと感じるようである。
「うむ、なかなかいいな。」
ちなみに意外に美砂達が案内する店を楽しんでいたのはアナスタシアバージョンのエヴァであり、元々ファッションなんかも好きらしく積極的に店内の商品を見ていた。
「桜咲さんは見ないのか?」
「私は正直あまり……。」
「貴女はもう少し普通の生活を楽しむべきよ。 剣に生きるのを否定する気はないけど。」
結果として横島と刀子は店内をブラブラしていたが、同じく落ち着かない様子の刹那も着いて来ていて横島と刀子は気にしている。
自身の正体のことや木乃香との問題もあった刹那は神鳴流の修行をしつつひっそりと生きることしかしてこなかった故に、基本的に日常を楽しむようなことはほとんど経験がないらしい。
「神鳴流に限らず裏の人間には時々居るんだけど、裏の世界だけで生きた結果何かのきっかけで道を踏み外すなんてよくあるもの。」
「私もそうなると?」
「そうは言ってないわ。 ただ自分が幸せでない人が人を守ったり幸せにするなんて無理だと私は思うわ。」
最近はタマモや木乃香達に誘われて横島達と一緒に居る機会が増えてるので刹那にしては変わって来たと言えるが、それでもまだ一歩引いた態度であることは変わらない。
つい最近には超鈴音の一件もありいろいろ考えさせられることもあったせいか、刀子には超鈴音達と方向性や生き方はまるで違うが刹那も未だに狭い世界に閉じ籠ってるように見えることを危惧している。
実際神鳴流に限らず裏の人間には魔法や力に取り憑かれたように人の道を踏み外し、人生を狂わせていく人間は時々現れるのが現実だった。
「学園長先生や西の長が本心ではどう考えてるかは私も知らないわ。 ただお嬢様にしても貴女にしても私に任されてる以上はもっと広い世界を生きて欲しいの。」
突然人生を楽しめと語る刀子に未だに以前の堅物なイメージが残る刹那は戸惑いを隠せないが、刀子は刀子なりに少女達の将来を考えている。
東西双方の魔法協会を知りその苦労や問題もよく理解している刀子は、魔法や裏の世界に必要以上に傾倒するのは現時点では必要ないと思っていた。
かつての刀子とは違い少女達には自由に選べるだけの環境があるのだ。
それ故に刀子は刹那にも自分の人生を楽しむことを知って欲しいと本心から願っていた。