麻帆良祭への道

さて人気メニューに戻るが四位はオムライスだった

これは横島がここに引っ越して来た時に木乃香達に作った物をそのままメニューにしたのだが、軽食では一番人気のメニューである

実際はオーソドックスな普通のオムライスなのだが、結構人気があり特に休日は学生によく売れていた

ある意味凝った料理よりはオムライスのような馴染み深い料理の方が、横島の腕が分かるのかもしれない

感動するほどのインパクトはないが、ふと食べたくなるという意見が多いようだ


「五位はおにぎりセット? 地味に売れてたんだな」

ここまでの人気メニューは横島も予想していたが、人気五位のおにぎりセットは少し意外だった

このメニューも実は開店当初はなかったのだが、平日の日中に多い中高年の要望でメニュー入りした品である

油っこい物やパンよりも普通のご飯が食べたいという中高年の男性が結構多かったのだ

セットと言ってもおにぎり二個とみそ汁と漬物に緑茶だけなのだが、これが地味に売れていたようである

具はその日の状況により三種類くらい用意しており、一番手間がかかるのでさえ焼きおにぎり程度なのだが年配者を中心に人気だった

元々横島はとしてはあまり深く考えたメニューではなかったが、作り立てのおにぎりが食べれる店がなかったことも人気の原因なようだ


「こんなもんでいいだろ」

人気メニューの上位五品を纏めた横島だが、正直これが宣伝になるとは思えない

特に珍しいものなどない普通のメニューばかりなのだから


「まあ、いいっか」

しかし横島としては宣伝にはあまり興味がなく、まあ雪広グループや超包子が上手くやるだろうと考えそれ以上気にするのを辞めてしまう


「さてと、メニューでも試作するか」

最低限の頼まれた情報を揃えた横島は、そのまま昨日のカレーを使ったメニューを考え始めた

麻帆良祭も日に日に近付いており、すでに中等部では午前中で授業が終わり午後は麻帆良祭の準備に取り掛かっている

木乃香達が来る前にいくつかメニューを用意しようと考えていた


「やっぱ中華まんが一番いいよな~ 超包子でも作るし…… 問題は中身の具か」

フレンチカレーの応用メニューの第一候補は、やはり中華まんである

超包子でもいくつか作るだろうし、あまりメニューを増やせない現状では採用する可能性が高い

厨房に移動した横島は冷蔵庫の中身を確認しつつカレーまん作りを開始していく


「カレーならパンの方がいいかな?」

中華まんの生地をこね始めた頃ふとカレーパンが食べたくなった横島は、ついでにカレーパンも作る事にする

鼻歌混じりに小麦粉をこねていく横島だが、途中で客の対応で中断したりしながらも順調に試作品を作っていた


「今日はこいつを使ってみるか」

カレーまんとカレーパンが一段落した横島は、冷蔵庫からおからを出して何かおやつでも作ろうと考えていたようだ

これも麻帆良祭用のメニューのアイデアの一つであり、雪広グループの工場ではおからを廃棄していたことから横島は活用出来ないかと考えているらしい


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