二年目の春・4
その後夕方になると横島は木乃香とのどかに手伝って貰いながら夕食の支度を始めていた。
日々の食事は毎日作る身となればメニューに悩むものでそれは横島も同じだが、横島の場合は店にある食材を見てメニューを決めることが多い。
この日で言えば鰹は今日のうちに食べた方がいいのでメインにするが、木乃香とのどかは朝昼共に生の鰹料理を食べているので流石に夜も鰹のタタキやヅケでは飽きるだろうと少しメニューを悩む。
「肉料理も作るか。 ひさしぶりに唐揚げとかどうだ?」
鰹が余っていれば鰹を使った別の料理をと考えるのだろうが、あいにくと鰹は夕食のタタキやヅケの分しかない。
日替わりメニューは今もほぼ利益なしでやっているので今日も格安で売れ行きが良かったのだ。
「カレー粉も使うん?」
「今日はちょっとカレー風味の唐揚げにしてみようかなと思ってな。」
店を始めてしばらくは調味料や香辛料なんかも異空間アジトから取り寄せていたので大半が透明なガラス容器に入れられていて横島以外は中身がすぐに分からなかったなんてこともあったが、今では食材と同じくこちらで仕入れるようになっているのでパッケージなんかで見てもすぐに分かる状態だった。
まあ中には小分けにしたりして相変わらずガラス容器に入ってる物もあるが、木乃香達が間違わないようにと手書きでラベルを貼ったりしてるのですぐに分かる。
横島はそんな調味料が置かれた場所から市販のカレー粉を取り出すとカレー風味の唐揚げにすべく調理を始めていく。
「うわ~、タマちゃん上手だよ。」
同じ頃タマモは地下室で美砂達と楽器の練習をしていた。
周りの友人達からは本当に続けてるんだと少し驚かれることもあるタマモと美砂達の楽器練習とバンド活動は意外なことに地道に続いている。
横島が親バカを発揮してタマモに子供用のギターを買ったこともあり、流石に三日坊主だと引っ込みがつかないという理由もあるのかもしれないが。
ただまあ本来の歴史と違い魔法の存在を知ったり異空間アジトでのバカンスにも行くような生活をしてる結果、楽器の練習に対する熱意は幾分低いことは否めなかった。
元々プロのミュージシャンになりたいという訳でもなくただ中学の最後の麻帆良祭で何か想い出に残ることをやりたいというだけであり、そんな美砂達が現状でも続いているのはタマモが思った以上に楽器が好きになり練習をしているからである。
「みんなのまえでえんそうしてうたうんだよね? わたしべんきょうしたんだよ!」
ちなみにタマモは最近になりようやくバンドの意味をおおよそ理解していた。
まあ細かく聞けばいろいろ誤解していたり理解してない部分はあるんだろうが人前で楽器の演奏して歌うことは知ったらしい。
「タマちゃん可愛いから人気出ちゃうかもね。」
「えー!? 私のタマちゃんなんだから誰にも渡さないよ!」
誰よりも麻帆良祭を楽しみにしているタマモに美砂達もついつい笑顔になるが、円はなんとなくタマモが麻帆良祭で注目を集めるのではと口にすると桜子がタマモを抱き締めて誰にも渡さないと真顔で言い切る。
タマモ自身はあまり意味を理解してなくきょとんとするも、美砂と円はそんなタマモと桜子を見て何故かツボに嵌まったようでしばらく爆笑していた。
日々の食事は毎日作る身となればメニューに悩むものでそれは横島も同じだが、横島の場合は店にある食材を見てメニューを決めることが多い。
この日で言えば鰹は今日のうちに食べた方がいいのでメインにするが、木乃香とのどかは朝昼共に生の鰹料理を食べているので流石に夜も鰹のタタキやヅケでは飽きるだろうと少しメニューを悩む。
「肉料理も作るか。 ひさしぶりに唐揚げとかどうだ?」
鰹が余っていれば鰹を使った別の料理をと考えるのだろうが、あいにくと鰹は夕食のタタキやヅケの分しかない。
日替わりメニューは今もほぼ利益なしでやっているので今日も格安で売れ行きが良かったのだ。
「カレー粉も使うん?」
「今日はちょっとカレー風味の唐揚げにしてみようかなと思ってな。」
店を始めてしばらくは調味料や香辛料なんかも異空間アジトから取り寄せていたので大半が透明なガラス容器に入れられていて横島以外は中身がすぐに分からなかったなんてこともあったが、今では食材と同じくこちらで仕入れるようになっているのでパッケージなんかで見てもすぐに分かる状態だった。
まあ中には小分けにしたりして相変わらずガラス容器に入ってる物もあるが、木乃香達が間違わないようにと手書きでラベルを貼ったりしてるのですぐに分かる。
横島はそんな調味料が置かれた場所から市販のカレー粉を取り出すとカレー風味の唐揚げにすべく調理を始めていく。
「うわ~、タマちゃん上手だよ。」
同じ頃タマモは地下室で美砂達と楽器の練習をしていた。
周りの友人達からは本当に続けてるんだと少し驚かれることもあるタマモと美砂達の楽器練習とバンド活動は意外なことに地道に続いている。
横島が親バカを発揮してタマモに子供用のギターを買ったこともあり、流石に三日坊主だと引っ込みがつかないという理由もあるのかもしれないが。
ただまあ本来の歴史と違い魔法の存在を知ったり異空間アジトでのバカンスにも行くような生活をしてる結果、楽器の練習に対する熱意は幾分低いことは否めなかった。
元々プロのミュージシャンになりたいという訳でもなくただ中学の最後の麻帆良祭で何か想い出に残ることをやりたいというだけであり、そんな美砂達が現状でも続いているのはタマモが思った以上に楽器が好きになり練習をしているからである。
「みんなのまえでえんそうしてうたうんだよね? わたしべんきょうしたんだよ!」
ちなみにタマモは最近になりようやくバンドの意味をおおよそ理解していた。
まあ細かく聞けばいろいろ誤解していたり理解してない部分はあるんだろうが人前で楽器の演奏して歌うことは知ったらしい。
「タマちゃん可愛いから人気出ちゃうかもね。」
「えー!? 私のタマちゃんなんだから誰にも渡さないよ!」
誰よりも麻帆良祭を楽しみにしているタマモに美砂達もついつい笑顔になるが、円はなんとなくタマモが麻帆良祭で注目を集めるのではと口にすると桜子がタマモを抱き締めて誰にも渡さないと真顔で言い切る。
タマモ自身はあまり意味を理解してなくきょとんとするも、美砂と円はそんなタマモと桜子を見て何故かツボに嵌まったようでしばらく爆笑していた。