二年目の春・4
その後も特に何かする訳でもなく自由でゆっくりとした時間を過ごしつつ二日目のお花見を終えて、一行は時差が出ないようにと夜に麻帆良へと帰っていた。
「暇ですね。」
「葉加瀬は何か趣味でも見つけるといいネ。」
さて麻帆良では月曜の夜でありこの日は超と葉加瀬が学園と生徒会から呼び出され事情聴取を受けた日だが、超鈴音は以前に話していた通り当面は自主的に謹慎するとその場で発言して葉加瀬もそれに続いている。
結果としてやることを無くした二人だが早くも暇をもて余していたのは葉加瀬で、元々罪悪感すらまだ感じてない彼女は現状では大人しくしてるしかないと超に合わせるように謹慎することにしたが反省してる訳ではないので緊張感や後悔はあまりない。
超の方は夕食を作ったり家事をしたりとそれなりにやることを見つけていたが、研究バカである葉加瀬は他にやることを見つけられてなかった。
部屋で出来る研究をと当初は考えていたが超が痛くもない腹を探られることは良くないと本当になにもしてないのだ。
「趣味ですか? 研究が趣味のようなものですからね。」
実は超はこれを機会に葉加瀬にもう少し研究以外にも目を向けさせたいと考えている。
一つの道をただひたすら邁進するのは決して悪くはないが、葉加瀬は研究以外の判断や考えることを放棄してる部分もありそれは決していいことではない。
正直葉加瀬が好きな研究を好きなようにやれてるのは超が資金や技術に設備など研究環境を整えてるからであり、一般の研究員が研究環境を整えてるのにどれだけ苦労するかすら理解してなかった。
まあ超の技術を持つ葉加瀬ならば研究環境を用意してくれる存在は探せばすぐに見つかるだろうし、現状でも超の元には裏表問わず少なくない国や大学に研究機関から誘いが来ている。
中には目が眩むような待遇を提示するところもあるが、それらは必ずしもいいところばかりではない。
そんな現実世界を知らぬままではいずれ葉加瀬自身が苦しむことになるのは明らかだった。
「ああ、魔法世界なら行ってみたいですね。 私実際に見たことないので。」
「魔法世界カ。」
そのまま研究以外のやりたいことをとの話を少し続けていく二人だが、葉加瀬は魔法世界に行きたいと口にして超は何とも言えない表情をする。
つい最近までは魔法世界の為にと努力して来ただけに葉加瀬が魔法世界に行きたいと考えるのは当然で、実は超もまたこの世界の魔法世界には行ったことがなくいずれ行きたいと考えていた。
実際魔法公開が成功した暁には次は魔法世界での変革の計画を彼女は計画していて、魔法世界救済の障害であるメガロメセンブリアは完全に解体するはずだったのだ。
「でもいいんですか? 帰還用のカシオペアくらいは組み立てておいた方が……。」
「もう後戻り出来ないネ。 それが私達のやったことヨ。」
計画は防がれ夢破れた超と葉加瀬だが、反省も後悔もしてない葉加瀬が一番気にしているのは超が未来に帰る手段が無くなってしまったことである。
いつか世界を変えて未来に帰りたい。
かつて超は葉加瀬にそう話していたのだ。
しかし超は今年の麻帆良祭では未来に帰れないとここ数日で考え始めている。
何一つ結果を出してなく最後まで自分を信じてくれる友人を一人残しては帰れなかった。
ただそれでもいつか未来に帰り仲間達の幸せな姿は見てみたいとそれだけは思ってやまなかった。
「暇ですね。」
「葉加瀬は何か趣味でも見つけるといいネ。」
さて麻帆良では月曜の夜でありこの日は超と葉加瀬が学園と生徒会から呼び出され事情聴取を受けた日だが、超鈴音は以前に話していた通り当面は自主的に謹慎するとその場で発言して葉加瀬もそれに続いている。
結果としてやることを無くした二人だが早くも暇をもて余していたのは葉加瀬で、元々罪悪感すらまだ感じてない彼女は現状では大人しくしてるしかないと超に合わせるように謹慎することにしたが反省してる訳ではないので緊張感や後悔はあまりない。
超の方は夕食を作ったり家事をしたりとそれなりにやることを見つけていたが、研究バカである葉加瀬は他にやることを見つけられてなかった。
部屋で出来る研究をと当初は考えていたが超が痛くもない腹を探られることは良くないと本当になにもしてないのだ。
「趣味ですか? 研究が趣味のようなものですからね。」
実は超はこれを機会に葉加瀬にもう少し研究以外にも目を向けさせたいと考えている。
一つの道をただひたすら邁進するのは決して悪くはないが、葉加瀬は研究以外の判断や考えることを放棄してる部分もありそれは決していいことではない。
正直葉加瀬が好きな研究を好きなようにやれてるのは超が資金や技術に設備など研究環境を整えてるからであり、一般の研究員が研究環境を整えてるのにどれだけ苦労するかすら理解してなかった。
まあ超の技術を持つ葉加瀬ならば研究環境を用意してくれる存在は探せばすぐに見つかるだろうし、現状でも超の元には裏表問わず少なくない国や大学に研究機関から誘いが来ている。
中には目が眩むような待遇を提示するところもあるが、それらは必ずしもいいところばかりではない。
そんな現実世界を知らぬままではいずれ葉加瀬自身が苦しむことになるのは明らかだった。
「ああ、魔法世界なら行ってみたいですね。 私実際に見たことないので。」
「魔法世界カ。」
そのまま研究以外のやりたいことをとの話を少し続けていく二人だが、葉加瀬は魔法世界に行きたいと口にして超は何とも言えない表情をする。
つい最近までは魔法世界の為にと努力して来ただけに葉加瀬が魔法世界に行きたいと考えるのは当然で、実は超もまたこの世界の魔法世界には行ったことがなくいずれ行きたいと考えていた。
実際魔法公開が成功した暁には次は魔法世界での変革の計画を彼女は計画していて、魔法世界救済の障害であるメガロメセンブリアは完全に解体するはずだったのだ。
「でもいいんですか? 帰還用のカシオペアくらいは組み立てておいた方が……。」
「もう後戻り出来ないネ。 それが私達のやったことヨ。」
計画は防がれ夢破れた超と葉加瀬だが、反省も後悔もしてない葉加瀬が一番気にしているのは超が未来に帰る手段が無くなってしまったことである。
いつか世界を変えて未来に帰りたい。
かつて超は葉加瀬にそう話していたのだ。
しかし超は今年の麻帆良祭では未来に帰れないとここ数日で考え始めている。
何一つ結果を出してなく最後まで自分を信じてくれる友人を一人残しては帰れなかった。
ただそれでもいつか未来に帰り仲間達の幸せな姿は見てみたいとそれだけは思ってやまなかった。