二年目の春・4
「しかし茶々丸君に魂があったとはね。」
「言ってませんでしたっけ? 麻帆良という日本でも有数の龍脈がある土地にエヴァちゃんの魔力なんかを動力にしてればね。」
そのまま時間も限られてるので横島はさっそく茶々丸の魂を有機ボディに移す準備をするが、高畑と刀子は説明の最中で始めて聞いた茶々丸に魂があった事実に驚いていた。
ただ横島は誰に何を何処まで話したかなど細かく覚えてないので二人に話してなかったことを忘れていたらしい。
「そういやチャチャゼロもボディ変えられるが人間っぽい身体は要るか?」
「アー、俺ハイラネエナ。」
そもそもの問題として魂がある茶々丸を人として扱うべきかロボットとして扱うべきか高畑は少し悩むというか判断の基準が微妙だなと考えていたが、横島はついでにチャチャゼロにも人型のボディが欲しいかと尋ねるもチャチャゼロは即決で不要だと告げる。
チャチャゼロの場合はすでに今ある体が完全に自分の体として定着してるので特に問題ないのだが、実はエヴァの魔力が無くして動けないという欠点もあるので横島は少し考えていたらしい。
ただ実のところ横島の見立てでは、チャチャゼロは自ら望めばエヴァの魔力が不要な完全な個体としての存在にもなれる力はすでにあった。
現状でそれが進まないのは本人がこれ以上の進化を望んでないからかと横島は思う。
「超鈴音も何だかんだ言っても凄いのよね。」
「そうっすね。 偶然と様々な要因が重なったとはいえ生命創造に繋がったんですから。 ただ同じことしても再現は出来ないと思いますけど。」
さて茶々丸の魂を移動させること自体はさほど手間ではないのだが、最低限のテストとデータ収集など必要なのでそちらは少し手間だった。
テストに必要な機器を起動させたりしながら雑談する横島達だが、刀子は横島と話ながら超鈴音が子供で良かったのかもしれないと密かに考えている。
才能という意味では超鈴音も間違いなく天才クラスであろうことは明らかであり、偶然とはいえ魂を宿した茶々丸を造ったことから考えてもあと十年遅くこの時代に来ていたらと思うとゾッとしてしまう。
「そんじゃ始めるぞ。 体の感覚とか今までとは全く違うから戸惑うかもしれんが落ち着いてな。」
そしていよいよ横島は茶々丸の魂を有機ボディへと移す作業に入る。
「ああ……。 これがわたし……。」
現在のボディの稼働が止まりすぐに有機ボディに魂が移された茶々丸が最初に感じたのは、今までには決して感じることがなかった五感の刺激だった。
寝かされてる作業台は冷たく固いし天井の照明が眩しくも感じる。
体には幾つかのテストやデータ収集の機器が取り付けられているが、それらの機器の感触もまた新鮮なほどなのだ。
「魂の定着率が九十八パーセントか。 誤差は少ないな。 各種数値にも異常はなしっと。 ハニワ兵。 数値は記録しといてくれ。」
そんな始めての生物的な五感のあまりの刺激に感動というか驚愕している茶々丸だが、横島は珍しくというか当然ながら異常がないかと確認して何人かのハニワ兵に手伝ってもらいながら真面目に作業をこなしている。
「起きてもいいですか?」
「ああ、構わんぞ。」
対する茶々丸はまずは目線を動かし手足と首を動かしてみるが今までとは全く違うも不思議と違和感はなく、自分がどんな体になったのか確認したくて我慢出来ない様子だった。
横島に確認を取ると起き上がり自らの手で顔や体に触れて信じられないと言わんばかりの表情をしている。
「言ってませんでしたっけ? 麻帆良という日本でも有数の龍脈がある土地にエヴァちゃんの魔力なんかを動力にしてればね。」
そのまま時間も限られてるので横島はさっそく茶々丸の魂を有機ボディに移す準備をするが、高畑と刀子は説明の最中で始めて聞いた茶々丸に魂があった事実に驚いていた。
ただ横島は誰に何を何処まで話したかなど細かく覚えてないので二人に話してなかったことを忘れていたらしい。
「そういやチャチャゼロもボディ変えられるが人間っぽい身体は要るか?」
「アー、俺ハイラネエナ。」
そもそもの問題として魂がある茶々丸を人として扱うべきかロボットとして扱うべきか高畑は少し悩むというか判断の基準が微妙だなと考えていたが、横島はついでにチャチャゼロにも人型のボディが欲しいかと尋ねるもチャチャゼロは即決で不要だと告げる。
チャチャゼロの場合はすでに今ある体が完全に自分の体として定着してるので特に問題ないのだが、実はエヴァの魔力が無くして動けないという欠点もあるので横島は少し考えていたらしい。
ただ実のところ横島の見立てでは、チャチャゼロは自ら望めばエヴァの魔力が不要な完全な個体としての存在にもなれる力はすでにあった。
現状でそれが進まないのは本人がこれ以上の進化を望んでないからかと横島は思う。
「超鈴音も何だかんだ言っても凄いのよね。」
「そうっすね。 偶然と様々な要因が重なったとはいえ生命創造に繋がったんですから。 ただ同じことしても再現は出来ないと思いますけど。」
さて茶々丸の魂を移動させること自体はさほど手間ではないのだが、最低限のテストとデータ収集など必要なのでそちらは少し手間だった。
テストに必要な機器を起動させたりしながら雑談する横島達だが、刀子は横島と話ながら超鈴音が子供で良かったのかもしれないと密かに考えている。
才能という意味では超鈴音も間違いなく天才クラスであろうことは明らかであり、偶然とはいえ魂を宿した茶々丸を造ったことから考えてもあと十年遅くこの時代に来ていたらと思うとゾッとしてしまう。
「そんじゃ始めるぞ。 体の感覚とか今までとは全く違うから戸惑うかもしれんが落ち着いてな。」
そしていよいよ横島は茶々丸の魂を有機ボディへと移す作業に入る。
「ああ……。 これがわたし……。」
現在のボディの稼働が止まりすぐに有機ボディに魂が移された茶々丸が最初に感じたのは、今までには決して感じることがなかった五感の刺激だった。
寝かされてる作業台は冷たく固いし天井の照明が眩しくも感じる。
体には幾つかのテストやデータ収集の機器が取り付けられているが、それらの機器の感触もまた新鮮なほどなのだ。
「魂の定着率が九十八パーセントか。 誤差は少ないな。 各種数値にも異常はなしっと。 ハニワ兵。 数値は記録しといてくれ。」
そんな始めての生物的な五感のあまりの刺激に感動というか驚愕している茶々丸だが、横島は珍しくというか当然ながら異常がないかと確認して何人かのハニワ兵に手伝ってもらいながら真面目に作業をこなしている。
「起きてもいいですか?」
「ああ、構わんぞ。」
対する茶々丸はまずは目線を動かし手足と首を動かしてみるが今までとは全く違うも不思議と違和感はなく、自分がどんな体になったのか確認したくて我慢出来ない様子だった。
横島に確認を取ると起き上がり自らの手で顔や体に触れて信じられないと言わんばかりの表情をしている。