二年目の春・4

「横島さんねぇ。 修行とかしてるの見たことないわよ。 基本的に好きなこととか興味あることしかしないのよね。」

「ラジオ体操なら時々タマちゃんと一緒にしてますよ。」

さてアラモアナショッピングセンターの木乃香達だが、古菲が横島の実力に興味を抱き日頃どんな修行をしてるのかとさよや明日菜に尋ねるも二人は横島が修行している姿を見たことがないのでよくわからない。

高畑や刀子と対戦してる姿や誰かに教えてる姿は見ても不思議と横島自身の修行は見たことがなく、同じく強いエヴァ共々修行が必要ない強さなのかなと思うほどだ。

ちなみに横島が高畑や刀子を含めた少女達に魔法なんかを指導してることは秘密にするように言われてるので古菲には言えなく、正直戦いに疎い少女達はどう説明していいか分からないようである。


「うむ、秘密の特訓をしてるアルか~。」

「いや、そもそも戦うのが好きじゃないと言ってたですよ。」

よく一緒に修行している豪徳寺達共々強い人をかぎ分ける嗅覚でも持ってそうな古菲は貪欲なまでに強さと達人を求めており、横島は隠れて修行をするタイプかと勝手に想像を膨らませていく。

明日菜達に加え夕映もあまり変な噂にならないようにと訂正していくが、古菲達はなんとなく横島は強そうだと考えており一緒に修行する機会を探してるらしい。


「でも古菲さんが居てくれて助かりましたね。」

「荒事なら任せるネ。」

そんな古菲だが木乃香達とはバトル以外は話が合うらしく楽しげであり、先程なんかは怪しい露天商をさよが興味本意で眺めていたら無理矢理商品を買わされそうになったところを古菲が間に入りキッパリ断っている。

言葉は通じてないためのの古菲の迫力に相手が引いてしまったのだが。

木乃香も含めて横島の周囲は危機管理が結構出来ているが、実は一番危機管理が出来てないのは天然で横島と一緒に暮らしてるさよだったのだ。

古菲に関しては以前は格闘系サークルとの乱闘のような野良試合ばかりでやるので一般生徒からは密かに怖がられて居たりしたが、少し前から豪徳寺達と一緒の影響で人助けや親切をよくするので以外にトラブルに慣れてるという事情もあった。

それとこれは余談だが古菲が人助けをしてるのが評判になった結果、古菲の追っかけとも言える格闘系の人間達なんかも人助けなんかを始めていたので最近は妙に親切な格闘バカが麻帆良には増えている。

特に半分下心もあって女子中高エリアにナンパをしにくる麻帆良市外の悪質なナンパ野郎達を追っ払うことを始めていて、意外にも女の子達の評判が良かったりするが。

古菲と豪徳寺という妙な組み合わせが麻帆良の街を地味に変えていた。


「おっ、あれ美味そうアル! 食べていくヨ!」

なお古菲はかなり食いしん坊でもあるらしく美味しそうな店を見つけるとすぐに入ってしまうので、木乃香達も付き合っていていつの間にか食べ歩きになっている。

まあ木乃香達は正直そんなに大食いではないのでみんなで一品頼んで味見程度につまむ程度だったが、こちらは料理の量が多いのがよくあるのでそれでもかなりボリュームであった。

結局木乃香達はお土産と食べ歩きで自由行動の午後を楽しむことになる。


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