麻帆良祭への道
「各国魔法協会との調整や本国との交渉か…… 他には組織の防諜と警備は強化が必要だな」
今日幹部達が集まった一番の問題は、戦時の指揮命令権に関わる交渉と今後の麻帆良の防衛の調整である
むしろ幹部達はこちらの問題を厄介だと感じていた
「警備の負担が増える分の経費は、メルディアナのスプリングフィールド校長に請求すればよろしいので?」
「もちろんじゃ。 五割増しで請求書を送ってやるつもりじゃ。 孫の為にこちら側の魔法協会を引っかき回したのじゃからな」
関東魔法協会とて、それほど資金面で余裕がある訳ではない
近右衛門としては当然ネギに絡む経費は全て祖父に請求するつもりだった
五割増しは少し足元を見てる感じもあるが、魔法協会の人員も余裕がある訳ではないし無理をかけるのだ
五割増しの報酬でも払わねば、誰も現状以上の仕事を引き受けるはずがなかった
「しかし今回の件で、地球側の魔法協会の友好関係に亀裂が入る事は確かですな」
「あのスプリングフィールド校長が孫の為にここまでするとは……」
話は流れてネギの祖父であるメルディアナ学校長の話題になると、幹部達の表情は一様に暗くなる
いくら孫の為とはいえこんな手段を取るとは思えなかったし、これではメルディアナが地球側魔法協会の間で孤立するのは明らかだった
地球側の多くの魔法協会はネギの問題に関わる事を恐れていたし、自分でなんとかしろと言うのが共通認識だったのだ
「各国魔法協会との連携を強化してくれ。 まさかとは思うがあやつが孫の為にわしらを売った可能性もある」
幹部達の驚きや落胆にも近右衛門は顔色一つ変えずに、最悪のシナリオを想定して動くように告げる
今回の一連の問題は、恐らく本国の政治的な問題からなったのだろうと近右衛門は考えているが確証がある訳ではない
そして最悪の場合はメルディアナ学校長が、ネギの為に本国と何かしらの取引をしたのかと疑っていた
近右衛門の失脚や麻帆良を始め、地球側魔法協会を本国が再び支配する手助けをしたのではとの疑念が消えないのだ
「まさか、そこまでは……」
幹部達は近右衛門の懸念に考え過ぎではと告げるが、否定出来るほどでもない
「わしがあやつの立場ならやるかもしれん。 孫の未来の為ならばな……」
近右衛門の言葉は果てしなく重かった
立場が違えどもし仮に近右衛門がメルディアナ学校長の立場なら、同じくどんな手段を使っても孫の未来を守るだろうと考えている
地球側魔法協会とメガロメセンブリアの対立は所詮権力争いの一貫であるし、どちらかが勝ったからと言って世界が平和になる訳でもないのだから
孫の未来を考えると、どんな手段を用いても不思議ではないと皆が考えてしまう
「誰の差し金かは知らんが、好き勝手にはさせん。 今だに自分達魔法使いは特別な存在だと考えてる連中に麻帆良を渡す訳にはいかんからのう」
近右衛門の言葉に幹部達は頷くと、それぞれに緊急対策を話し合っていく
何かを守るのは今も昔も、綺麗事では済まされない力が全てだった
今日幹部達が集まった一番の問題は、戦時の指揮命令権に関わる交渉と今後の麻帆良の防衛の調整である
むしろ幹部達はこちらの問題を厄介だと感じていた
「警備の負担が増える分の経費は、メルディアナのスプリングフィールド校長に請求すればよろしいので?」
「もちろんじゃ。 五割増しで請求書を送ってやるつもりじゃ。 孫の為にこちら側の魔法協会を引っかき回したのじゃからな」
関東魔法協会とて、それほど資金面で余裕がある訳ではない
近右衛門としては当然ネギに絡む経費は全て祖父に請求するつもりだった
五割増しは少し足元を見てる感じもあるが、魔法協会の人員も余裕がある訳ではないし無理をかけるのだ
五割増しの報酬でも払わねば、誰も現状以上の仕事を引き受けるはずがなかった
「しかし今回の件で、地球側の魔法協会の友好関係に亀裂が入る事は確かですな」
「あのスプリングフィールド校長が孫の為にここまでするとは……」
話は流れてネギの祖父であるメルディアナ学校長の話題になると、幹部達の表情は一様に暗くなる
いくら孫の為とはいえこんな手段を取るとは思えなかったし、これではメルディアナが地球側魔法協会の間で孤立するのは明らかだった
地球側の多くの魔法協会はネギの問題に関わる事を恐れていたし、自分でなんとかしろと言うのが共通認識だったのだ
「各国魔法協会との連携を強化してくれ。 まさかとは思うがあやつが孫の為にわしらを売った可能性もある」
幹部達の驚きや落胆にも近右衛門は顔色一つ変えずに、最悪のシナリオを想定して動くように告げる
今回の一連の問題は、恐らく本国の政治的な問題からなったのだろうと近右衛門は考えているが確証がある訳ではない
そして最悪の場合はメルディアナ学校長が、ネギの為に本国と何かしらの取引をしたのかと疑っていた
近右衛門の失脚や麻帆良を始め、地球側魔法協会を本国が再び支配する手助けをしたのではとの疑念が消えないのだ
「まさか、そこまでは……」
幹部達は近右衛門の懸念に考え過ぎではと告げるが、否定出来るほどでもない
「わしがあやつの立場ならやるかもしれん。 孫の未来の為ならばな……」
近右衛門の言葉は果てしなく重かった
立場が違えどもし仮に近右衛門がメルディアナ学校長の立場なら、同じくどんな手段を使っても孫の未来を守るだろうと考えている
地球側魔法協会とメガロメセンブリアの対立は所詮権力争いの一貫であるし、どちらかが勝ったからと言って世界が平和になる訳でもないのだから
孫の未来を考えると、どんな手段を用いても不思議ではないと皆が考えてしまう
「誰の差し金かは知らんが、好き勝手にはさせん。 今だに自分達魔法使いは特別な存在だと考えてる連中に麻帆良を渡す訳にはいかんからのう」
近右衛門の言葉に幹部達は頷くと、それぞれに緊急対策を話し合っていく
何かを守るのは今も昔も、綺麗事では済まされない力が全てだった